【SWOT分析は自己分析に使えるのか徹底考察】実際のやり方や行う時の注意点は?具体例や合わせてしたいフレームワークも紹介
はじめに
自己分析を始めたいけれど何をすればいいかよくわからないという方も多くいるのではないでしょうか。
ここでは自己分析をする際に役立つフレームワークであるSWOT分析について解説をしていきます。
フレームワークは使い勝手がいい一方で使い方に注意も必要です。
上手にフレームワークを使いこなし、自己分析を進めていきましょう。
SWOT分析とは
今回紹介するSWOT分析はあまり聞き慣れない言葉ですよね。
自分の強みや弱みを把握し、世の中にある機会を捉え脅威を避けるための分析手法となります。
SWOTとは4つの言葉の組み合わせでありそれぞれの頭文字をとったものです。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
元々は企業の戦略分析用のフレームワークであり、それを就活に応用するのです。
SWOT分析の特徴としては自己分析だけでなく、自分を世の中でどう活かせるかを考えられるフレームワークであることでしょう。
自分がこうありたい、と強く思ってもそれが世の中に必要とされる仕事でなければ就職先は見つかりません。
自分の居場所を見つけるためにうまくSWOT分析を活用していきましょう。
SWOT分析を活用するメリット・デメリット
フレームワークは万能でなく、活用するメリット・デメリットが存在します。
SWOT分析は自己分析において使う場面や使い方に注意が必要なフレームワークです。
メリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
まずはメリットから確認していきましょう。
自分の強み弱みを整理できる
SWOT分析をするメリットは強み弱みをしっかり把握できることでしょう。
自己分析をしていると好き嫌いややりたいやりたくない、という感情と強み弱みという能力の分析がごちゃ混ぜになりがちです。
ここでは強み弱みという能力にフォーカスをすることによって感情と混ざらずに整理をすることができるでしょう。
自分の強み弱みの活かし方を考えられる
SWOT分析の特徴は機会や脅威を捉え自分の未来を考えられることです。
一般的に自己分析というと自分の内面を深く掘り下げていくことを考えていくことに集中してしまいます。
しかし自分を知ったところでその自分が世の中でどう生きていくのかを考えることができません。
SWOT分析は自分を見つめるだけでなく社会の動向を捉え自分の進むべき方向を考えることができるのです。
人に分かりやすく説明することができる
SWOT分析でしっかりと分析をしておくと人に話す際に明快に分かりやすく話すことができます。
私の強みは〇〇です。
今後世の中では▲▲のような人材が求められると考えました。
私は自分の強みを活かして■■という仕事で世の中に貢献していきたいと思います。
このように伝えると相手にもわかりやすいですよね。
フレームワークを用いると情報が整理されて説明が上手になるでしょう。
デメリット
一方でSWOT分析をする際のデメリットもありますので注意しましょう。
自分の意志が入りづらい
強みとの裏腹ではあるのですが、SWOT分析には自分の「思い」が入りづらいという特徴があります。
元々企業分析のフレームワークであり企業がどのように生き残るかの戦略を考えるためのフレームワークです。
企業の場合はSWOT分析に入る前に必ず会社のミッション、ビジョン、バリューを考えています。
その上でSWOT分析へ落とし込むことが可能なのです。
皆さんもSWOT分析に入る前にWill,Can,Mustを考えるなど、他のフレームワークも組み合わせて使用しましょう。
使い方は難しい
SWOT分析は使い慣れないと若干使いづらいフレームワークです。
強み・弱み・機会・脅威それぞれのボックスを埋めたところで、ここから何を読み取ったらいいのかがわからず進まなくなってしまいます。
他の人の事例を見たりキャリアセンターに相談したりしながら少しずつ進めていきましょう。
最初にできなくとも苛立ったりがっかりしたりする必要はありません。
納得感を得づらい
機会や脅威に関する情報はどこまで整理すればいいかが分かりづらいですよね。
見逃していることがないか、不足していることがあるのではと不安になります。
情報不足の中で意思決定をすることに慣れていないと不十分な気がして納得感を得づらいです。
納得するまで情報を集められることは基本的にはないので、自分がやれるだけやったらそれでOKと割り切るようにしましょう。
SWOT分析を使いやすい人
SWOT分析は使いやすい人と使いづらい人がいます。
ここではどのような人がSWOT分析を活用しやすいのか、考えていきましょう。
既にやりたいことが決まっている
既にやりたいことが決まっている人はSWOT分析がやりやすいでしょう。
やりたいことが決まるとそのやりたいことに関する機会を考えていき、自分の強みとリンクをさせるように作ります。
機会や脅威もやりたいことに近いものだけ調査をすればよく、絞り込むことができますね。
SWOT分析は機会や脅威をどこまで情報収集するかが難しいところです。
この範囲を限定することができれば進めやすくなります。
やりたいことがある程度決まっている人はSWOT分析を活用してみましょう。
憧れや夢が特にない
憧れや夢があるわけではなく、「できる・できないことを軸に仕事を決めたい」という人はSWOT分析を活用しやすいです。
やりたいことを見つけたい人は他のフレームワークで自己分析を深めたり、自分が興味を持てるものを先に考えたりしてください。
特にやりたいことにこだわりを持たない人は自分の強みと機会を見てどのような職種を目指すか考えてみましょう。
会社に依存せず実力で生きていきたい
会社に依存せずに自分の力で生きていきたい、という人は世の中の流れを読むことが大切ですのでSWOT分析が役に立つでしょう。
自分の強みが脅威にさらされて強みが強みでなくなってしまうようなことがないように気を付けたいところです。
いくら自分のスキルを磨いても世の中で必要とされている仕事でなければ意味がないですよね。
強みをupdateし続け、機会を捉えられるよう研鑽を重ねていきましょう。
SWOT分析による自己分析を進める3ステップ
具体的にどのようにSWOT分析を用いて自己分析を進めていけばいいでしょうか。
ステップを3つに分けて見ていきましょう。
自分の強み・弱みを書き出す
SWOT分析はまず自分の内面である強み弱みを書き出すところからです。
強み、弱みの箱にたくさんの情報をいれられるように一つ一つを短い文で入れていきます。
自分の強み弱みがわからない、という場合は自分史や自己分析1000問のようなフレームワークに一度戻ってみましょう。
自分自身のことですので、この強み弱みはしっかり記載をしてください。
世の中で言われている機会・脅威を書き出す
次に世の中で言われている機会や脅威を書き出していきます。
ここについてはどのような情報を入れていけばいいかが難しいですね。
新聞を読んだり業界動向を読むところからでも結構です。
AIにより奪われる職がどのようなものなのか、やSDGsのようなものも大局的には機会や脅威に入るものでしょう。
やりたい仕事が決まっているのであればその業界の機会や脅威を深堀するのでもいいです。
自分の情報と世の中の情報をつなげてみる
一番大切なフェーズが自分の強み弱みと機会・脅威を繋げるところです。
- 強み×機会:自分の強みを活かして将来有望な職種に就く
- 強み×脅威:自分の強みが将来強みでなくなる可能性を考える
- 弱み×機会:自分の弱みが実は機会に恵まれる可能性を考える
- 弱み×脅威:自分の弱みが脅威にさらされ活躍できなくなる
このように、自分の内面の分析と世の中の分析をクロスしてさらに分析をすることで意味を持つようになります。
SWOT分析をする際の注意点
SWOT分析をする際の注意事項について見ておきましょう。
自分の強みと弱みを同じ数だけ出す
自己分析で自分の強みと弱みを考える際に、強みと弱みの数が大きく異なることがあります。
これは一般的に自己分析不足であり自分の本当の強み弱みを理解できていないと考えられるでしょう。
良いところもあれば悪いところもあるのが人間です。
まずは強みと弱みが同数程度記載ができるくらいにしましょう。
機会や脅威は社会人に手伝ってもらうとより良い
機会や脅威をしっかりと書き出すには学生が入手できる情報量では限界があります。
OBOG訪問を活用して世の中の情報を多くインプットしたりキャリアセンターの先生方に協力を依頼したりしてもいいでしょう。
大切なことはより良い分析をしていくことであり、一人でやりきることではありません。
様々な角度から機会・脅威の情報を整理できるようにしましょう。
直感を信じる
フレームワークを作ると「これが強みと言えるのか、むしろ弱みではないのか」と不安になることがあります。
このような時には自分の直感を信じてください。
いくら考えても答えが出ない、でもなんとなくこう思う、ということが出てくるでしょう。
後日ひょんなことから答えが出てくることがあるのですが、そのようなときはほぼ直感と同様の答えになります。
根拠を説明できないことでも後から判明することもありますので直感に従い次に進みましょう。
SWOT分析は就活に使えるが使う人、場面を選ぶ
ここまでSWOT分析の作成の仕方や注意点について見てきました。
就活においてSWOT分析を使うメリットが理解できたのではないでしょうか。
一方で使い方が難しく使う場面や人を選ぶため、SWOT分析を就活に活用する際には今まで見てきた注意点をよく踏まえてくださいね。
SWOT分析の具体例
SWOT分析を具体的にどうやるのか、なかなかイメージがしづらいと思います。
SWOT分析を実際にどのように行っていくのか、具体例を見ていきましょう。
例1:サークルの副代表を頑張ったAさん
サークルの副代表を頑張ったAさんの例を見ていきましょう。
ペルソナ設定は以下の通りです。
- 小学生の時から学級委員をやることが多く優等生
- 中学の剣道部では主将
- コツコツ頑張る姿勢を評価される
- 自分の意見を主張するのは苦手
- 得意教科は歴史苦手は数学
- 大学は経済学専攻
- マクドナルドでアルバイトを3年続けながらマスコミサークルでは副代表を務める
- 今まで一番頑張ったことは受験勉強
Aさんは強みを活かすか弱みを克服するか、いずれの将来も描けます。
勉強が苦にならないというのは素敵な強みですね。伸びしろがあります。
このように4つの箱を連動させて考えると将来の職種を考えやすいですね。
例2:カフェバイト中心の大学生活を送ったBさん
次はカフェのアルバイトに全力を尽くしたBさんの例です。
- おじいさんおばあさんと同居で育ち祖父母と近しい
- 誰とでも気さくに話すことが得意
- 小中高と特に目立った実績も活動もない
- 受験勉強は頑張った
- 大学では時間を効率的に使うために早朝にカフェでアルバイトを2年続けてきた
- 責任感の強さから教育係を任命される
- 面倒見はいいほうで人に教えるのは好き
- 好きなことを仕事にするよりできることをやっていきたい
Bさんは憧れや夢でなく自分のできることをやっていきたい、という人です。
この場合は機会や脅威をまず見て、将来的に世の中で需要のある仕事が何かを考えるところから始めてみましょう。
オンラインのコミュニケーションが増えるからこそ持ち前のコミュニケーション力が発揮できるかもしれないですね。
もしくはITのプログラミングのようにじっとPCに向き合うような作業もいいかもしれません。
必ずしも強みを活かさないといけない、弱みを克服しないといけないということはないので柔軟に考えていきましょう。
SWOT分析と一緒に使うべきフレームワーク
ここまでSWOT分析について見てきました。
SWOT分析自体は有用なツールではありますが、それさえやればいいというものでもないのです。
SWOT分析と一緒に活用したい自己分析用のフレームワークを見ていきましょう。
自分史
自分史は自分の過去を整理するためのフレームワークです。
SWOT分析で自分の強み弱みを整理する際に自分の過去をしっかりと掘り下げて考える必要がありますよね。
自分史を作ることにより過去の自分から強み弱みを知るための情報を整理することができます。
以下の記事で自分史のやり方を解説していますので参考にしてください。
自己分析に使える自分史を徹底解説!具体的な作り方・書き方とは?作成した後の3つの活用方法から自分を深掘る質問項目まで紹介
他己分析
こちらも強み弱みを深く理解するためのフレームワークとなります。
特に強み弱みについては自分の絶対的評価ではなかなかわかりづらいものです。
周りの人から自分に対する評価を聞いて初めて相対的に自分の良いところ悪いところを知ることができますよね。
SWOT分析に入る前に他己分析をしておくことをおすすめします。
他己分析のやり方は以下の記事で紹介していますのでこちらも是非ご覧ください。
Will,Can,Must
最後はWill,Can,Mustです。
SWOT分析はできること・できないことを整理します。
一方でやりたいこと・やりたくないことという軸ではあまり考えません。
Will,Can,Mustはありたい姿を思い浮かべることで自分にとって重要な価値観を考えます。
思考の軸が違うのですね。
基本的にはSWOT分析と同様に未来を考えるための自己分析のフレームワークですので、SWOT分析と併せて一緒に進めていくことをおすすめします。
まとめ
SWOT分析のやり方を見てきました。
自分のできることできないことを整理し未来に向けてどのような仕事をやるべきかを考える有用なツールです。
一方でSWOT分析だけに頼ることは難しく、他のフレームワークと併せて活用することをおすすめします。
自己分析のフレームワークについてはこちらの記事で紹介していますので、興味のある方は参考にしてください。
またシューブンでは自己分析に関する様々な記事を紹介しています。こちらも併せてご覧ください。
それでは、自己分析頑張りましょう。