【商社マンの仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで徹底紹介
はじめに
皆さんは商社マンという職種をご存知でしょうか。
就職でも人気の職種の1つで高収入のイメージが高いかと思われます。
ただ実際に商社マンがどのような仕事をしているのか分からない人も少なくありません。
そこで本記事ではそんな商社マンの職種研究を行っていきます。
職種研究を通して商社マンが自分に合っているのかを見極めましょう。
商社マンとは
こちらでは商社マンの仕事内容ややりがい、苦労について紹介していきます。
商社マンは何をする?
商社マンは国内問わず世界中の生産者の情報を集めて業者との取引交渉を行い販売者に卸す仕事です。
売り手と買い手をつなげる役割を持っており大きく分けて具体的には以下のような仕事を行っています。
1.営業業務
商社マンの行う営業業務は、担当地域内の他事業会社に対して営業を行い新しいビジネスを生み出す仕事です。
営業業務の例として、まず取引先を新たに開拓してヒアリングを行い取引先に仕入れる商材や仕入れ先までを決定していきます。
その後商社側の利益分を上乗せした金額で契約内容を作成して提案を行い、成立後実際に商材の供給手配を行うまでが一連の業務です。
大手の場合、とても多くの商材を扱っているため営業業務を行う際には自社が扱っている商材についてしっかりと理解する必要があります。
2.事業管理業務
事業管理業務は商社が事業投資を行った企業の管理を行う業務です。
投資先企業の事業評価や管理を行い、また投資先の毎月の決算内容の確認をして業務改善を行います。
投資先企業とのやり取りが重要となるため投資先企業に駐在する場合も多く、海外駐在もあるのです。
投資先によっては安定した働き方ができたり、交渉でとても忙しかったりする場合があります。
事業投資が上手くいくと会社に対する大きな利益となるため事業管理業務は重要です。
3.総合管理業務
総合管理業務は主に人事や経理、法務、リスク管理といった商社全体の管理を行う業務です。
リスク管理部門では商社のビジネスに関わる様々なリスクについて管理します。
投資先の貸倒リスクや為替リスクなど様々なリスクを分析するため専門的な知識が多く求められるのです。
商社マンのやりがい
商社マンはその業務の特徴ゆえに一度の取引で莫大なお金が動くため取引が成功した時の達成感がやりがいの1つです。
自社の利益になることもそうですが自身の業務によって他の会社が成功することは自分の達成感だけでなく自信にもつながります。
また業務によっては海外駐在となる場合もあるためグローバルに仕事をすることができることも魅力です。
入社数年で海外駐在や大型案件に携わる経験もできる可能性があるため新卒からたくさん働きたい人にとってはやりがいにあふれています。
商社マンの苦労
商社マンはその仕事の多忙さもありますが社内の出世競争が激しいことで肉体的にも精神的にもハードな場面があることが苦労の1つです。
また業務によっては転勤や海外赴任など移動の頻度が多くなります。
若手時代は短いスパンで転勤を命じられることもよくあり仕事面や生活面での負担が大きいです。
特に結婚して家族がいる人の場合はマイホーム購入などのライフプランが描きにくいことも商社マンの苦労といえます。
商社マンの平均年収
商社マンはその商社形態によって年収が変わり大手総合商社の場合は約1,000万円超、その他の形態で約580万円前後となります。
大手総合商社の場合は国内国外問わず扱う商品の幅の規模も大きく、業務で求められる力も様々であるため平均年収は高いですがその分多忙です。
その他の形態の商社に関しては一般のサラリーマンの平均収入よりも高いため商社業界全体として求められる力に比例して収入も大きくなります。
実績や実力がつけば出世して年収も大きく上がるため商社マンになってからも上昇志向であることが大切です。
商社マン1日の流れ
商社マンの1日の業務として商談とその商談に関する資料作成、ミーティングに充てる時間が多いです。
商談の場合は外部に出向したり、昨今ではリモートで商談を行ったりします。
商社マンはこれまで退社後も取引先との接待で宴会などを設営する場合もあり、プライベートな時間が取りづらいとされているのです。
しかし昨今のコロナ禍の影響で宴会自体が自粛ムードにあるため現状はそれらも少なくなっているといえるでしょう。
宴会などの予定もない場合は出世のためにプライベートの時間を使って勉強する人も多いです。
どんな人が向いてる?
職種研究ではその職業がどんな人に向いているのか理解することはとても重要です。
こちらでは商社マンにどんな人が向いているのか紹介していきます。
好奇心が高い
商社はその規模に関わらずとても多くの商品を扱っているため好奇心があることはとても役に立ちます。
自身が担当する業務でその商品やサービスをしっかりと理解しないといけません。
そのため好奇心をもって業務にあたることがとても重要です。
また自分が関わるもの以外でも好奇心をもって勉強をするとそれが思わぬビジネスチャンスにつながる場合もあります。
好奇心が高いことは商社マンに向いている人の特徴の1つといえるでしょう。
チャレンジ精神がある
商社マンとして働く場合チャレンジ精神がとても重要です。
商社には新しい顧客を開拓するだけでなく新事業などに対して投資を行う業務も存在します。
そのため過去の実績や経験だけではうまくいかない場合もあるのです。
商社マンとして活動していると新しいことに挑戦する様々な機会が増えてきます。
そのためチャレンジ精神があることは商社マンにとって大きな力となるでしょう。
じっくりと人と関係を築くことができる
じっくりと人と関係を築くことができるのも向いている特徴の1つです。
商社マンは商品やサービスの売り手買い手をつなげるために国内国外問わず飛び回ります。
そこで様々な企業と関わる機会も多くあり、また事業を成功させるためにもしっかりと関係を築くことは特に重要です。
様々な立場の人と会う機会が多いためじっくりと人と関係を築くことができる人が向いているといえます。
商社マンで求められるスキル・資格・マインド
職種研究を行う上でその職種に求められるスキルや資格、マインドについて理解することはとても大切です。
こちらでは商社マンに求められるスキルや資格、マインドについて紹介していきます。
スキル
- コミュニケーション能力
- ビジネス英語スキル
コミュニケーション能力はどの業種にも言えますが特に商社マンは多くの人と関わるため必須のスキルとなります。
この能力は取引先との交渉で利益が大きく出るような契約を結ぶためにも重要です。
そのためコミュニケーションが苦手で商社マンになりたい人は今からでも人とコミュニケーションをはかる練習をしてみると良いでしょう。
ビジネス英語スキルは商社マンが海外の取引先と関わる上で必須のスキルとなります。
特に大手総合商社になると海外駐在が多くなってきますし、昨今では海外の会社とオンラインで会議することも多くなっているため重要です。
商社マンを目指す場合はビジネス英語レベルの言語力を身につけましょう。
資格
商社マンになるために必須の資格はありませんが以下の資格を持っておくと就職や働き始めてから有利になります。
- 語学系資格
- 簿記
- ビジネス実務法務検定
これまでにも紹介してきた通り商社マンは海外企業と関わる機会が多くあります。
そのため語学系資格としてはTOEICやTOEFLといった英語系資格を取っておくことがおすすめです。
次に簿記は事業管理業務で様々な企業の決算書を見る機会が多くあるため簿記の勉強で得られる会計知識が重要になってきます。
そのため実務レベルの簿記資格として2級以上の取得をしておくと実践でも活用しやすいです。
ビジネス実務法務検定はビジネスにおける法律関係の知識に関する資格となります。
この資格で得られる知識は様々なビジネスシーンで利用することができるため取得しておくと有利でしょう。
マインド
商社マンに必要なマインドは損得勘定の高さです。
商社は商品やサービスを販売して利益を得ています。
そのため商品をしっかりと会社に利益が出るように販売することやその交渉を行う必要があるのです。
安く仕入れて高く販売する目的をもって様々な交渉に出向くことで商社マンとしての実績を積み上げていくことができます。
商社マンはある意味、商売人のため利益が出るようにすることを常に考えて行動することが大切です。
商社マンのキャリア
いざ商社マンを目指すとなってもどうすれば商社マンになれるのか分からない人も少なくありません。
また商社マンになった後のキャリアパスがどのようになっているのか理解することも重要です。
こちらでは商社マンのなり方やキャリアパスについて紹介していきます。
商社マンになるには?
商社マンの主ななり方は大学や大学院を卒業して就職または転職する場合がほとんどとなります。
商社マンに就職、転職するには基本的に大学以上の学歴を求められる場合が多いでしょう。
大手の総合商社の場合は有名国立大学、私立大学の学生が複数集まります。
特に商社は経営や金融などの知識が必要とされる場合があるため経済学部や商学部、経営学部出身の人が多い傾向にあるのです。
語学力が求められることの多い商社では留学経験を経て就職する場合もあります。
そのため商社マンになりたい場合は大学卒業以上の資格をもって就職活動を行いましょう。
商社マンのキャリアパス
商社マンのキャリアパスとしては主に以下の2点があげられます。
- 管理職への昇進
- 独立
管理職への昇進は商社マンの一般的なキャリアアップの1つといえます。
ただ商社マンは競争が激しいため必ずしも管理職になれるわけではありません。
実績と実力を積み社内での評価を上げていくことで昇進の可能性が上がるのです。
昇進すればその分年収も上がるため商社に入社してからも上昇志向をもって業務に取り組むことが重要になるでしょう。
業務で得た実績やスキル、人脈を基に独立することも商社マンのキャリアアップの1つです。
独立する場合1人で商社を立ち上げて取引をすることがあります。
ただその場合は自分の人脈とこれまで積み上げた実績やスキルだけでなく運も絡んでくるため独立する際は覚悟が必要です。
どちらの方法にも通ずるものとして、商社マンとしての実績や人脈形成が重要になっています。
商社マンの最新動向
商社マンの最新動向としてとても大きなトピックがコロナ禍の影響です。
商社マンは売り手と買い手のパイプ役になる業務でさらにその後の事業状態などをしっかりと管理しなくてはいけません。
そのため企業に駐在したり出張したりするのですが、コロナ禍の影響により移動制限が起きたことでそれも難しくなったのです。
特に海外企業に関しては定期的な訪問によってその企業とのつながりを深くしている場合が多かったのですがそれも少なくなりました。
基本的に国内国外問わず飛び回って業務を行ってきた商社マンにとってはコロナ禍の影響による働き方の変革はとても大きなものです。
そのため今後も商社がどのように働き方を改革していくのかが注目されています。
商社マンにおすすめの本
最後に商社マンを目指す上でおすすめの本について紹介していきます。
撃って出なきゃ 商社だもの
この本は三井物産の常務執行役員だった著者が執筆した商社としての在り方や仕事のスタイルについて述べられた1冊です。
三井物産は大手総合商社の1つでそこで商社マンの経験をした著者が大学で講義を行った内容のまとめとなっています。
商社マンの教科書として手に取ってみることがおすすめです。
リバース・イノベーション
この本はリバースイノベーションという手法について記された1冊です。
新興国で成功した企業の実例をもとにリバースイノベーションの成功のための方法を知ることができます。
海外駐在が多くありグローバルな仕事が多い商社マンは読んでおくことがおすすめです。
不毛地帯
この本は参考書ではなく小説なのですが商社マンを知る上でとても有益な1冊です。
戦後からの商社ビジネスが描かれているため、この本を読んで商社を志した人も多いでしょう。
物語の中で商社ビジネスの世界について細かく描写されており、商社ビジネスがどんなものか理解するにもおすすめです。
商社マンを志す場合はぜひ読んでみてください。
まとめ
本記事では商社マンの職種研究を行ってきました。
学生の就職先としても人気で大手ともなるとその倍率が一気に跳ね上がるほどです。
取引で扱うお金も大きく、また平均収入の高さからも魅力的な職業の1つとなります。
昨今ではコロナ禍の影響を受けてこれまでとは違った働き方も求められてきており、商社マンも変革の年を迎えているといえるのです。
大きなやりがいと将来性からもぜひ商社マンを選択肢に入れた就職活動をしてみてください。
商社マンは商社業界に所属する職業です。
そのため商社マンのさらなる職種研究のために商社業界の研究記事も併せて読むことをおすすめします。