【動画クリエイターの仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで徹底紹介
はじめに
皆さんは動画クリエイターという職種をご存知でしょうか?
昨今のデジタル化で映像作品が次々と生み出される中、動画クリエイターのニーズは急速に広がっています。
今後もさらなる需要が見込まれる職種です。
本記事ではそんな動画クリエイターの職種研究を行っていきます。
職種研究を通して自身が動画クリエイターの仕事にあっているかを見極めましょう。
動画クリエイターとは
YouTuberやInstagramerが普及し、昨今では誰でも手軽に映像作品を作れるようになりました。
その背景もあり、自身で動画を企画し撮影から編集までを行う動画クリエイターが注目されています。
動画クリエイターとは、映像制作にかかわる仕事をしているすべての人のことです。
こちらでは動画クリエイターが具体的に何をしている職種なのか、そのやりがいや苦労などを紹介していきます。
動画クリエイターは何をする?
動画クリエイターとは映像制作にかかわるすべての職種のことで、動画クリエイターの職種は上図の通り制作系と技術系の2つに分類されます。
ここではそれぞれの職種を紹介しているので見ていきましょう。
1.プロデューサー
製作全体の指揮をとり、スポンサーの意図を汲んだ映像企画からスケジュール、予算管理までを行います。
企画力・交渉力・マネジメント力が求められ業界内でも人脈の広さが必要になるでしょう。
2.アシスタントプロデューサー
プロデューサーのアシスタント業務を行います。
主にプロデューサーのサポートを行いながら将来的にはプロデューサーを目指すことが多いようです。
3.ディレクター
プロデューサーの元、制作・演出を行う仕事です。
制作にかかわるさまざまなスタッフを統率し企画をもとに映像を作成します。
4.アシスタントディレクター
ディレクターのアシスタント業務を行います。
制作・演出の実務を経験し将来的にはディレクターを目指すことが多いようです。
5.編集オペレーター
ディレクターの指示のもと映像のカット編集、テロップ挿入、DVE(デジタルビデオエフェクト)を使い映像を加工します。
6.CGクリエイター
CG(コンピュータグラフィックス)を使い、画像やイラスト、動画を作成します。
7.音声
音声の仕事ではナレーション、BGMなど音を加えるMAミキサー(マルチ・オーディオミキサー)を担います。
効果音をつける音響効果や撮影現場の音声を録音する録音技師など役割も多岐にわたるのです。
動画クリエイターのやりがい
動画クリエイターのやりがいとして以下の3つが挙げられます。
- 作品が記録に残り反響が見える
- 需要が高く将来性がある
- 動画・映像を作ることで充実感を得られる
作品が記録に残り反響が見える
動画クリエイターは自身の作品や制作物を形として残すことができます。
映像にはメッセージがあり、視聴者に刺さる映像の場合にはSNSなどで大きな反響をもらえることもあるのです。
自身の作品に対する反響がこれからの動画制作の励みになり、やりがいにつながるでしょう。
需要が高く将来性がある
YouTubeやInstagramなどが普及し動画のニーズが高まっていることで動画クリエイターの将来性も高くなっています。
ニーズが高まることで動画制作を検討する企業も増え、動画クリエイターの職種は今後ますます需要が増えていくと予想されているのです。
需要が高く注目度が高い仕事をすることでやりがいを感じられるでしょう。
動画・映像を作ることで充実感を得られる
自身の企画やこだわりが作品として形になるのは動画クリエイターの喜びです。
また自身の感性やアイデアをフル活用して作品を作ること自体が楽しく、クリエイティブな仕事ならではの充実感を得られます。
動画クリエイターの苦労
動画クリエイターの苦労は以下の通りです。
- 自己表現としての作品で収入を得ることは困難
- 常に新しいスキルを習得する努力が必要
- ディレクターやプロデューサーにならないと高収入は望めない
自己表現としての作品で収入を得ることは困難
動画クリエイターを仕事にした場合、自己表現としての作品制作で収入を得ることはなかなか困難になります。
基本的にはクライアントからの依頼された作品を作成することが主な仕事です。
多くは「自社商品やサービスの認知度アップ」「見込み顧客へのアプローチ」が作品作成の目的となります。
自己表現ではなく「クライアントのビジネスに貢献する」という視点で取り組む必要があるでしょう。
常に新しいスキルを習得する努力が必要
動画制作や編集の歴史はまだ浅く、日々新しい技術が生まれてきています。
そのため動画クリエイターとして働きながらも新しいスキルを習得するための努力や勉強が必要になるでしょう。
VR・3D映像・ドローン撮影など常に新しい技術を学習することは欠かせません。
ディレクターやプロデューサーにならないと高収入は望めない
動画クリエイターにはさまざまな仕事がありますが、高収入を望むならディレクターやプロデューサーを目指すことになります。
編集や制作だけでは仕事の範囲も狭く収入アップは望めません。
収入を伸ばしたいならマネジメント力や人脈、人間性など総合的な力が必要になるでしょう。
動画クリエイターの平均年収
動画クリエイターの平均年収は432万円です。
平均年収は他業種と比較してやや低い傾向で、派遣社員の平均時給は1,699円、アルバイトパートの平均時給は1,010円となります。
動画クリエイターの中でも職種によって年収の差はあるので参考程度に認識しておきましょう。
アシスタントディレクターよりはディレクター、ディレクターよりはプロデューサーの方が年収は高くなる傾向です。
動画クリエイター1日の流れ
上図は動画クリエイターの1日の中でも規則正しい日を例にしています。
業務として、制作にかかわる作業や打ち合わせがメインとなっていることがわかるでしょう。
一般的に動画クリエイターの仕事はサラリーマンのように「何時から何時まで働けばOK」というような仕事ではありません。
この業種では「撮影が終わるまで」や「編集が仕上がるまで」は休めないのが普通で、仕事のスケジュールは不規則になりがちです。
また、自宅に帰ってからも新しいスキルを身に着けたり情報収集などのために日々学習したりする時間も必要になります。
どんな人が向いている?
こちらでは動画クリエイターに向ている人の特徴について紹介していきます。
自身に当てはまるものを見つけてその特徴を伸ばしていきましょう。
表現力がある
映像作品で自己表現をしたい、多くの人を感動させたいという意識がある人は動画クリエイターに向いています。
クライアントが映像で表現したいことを共有でき、そのまま映像に表現することができる人は動画クリエイターとして活躍できるでしょう。
表現力があると自己表現が見る人に伝わり感動を与えることができます。
チャレンジすることが好き
動画クリエイターは常に新しい表現を目指してチャレンジの連続です。
時には新しい作品を生み出すために常識を覆すことも必要になりますし、失敗することも多くあるでしょう。
それでも失敗を恐れずにチャレンジできる人は動画クリエイターに向いています。
コニュニケーションが得意
ひとつの映像作品を作るには複数の職種の人がかかわります。
編集オペレーターやCGクリエイター、音声などとチームワークで仕事をするのが動画クリエイターの仕事です。
そのため大きな仕事になればなるほどコニュニケーション力は欠かせないものになります。
動画クリエイターで求められるスキル・資格・マインド
職種研究をするうえでその仕事に求められているものがどんなものかを理解する必要があります。
どんなものが必要とされているかを理解することでその職種を目指すための準備に役立てましょう。
こちらでは動画クリエイターに求められるスキルや資格、マインドについて紹介します。
スキル
動画クリエイターに求められるスキルは以下の通りです。
- 職種別に必要とされる「技術力」
- クライアントやスタッフとの「コミュニケーション力」
- プロジェクトをスムーズに進めるための「マネジメント能力」
職種別に必要とされる「技術力」
動画クリエイターにはいろいろな職種があり、例えば編集オペレーター、CGクリエイターというような職種となります。
これらで必要なのはソフトなどを操るための「技術力」です。
編集オペレーターであれば「Adobe Premiere」や「After Effects」などの動画編集ソフトを使いこなせる必要があるでしょう。
またCGクリエイターであれば「Maya」や「3ds Max」などのCGツールを習得している必要があります。
クライアントやスタッフとの「コミュニケーション力」
プロデューサーとして活動するには、クライアントのコミュニケーション力が非常に重要になります。
クライアントは専門家ではないため、どんな動画を作成してほしいかなど説明できない場合もあるでしょう。
そのためプロデューサーはその意図を的確に読み取り、映像化していくことが必要とされるのです。
また、クライアントの意図を各部署の制作スタッフに伝えるためにもコミュニケーション力は大切になります。
プロジェクトをスムーズに進めるための「マネジメント能力」
動画作成には綿密なプランニングにスケジュール、予算管理などプロジェクト状況をマネジメントする能力が求められます。
動画クリエイターの現場は多くの職種とスタッフがかかわるる仕事です。
プロデューサーやディレクターはプロジェクトの全体を総括してスムーズに進めるようにマネジメントをしなければなりません。
そのためにもマネジメント能力は必須な能力といってもよいでしょう。
資格
動画クリエイターを始めるにあたり資格は必須ではありませんが、あれば有利に働くでしょう。
動画クリエイターの資格は常に新しい技術と入れ替わる技術力を習得しておく必要がありその目安としての役割を果たしています。
動画クリエイターとして持っておくと有利な資格は以下の通りです。
- CGクリエイター検定
- CGエンジニア検定
- 映像音響処理技術者資格認定試験
CGクリエイター検定
CGクリエイターとして活動するために必要なソフトウェアの基本的な技術や、映像表現技術、CG理論を身につけているかを試されます。
CGクリエイターとして活動するならぜひ保有しておきたい資格です。
CGエンジニア検定
CGエンジニア検定とはアニメーションや映像、ゲームなどで使われるソフトウェアやシステム開発、カスタマイズの知識を試される資格です。
CGエンジニアはCGを活用したソフトウェアとハードウェアの開発、カスタマイズを行うため保有しておきたい資格といえるでしょう。
映像音響処理技術者資格認定試験
動画クリエイターとして活躍するために映像音響処理技術の基礎知識をはかるための資格です。
この資格を取得することで動画クリエイターに通じる技術知識が身につき、自身の可能性を高めることができるでしょう。
マインド
動画クリエイターとして活動するために必要なマインドは以下の通りです。
- 好奇心があること
- ポジティブで前向きなこと
好奇心があること
動画クリエイターとして活躍するには好奇心が強くあることはとても重要です。
ひとつの映像作品が出来上がるまでに多くのスタッフとチームで作業することになります。
それぞれの作業に興味を持ち自身の仕事とどう繋がっているかなどを常に考える事は動画クリエイターにとって大切なことです。
そのためにも好奇心をもって積極的に作品作りに参加することが必要なマインドになります。
ポジティブで前向きなこと
動画クリエイターの仕事はそれほど歴史がある職種ではありません。
昨今のインターネットやゲームブームに乗って急成長してきた職種であるため、まだまだ未完成な部分も多いのが特徴です。
つまり、ひとつひとつの作品作りがチャレンジであり、失敗することも多く時にはやり直しになることもあります。
そんな時でも、めげずにポジティブで前向きに仕事に携わることができることが良い作品作りには欠かせないマインドとなるでしょう。
動画クリエイターのキャリアパス
こちらでは動画クリエイターになるための方法や動画クリエイターのキャリアパスについて紹介していきます。
動画クリエイターになるには?
ここでは動画クリエイターのなり方について紹介していきます。
大学や専門学校・スクールで学ぶ
動画クリエイターになるには美術系の大学や専門学校、スクールなどで動画作成に関する教育を受けて会社に就職する方法が一般的です。
動画クリエイターの募集内容には専門教育を受けた学歴を必須としてない場合もあります。
しかし、それ相当の知識や学歴があった方が即戦力として活躍することが可能となるのです。
映像制作会社やテレビ局などに入る
映像制作会社やテレビ局、広告代理店、ゲーム制作会社に就職し映像制作に携わることができる場合もあります。
この場合、多くがアルバイトや派遣社員として実務経験を積んだ後に正社員として登用されるというキャリアを目指すことになるでしょう。
現在は動画ニーズの増加に比例して映像制作会社の数も増えてきているため、以前より動画クリエイターとして活躍する場は用意されはじめています。
フリーランスで活動する
動画クリエイターもフリーランスとして活動することが可能ですが、実力と営業力がないと最初から十分な収入を得ることは難しいでしょう。
多くの場合、大手クライアントは映像制作会社に依頼するため、よほど特徴的な映像技術がなければおすすめしません。
最初は映像制作会社などに属して経験を積んだうえでフリーランスを目指す方がよいでしょう。
動画クリエイターのキャリアパス
動画クリエイターで最終的に目指したいのはプロデューサーかディレクターでしょう。
プロデューサーやディレクターになるには、まず新人時代はアシスタントとして働き、経験や人脈がついてからプロデューサーやディレクターにキャリアアップします。
プロデューサーやディレクターになれば、仕事次第ではクライアントに評価され将来的にフリーで独立することも可能です。
動画クリエイターの年収はフリーのプロデューサーで活躍次第では年収1,000万前後を目指すこともできるので、高収入を狙う場合はぜひここを目指していきましょう。
動画クリエイターの最新動向
職種研究を行ううえでその職種の最新の動向について理解しておくことはとても重要です。
現状、動画クリエイターを取り巻く環境には以下の2つの動きがあります。
- 5Gの普及で動画コンテンツはますます伸びていく
- スマートフォンからの1人当たりの月間視聴率は5年で約4倍に成長
5Gの普及で動画コンテンツはますます伸びていく
モバイル各社では「超高速化」「超低遅延」を特徴とする5Gの普及に躍起になっています。
5G回線は4Gに比較すると理論上、通信速度は20倍、同時接続数は10倍、遅延速度は10分の1という性能を誇るのです。
5Gの普及拡大に伴い、動画コンテンツ産業はまずます伸びていくと予測できるでしょう。
スマートフォンからの1人当たり月間視聴率は5年で約4倍に成長
スマートフォン保有率が6割を超え、インターネット環境が改善されました。
2015年から2019年なでの5年間で、スマートフォンからの1人当たりの月間動画視聴時間は約4倍に伸びています。
今後もスマートフォンの普及拡大に合わせて、視聴率はどんどん伸びていくことが予想されるでしょう。
動画クリエイターにおすすめの本
最後に動画クリエイターを目指すうえでおすすめの本について紹介していきます。
新版 映像制作ハンドブック
この本はまったく動画制作の知識がない人が最初に読んでおきたい一冊です。
動画制作に携わるうえで知っておくべき知識を網羅的に学ぶ事ができるでしょう。
撮影機材の知識や動画制作にかかわる業種ごとの役割から、動画編集にまつわる専門用語や業界用語について解説されているので大変役に立ちます。
映像編集入門 動画を自在に操るコツ
映像編集を学びたいのであればこの本がおすすめです。
動画制作の中でも特に編集について学びたい人は多いと思います。
映像作りで大切なことは「見る人を惹きつける映像作り」です。
この本ではそのために必要な映像のセオリーや表現方法を学ぶ事ができます。
映画監督が教える また観たい!と思わせる動画の法則
こちらの本はアメリカでも大ベストセラーとなった、映画学校の2年間が凝縮されている一冊です。
レベルアップに繋がる考え方や実践のヒントが数多く詰まっていて、ビデオカメラやソフトウェアの操作マニュアル、撮影の仕方なども解説されています。
まとめ
本記事では動画クリエイターの職種研究を行ってきました。
昨今では、スマートフォンの普及により手軽に動画コンテンツに触れる人の数が急激に増えてきています。
特にYouTubeやInstagramなどで映像作品を流す人も増え、より一層動画が身近なものになってきました。
特にCGクリエイターなどはこの数年で非常に技術的に進歩してきており、これからも高いニーズが予想されます。
また需要の拡大に伴い、映像クリエイティブの質も問われていくでしょう。
これからは質の高い動画制作を請け負える優秀なプロデューサーの存在が不可欠です。
動画クリエイターに似た職種でゲームクリエイターという職種もあるので興味がある方は以下の記事も読んでみてください。
本記事を通して職種研究を行っている皆さんにすばらしい仕事との出会いがあることを祈っています。