【やりたいことがみつからない3つの理由】なぜ就活生はやりたいこと探しに時間をかけてはいけないのか?
はじめに
就活を始めると「自分は何がやりたいんだろう」と自問しますよね。
多くの方がやりたいことが特にないということに気づくのではないでしょうか。
やりたいこと探しに時間をかけても仕方がないとよく言われますね。
結局やりたいことは必要なのかなくともいいのか、やりたいこと探しに時間をかけてはいけない理由等を解説していきます。
やりたいことがみつからない3つの理由
やりたいことがなかなか思い浮かばないという人には3つのパターンがあります。
自分がいずれかのパターンに当てはまるのであれば周りに同じような悩みを持っている人はたくさんいますので心配しないでください。
やりたいことが見つからないだけで劣等感を感じてしまう人もいますが、皆同じように悩んでいるのです。
1.学校教育で専門性を磨いていない
1つ目は専門性のある教育を受けていない場合です。
欧米の大学では大学1,2年生でリベラルアーツを学び、3,4年生で何を選考するかを選びその選考に関連するインターンを開始します。
大学の時点である程度自分の進路が見えているのです。
それに対して日本の大学ではあまり専門性を身に着ける勉強をしませんし、企業が独自に自社で人材を育成するスタイルとなっています。
何をやるかに悩むのは社会システム上当然のことでしょう。
2.経験値が少ない
大学時代に様々な経験をしているとその中から自分のやりたいことを見つけることもできます。
一方であまり幅広く経験を積んでいない人にとっては自分が本当に何をしたいかを考える機会がなかったことでしょう。
少ない経験、情報の中からやりたいことを選択しようとしても難しいものです。
3.なりたい大人が周りにいない
やりたいことが見つからない理由の最後は目標とするべき大人が周りにいないということです。
小学生くらいであれば「●●さんみたいになりたい!」という憧れをもって野球選手やサッカー選手を目指す子供がたくさんいますよね。
大学生のうち「●●さんみたいになりたい!」と思える人がいる学生は少数です。
普通に大学生活を送っていると社会の一線で活躍する社会人と出会う機会がありません。
やりたいことがわかりづらい理由の1つとして、実際に社会で活躍している大人との接点の少なさが挙げられます。
やりたいことが明確であるメリット・デメリット
やりたいことが明確にあること自体にもメリットとデメリットがあります。
逆に言うとやりたいことがないという人もデメリットだけではないということですね。
両方について見ていきましょう。
メリット
まずはメリットから見ていきましょう。
過去に経験のあることであれば説得力がある
やりたいことが明確な人で、それが自分の体験に基づいてやりたい理由を語れる人は選考フェーズで説得力を持って話をすることができます。
やりたいことが自分の体験でなくただ単に興味がある、くらいの話になってしまうと考えの浅さが見えてしまいますよね。
自分の経験に基づき仕事の醍醐味やつらさ、必要な能力等を話をしていると「良く理解したうえで仕事を選んでいる」と感心してもらえるでしょう。
企業が強化したい仕事であればマッチング度が上がる
やりたいことが明確な場合はそれが企業側のニーズと合致すると内定がとりやすいでしょう。
企業毎に課題は異なり強化したい分野も違います。
企業が営業に力を入れている場合、明確に「営業がやりたいです」と言えると印象が良くなるでしょう。
新卒の社員も伸ばしたい部署に配属したいので採用時点でその仕事をやりたいと言うとその部署に配属しやすいです。
採用選考ではもちろん人物自体の評価もありますが、その会社のその時々の方針とのマッチング度も合否に大きく影響します。
ジョブ型の職種でも応募できる
企業によってはいわゆるジョブ型の採用をしているところも多くあります。
前は比較的外資系に多かったですが、最近は日系の企業もジョブ型雇用を増やしているのです。
マーケティングの専門職であったり営業専門であったりと企業によってジョブ型の内容は異なります。
この場合、入社後は基本的にその職種のみでキャリアを進んでいくこととなるでしょう。
この時点で人生をかけて打ち込めることがある人は応募する価値があります。
やりたいことが明確に決まっているからこそ応募できるメリットです。
デメリット
一方で明確にやりたいことが決まっていることのデメリットも存在します。
逆に言うとやりたいことがないという人のメリットでもありますね。
面接官が学生のやりたいことについての知識がないと伝わらない
例えば、面接官が営業と人事しか経験のない人だったとします。
その人にマーケティングやエンジニアリングの細かい話をしてもイマイチ通じないでしょう。
やりたいことが明確であるがゆえにコミュニケーションがうまく取れなくなるということは就活でよく起きることです。
相手の知識レベルや経験を踏まえて話すことは短い面接の中では非常に難しいものがあります。
細かい話になりすぎないように気を付けましょう。
入社後のGAPが大きくなりやすい
やりたいことが明確である人は同時に「この仕事はこういうものだろう」という思いが強い人でもあります。
自分の認識が明確であるがゆえに、現実的に異なるような仕事が与えられるとGAPとストレスを感じやすくなるのです。
事前に知識がなければ「この仕事はこういうものなのだな」としか思わないのですが、知識があるがゆえの悩みとなるでしょう。
同じ職種であっても企業によって仕事の範囲が若干異なっていることもありますので注意が必要です。
志望企業の選択肢が狭くなりがち
やりたい仕事が明確になっていると、その仕事がない会社には応募することができません。
必然的に選択肢は限られるようになります。
またはジョブ型の雇用しか受けないということになると、まだまだ受けられる会社は多くはありません。
このようにやりたいことが明確だからこそ受けられる会社が少なくなるというデメリットが考えられます。
やりたいこと探しに時間をかけてはいけない理由
やりたいことが明確であるメリットデメリットを見てきました。
やりたいことがあることはいいことばかりではありませんでしたね。
無理にやりたいことを探して時間を取られるのは避けたいところです。
ここではやりたいこと探しに時間をかけてはいけない理由を解説します。
得られる情報が限られている
就活を始めてからだと得られる情報は非常に限られてしまいます。
特に実体験ができないのでその仕事の本当の厳しさややりがいを感じづらいですよね。
得られる情報がそこまで重要でないのに情報探しに時間をかけてもなかなか有意義な時間になりづらいでしょう。
情報を探しに行く前にまずは「どのような仕事を求めるか」という方向性を先に決めておくべきでしょう。
捏造になってしまう
やりたいことがないといけない、という観念にとらわれて無理やりにやりたいことを考えてしまいがちです。
本当にやりたいことでないのに、ある程度のロジックをつけて自分で自分を納得させようとしてしまいます。
社会人になって苦しい場面が訪れたときに、「なんで自分はこんな仕事を選んだんだっけ?」とわからなくなってしまうでしょう。
早期離職につながりますので中期的な観点からやりたいことを捏造しないことが大切です。
やったことがないことだと説得力がない
「新聞の新規営業でトップでした、なので営業の強い御社で営業として活躍したいです」というと非常にわかりやすいですよね。
営業のやりがいやつらさも知っていてそれでも営業をやりたいと言えるので説得力があります。
経験したことのないやりたいことを探しても説得力は上がりづらいです。
一定のロジックで自分の経験とやりたいことをつなげて説明できればよく、心の底からやりたいと思えることを探す必要はないでしょう。
企業は「やりたいこと」を必ずしも求めていない
企業はどれくらい学生の「やりたいこと」を重視しているのでしょうか。
実はそこまで企業側はやりたいことを求めていないというのが実態です。
なぜ企業側はやりたいことをそこまで重視しないかを考えてみましょう。
やりたいことが明確な人の方が少ない
まず企業側もやりたいことのある学生が少ないことを理解しています。
毎年何百何千という学生の方と会う中で自分の将来のキャリアを明確に描ける学生はほんの一握りです。
そもそも企業で働いたことがないのでやりたいことを言われても困るよね、と企業の人事の人は考えます。
企業がやりたいことを聞くのは、過去の自分の体験からやりたい仕事を結び付け説得力のある説明ができるか、という実力を見るためです。
やりたいことを知りたいのではなく、リサーチ力や論理的思考・本気度をこの質問で確認したいというのが本音でしょう。
「総合職」はそもそもやりたいことができるかわからない
そもそも企業の採用形態として「総合職」というのが多くあります。
会社に入ってから何をするかは会社が決めるため、明確にやりたいことが決まっているとそうでない仕事に配属することが不安になるでしょう。
そこまで明確なキャリアビジョンがなくとも、企業の中でやりたいことを探して頑張る方が長く会社に貢献してくれると考えられます。
総合職採用ではやりたいこと自体が重要というわけではありません。
やりたいことが明確だとジョブホッパーに見えがち
やりたいことが明確に決まっていると、ある程度の経験を積んでからその職種で有名な会社に転職するのではと思われることもあります。
いわゆるジョブホッパーというもので、その職種に対してこだわりを持つ人が職を転々としながらスキルを上げていく生き方ですね。
新卒で採用する人は将来会社の重要なポジションを期待されますから短期間で転職が懸念されるような人は嫌厭される可能性があります。
明確なやりたいことがあることでむしろ企業からの評価が下がってしまうでしょう。
やりたいこと以外で何を軸に就活を進めるのか
やりたいことを中心に就活を進めていく人もいるでしょう。
しかしそれが正解というわけでもなく、就職先を考える軸は人によって変わるものです。
やりたいこと以外ではどのような軸で就活を進めるかを考えてみましょう。
なりたい人物像を語る
やりたい仕事で考えるのではなく、なりたい人物像を軸に考えるのが1つです。
その人物になるためにどのような仕事がふさわしいか、という考え方をしていきましょう。
その人物像が会社の求める人物と合致をしているようであればやりたい仕事が決まっていなくとも十分面接でアピールできる材料になります。
より具体的な人物像をイメージすることがポイントです。
OBOG訪問で目指すべき社会人を見つける
なりたい人物像だと現実から少し遠すぎるのですが、よりわかりやすいのはOBOG訪問で「この人みたいになりたい」という人を見つけることです。
できれば自分と共通点があったり似ているところがあったりするとより距離感が近しくなります。
面接等でも「この学生は成長するとあの社員みたいになるのか」と思ってもらえるようになるでしょう。
自分の強みでできることを探す
やりたいことでなくできることを軸に就活をすることも考えられます。
学生時代ですでに営業やマーケティングで実績を出しているとか資格を持っている、英語力が高い等売りとできるものがあれば通用するでしょう。
社会人になってからの方が様々な仕事を知ることができるのです。
この時点では自分の能力を買ってくれる企業に入り社会人になってから自分の生きる道を探す、ということも考えられます。
やりたいことが明確な人の自己PR・志望理由具体例
やりたいことが明確な人の自己PR・志望理由がどのようなものか、例文を通して見てみましょう。
マーケティングをやりたい人の具体例
大学時代はインターンでデジタルマーケティングを実践してきました。
SEOで運営サイトの検索流入を5倍にし、問い合わせ件数は月10件から100件にまで増やしました。
この経験から自分なりの仮説検証を実践し結果を出せる仕事が面白いと思うようになりました。
デジタルマーケティングの領域をより深めたいと考えており、インターネット広告代理店で評判の高い御社で活躍したいと考えました。
営業をやりたい人の具体例
大学ではマスコミサークルでフリーペーパーを製作していました。
フリーペーパーの広告をとるために地元のお店やこの媒体に興味を持ってくれそうな会社にたくさん営業をしていました。
新しい人との出会い、期待をしていただいて結果を出すことのやりがいを感じました。
30件続けて断られ続ける等悔しい思いもしましたが、それがあるからこそ成功した時の喜びも大きいのだと実感しました。
今後は営業として顧客の課題を解決し役に立てる人材に成長していきたいと考えています。
研究開発をやりたい人の具体例
大学では●●の研究をしていました。
基本的にはこの研究成果を基に企業で新しい商品の開発を行いたいと考えています。
文系就職等も考えたのですが、自分が世の中に最も貢献できることはやはり他の人にできないこの研究を深めていくことと思いました。
この分野でのリーディングカンパニーである御社でさらに多くの人の役に立てるものを開発したいと考えています。
やりたいことがない人の自己PR・志望理由具体例
次にやりたいことがない人は自己PR・志望理由をどのように語るのか、例を見ていきましょう。
なりたい人物像を語るパターン
私が目標とするのは●●という人物です。
この人はの素晴らしいところは仲人を100人やった、というほど人と人とをつなげる力があることです。
人に対して真摯で寛容な方です。
なぜそのような人になれたのかを聞いたところ、厳しい仕事を多くこなしてきたからであることと、多くの経営者から学ぶ機会があった、ということをおっしゃっていました。
私も●●さんのような人物になるべく業界でも厳しく指導をいただけると有名な御社を志望しています。
OBOG訪問で目指すべき社会人を見つけたパターン
OBOG訪問で全部で30名ほどの方にお会いしました。
その中でも最も引かれたのが御社の●●さんという方です。
この方は本当に純粋に自分の事業の意義を信じ、邁進してらっしゃいました。
失敗も多くしたものの、上司の方から前向きな失敗は成功の種であると怒られることもなくチャレンジのしがいがあるとおっしゃっていました。
私も正直器用なタイプではないのですが、一つのことを信じて愚直にまい進することができます。
●●さんのように、誇りの持てる仕事に愚直に向き合いたく御社を志望しています。
自分の強みで語るパターン
正直現時点でこれをやりたいという明確なものがあるわけではないです。
私は今まで友人とともに新しいサークルを立ち上げて50人規模にした経験や、アルバイトで新規店のリーダーを務めることがありました。
今あるものをいかに良くするかよりも、今までにないものを新しく作ることに特性があると考えます。
御社は新規事業に力を入れており、多くの子会社社長を輩出してらっしゃいます。
私も将来は自分の強みを活かして御社の新しいビジネス創出に貢献したいと考えています。
まとめ
やりたいことが必要か、見つからない時はどうするか等について見てきました。
実際のところ、学生が思っているほど企業側はやりたいことを重視していないでしょう。
直感的にやりたい仕事が見つけられる人はもちろん問題ありません。
少し悩んでやりたいことが見つからない場合は本当にやりたいことを見つけるということを捨ててもいいのです。
リサーチ力や論理的思考力を見るために質問していることと割り切りましょう。
シューブンでは就活のノウハウに関する情報を多く掲載していますので、是非参考にしてみてください。
就活はやることが多くあり大変ですが、時間繰りを気にして頑張りましょう。