will-can-mustの使い方を徹底解説!どのように活用すれば良いの?実際の例を使いながら紹介
はじめに
自己分析を始めたいけれど何をすればいいかよくわからないという方も多くいるのではないでしょうか。
今回は現在の自分から将来を考えるフレームワークであるwill-can-mustを解説をしていきます。
自己分析と企業分析をうまくつなげるのに役立つでしょう。
上手にフレームワークを使いこなし、自己分析を進めてみてください。
will-can-mustとは
will-can-mustは様々なフレームワークがある中でも使い方はシンプルです。
シンプルだからこそ使い方には注意が必要となります。
まずwill-can-mustのそれぞれがどのようなものを表すのか見ていきましょう。
- will:自分のありたい姿、なりたい人物像を描きます
- can:現在の自分の特徴やできることを表します
- must:世の中において求められる人物像や志望している企業、職種にふさわしい人物を書きます
大切なのはwill-can-mustのそれぞれのつながりを意識することです。
つながりがない、もしくは薄い場合は何かが足りない状態ですのでしっくりくるまで書き続けましょう。
特にwillとcanは1回作れば何度も使いまわしができるのでwillとcanをしっかり作りこむことをおすすめします。
will-can-mustを活用するメリット・デメリット
シンプルで使いやすいwill-can-mustのフレームワークですが、作成することのデメリットもあります。
メリット・デメリットを整理してみていきましょう。
メリット
まずはメリットから見ていきます。
自分の大切な価値観を整理できる
willとcanをしっかりと作りその連動性を見ることで自分の大切な価値観を整理できます。
自己分析のフレームワークは現在の自分を知ることに特化をしているものが多いです。
モチベーショングラフや自分史などは自分の過去を掘り下げて、過去から現在までの自分を知るフレームワークですね。
それに対してwill-can-mustはwillをしっかり考えることが特徴です。
これを行うことで過去、現在、未来をつなげて考えられるようになります。
企業分析でポイントを抑えられる
mustがあることによって志望する企業の求める人物像などを整理することができます。
企業分析では何を分析して把握をすればいいのかがわかりづらいですが、その中でも大切なものは「社員にどうあってほしいか」という情報でしょう。
会社の求める人物像に自分があっているのかを見ることができるようになりますね。
志望動機が語りやすくなる
will-can-mustを作り、各項目がどう連動するかを把握することで志望動機が語りやすくなります。
例文を見てみましょう。
私は過去の経験から●●という価値観を大切にしてきました。(can)
将来にわたってもこの価値観を大切にし、▲▲のような人物になりたいと思います。(will)
様々な社員の方とお話をする中で御社では▲▲のような人物を求めていると感じました。(must)
自分の将来なりたい姿と御社の求める人物が近しいと考えています。(willとmustの連動)
いかがでしょうか。
このように説明してあげると志望動機をわかりやすく伝えることができます。
デメリット
メリットも多いwill-can-mustですが、当然デメリットもあります。
デメリットを把握した上で使うことでより有効に使用することができるようになるでしょう。
経験値がないとcanが作りづらい
canは過去の自分の棚卸であり現在自分ができることを書き出すものです。
様々な体験をして成功体験があるとcanを書きやすくなるのですが、そのような経験を多くしている人は少ないでしょう。
canに何を書けるのか、が悩ましいのがデメリットの1つです。
mustを掘り下げるための情報の整理が大変
mustに記載するのは企業が求める人物像などなのですが、ここを正確に把握するのは大変です。
企業のホームページを見て実際にOBOG訪問をし自分なりにその企業で活躍する人を整理しないといけないですね。
企業分析については先輩がどのようにやっていたかなどノウハウを貰った方が早いでしょう。
willが強引になりがち
willについては普段から考えている人は少ないのではないでしょうか。
自分がどんな大人になりたいかという抽象的な話は言語化するのが難しいものです。
いきなり考えて答えの出るものでもないので、少し時間をかけてもいいのでゆっくり作りましょう。
自分はどんな人に憧れてきたのか、尊敬する人の特徴は何かなどを振り返ってみてください。
will-can-mustを使いやすい人
次にwill-can-mustをうまく使いやすい人について見ていきましょう。
明確なwillがある人
will-can-mustで最も考えるのが難しいのが明らかにwillです。
canは自分の今までの経験、能力をわかりやすく説明できればいいので比較的対応しやすいでしょう。
mustも企業が求める人物像を公表していたり、社員から活躍する人物像を聞いたりすることで整理をしていけます。
willだけは自分で自分の将来を描かなければなりませんので、ここだけが未来の話になり自分自身が描くしかない項目です。
willを普段から意識している人にとっては難しくないのですが、そうでない人にはハードルの高い作業となるでしょう。
アルバイトやインターンで経験値を積んだ人
canをたくさん書ける人もwill-can-mustは作りやすいでしょう。
canを書けるということは経験値があるということであり、アルバイトやインターンで経験を積んだ人ほどwillを導きやすくなります。
もしくは「willにこだわらずcanとmustだけで考える」というようにwillを無視できるのです。
canに自信を持てることでフレームワークの活用の幅が広がります。
志望する企業が決まっている人
志望企業が確定している人はmustを絞って作成できるので使いやすいでしょう。
企業分析の数だけmustが必要になりますので、ある程度この数が絞れているとより深く企業に対する考察をすることができます。
will-can-mustの連動を考えるのはそれなりに大変な作業です。
特に志望度の高い企業には集中して作成するといいでしょう。
will-can-mustを進める5ステップ
では、具体的にwill-can-mustをどのように作成していくのか手順を解説していきます。
1.自分の過去のwill-can-mustを作成してみる
いきなりwill-can-mustを作成するのはハードルが高いので、自分が過去に重要な意思決定をしたときのwill-can-mustを作ってみましょう。
高校受験や大学受験、部活に入るときなど様々なことを今まで決めてきましたね。
憧れの先輩がいるとか友人と同じ高校・大学を目指したとか何でもいいです。
過去に当てはめる場合、mustは難しくなるのでwillとcanを作ってみるようにしましょう。
2.can=強み、できることを作成する
過去の自分でイメージでができたら実際に現時点でのwill-can-mustを作成していきます。
最初に作成するのはcanからです。
過去、現在の自分の経験から自分が今できること、強み弱みを考えていきましょう。
できれば多くの項目を出せるといいですが、なかなか難しい場合は少しでも大丈夫です。
まずはcanを出せるようになりましょう。
3.will=自分がどうありたいかを思い描く
canの次はwillです。
漠然とこのようになりたい、憧れがあるというところから姿を描いても問題ありません。
なぜそう思うのか、なぜ憧れるのかを言えるようにしておきましょう。
そしてその姿とcanで出てきた現実の自分とのGAPをしっかりと認識することが重要です。
社会人となり成長を続けることでそのwillの姿に近づいていくので、仕事を通じてどのように成長していきたいか、がこのGAPから見えてきます。
4.must=世の中の動きや企業分析を深める
mustを見ていきましょう。
ここは自分が起点になるのではなく志望する企業に関する情報を整理してください。
企業で活躍している人がどのような人か、その企業が求める人材がどのような人なのかを分析します。
できる限りインターンや説明会で直接話を聞き、具体的なmustを作成できるようにしましょう。
5.willとmustの重なりを見つける
最後に重要なことはwillとmustを重ね合わせることです。
ポテンシャル採用である新卒の場合はその人がどのように成長していきたいか、成長した時に会社にどれだけ貢献してくれるかが重要になります。
例えばwillはグローバルに活躍できる人材になりたい、会社のmustは泥臭く不動産の販売を頑張ることのようなケースを想定しましょう。
いくらグローバル人材になろうと英語を頑張っても、営業相手は国内の日本人ばかりでは英語を活用する機会はありませんね。
will-can-mustを調べると中途採用や社会人の研修の記事が多く、その場合はcanとmustの摺合せが重要であると書かれています。
こちらは即戦力採用であり、今できることで会社にどう貢献するかが重要だからです。
新卒採用の場合はやはりwillとmustを重視するべきですので気を付けてください。
will-can-mustをする際の注意点
will-can-mustを作成する際の注意点を見ていきましょう。
canは少なくて当たり前と割り切る
まず取り掛かってみるとわかるのですが、最初のステップであるcanを作成することが難しくいきなりつまづきがちです。
文化祭委員としてイベントを成功させるための段取りをやった、受験勉強で第一志望に合格するために計画的に勉強をしたなど経験から導きましょう。
この経験だけでも段取り力や計画性、計画を実行する実行力などが抽出できますよね。
willは極力少なくする
willを出すときに気を付けるのはできる限り集約する、ということです。
なりたい姿がいくつもあると軸がぶれがちになります。
なりたい姿は1つでもいいですし、多くても3つくらいに絞りましょう。
自分の大切な価値観に優先順位をつけることができますね。
mustは社会人の力を借りて作成する
mustを作るときは社会人の力を借りましょう。
企業の分析で何をしたらいいのかはやったことのある人に聞く方が早いです。
また社会人と学生では必要とする能力やスキルについて見解が大きく異なることもあります。
社会人の力を借りたほうがmustについては近道ですね。
will-can-mustの具体例
では、具体的にwill-can-mustをどう作るかを事例で見ていきましょう。
例1:サークルの副代表を頑張ったAさん
サークルの副代表を頑張ったAさんの例を見ていきましょう。
ペルソナ設定は以下の通りです。
- 小学生の時から学級委員をやることが多く優等生
- 中学の剣道部では主将
- コツコツ頑張る姿勢を評価される
- 自分の意見を主張するのは苦手
- 得意教科は歴史苦手は数学
- 大学は経済学専攻
- マクドナルドでアルバイトを3年続けながらマスコミサークルでは副代表を務める
- 今まで一番頑張ったことは受験勉強
このwill-can-mustだとまだwillとmustがうまく連動していない感じがしますよね。
記者というのも独特な仕事ではあるのでwillが思いだけで先行しがちではあります。
willはcanから導かれるのでGAPが出るのは当たり前なのですが、willとmustが近づくようにもう少し考えましょう。
例2:カフェのアルバイトに全力を尽くしたBさん
次はカフェのアルバイトに全力を尽くしたBさんの例です。
- おじいさんおばあさんと同居で育ち祖父母と近しい
- 誰とでも気さくに話すことが得意
- 小中高と特に目立った実績も活動もない
- 受験勉強は頑張った
- 大学では時間を効率的に使うために早朝にカフェでアルバイトを2年続けてきた
- 責任感の強さから教育係を任命される
- 面倒見はいいほうで人に教えるのは好き
- 好きなことを仕事にするよりできることをやっていきたい
Bさんのケースはwillとmustがうまく合致していますね。
canだけ見ると教育系かなと思いきや人材の転職エージェントなどでもうまく話はできそうです。
canからwillを抽出し、willとmustが自然に合致していく仕事は説明もしやすいですし、選考も進みやすいでしょう。
will-can-mustと一緒に使うべきフレームワーク
ここまでwill-can-mustについて見てきました。
will-can-must自体はシンプルで有用なツールですが、シンプルだからこそ1つ1つの項目を埋めるには工夫が必要ということですね。
will-can-mustを深めるために一緒に活用したい自己分析用のフレームワークを見ていきましょう。
自己分析1000問
まずは自己分析1000問です。
この1000問には新しい自分を気づかせてくれる質問が多く含まれています。
また、質問への回答を抽象化して自分の軸を見つけ出すように使用しますのでwillとcanを考えるのに役立つでしょう。
自己分析1000問はあくまで自己分析でありmustを作ることはできませんので気を付けてください。
自己分析1000問の使い方については以下の記事で紹介しています。
【メモの魔力で自己分析する方法を解説】メモ書きが就活に使える理由とは?自己分析1000問のPDF・エクセルシートまで紹介
自分史
自分史は自分の過去を整理するためのフレームワークです。
will-can-mustでcanを整理する際に自分の過去をしっかりと掘り下げて考える必要がありますよね。
自分史を作ることにより過去の自分から強み弱みを知るための情報を整理することができます。
次の記事で自分史のやり方を解説していますので参考にしてください。
自己分析に使える自分史を徹底解説!具体的な作り方・書き方とは?作成した後の3つの活用方法から自分を深掘る質問項目まで紹介
SWOT分析
SWOT分析は自分の強み弱みと世の中の機会・脅威を対比させ、自分を世の中でどう活かすかを考えるフレームワークです。
ここで活用できるのは志望する企業が世の中の機会・脅威に対してどのような立ち位置なのかを考えることができることでしょう。
志望する会社が今後の世の中で逆風だらけだとすると、その企業を志望しmustを作成しても世界全体の流れのmustに逆らうかもしれません。
大きな視点からmustを作ることに役立ちますね。SWOT分析のやり方は以下の記事を参考にしてください。
まとめ
本記事ではwill-can-mustについて見てきました。
シンプルで比較的使いやすいのですが、それぞれを深めていくのは簡単なことではありません。
複数のフレームワークを組み合わせて使えるようにしましょう。
上手にフレームワークができると面接などで志望動機を伝えやすくなりますので是非チャレンジしてみてください。
自己分析のフレームワークについては以下の記事で紹介していますので、興味のある方は参考にしてみましょう。
またシューブンでは自己分析に関する様々な記事を紹介しています。
こちらも併せてご覧ください。
それでは、自己分析頑張りましょう。