【海運業界:図解で3分解説】どんな仕事をやる?向いている学生や今後の動向、企業ランキングも紹介

作成日:
2022-01-13
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はじめに

「海運業界ってどんな業界なんだろう。」

「海運業界に興味があるけど何から押さえれば良いのかな?」

「海運業界に向いている人はどんな人か気になる。」

などの疑問をもっている学生も多いのではないでしょうか。

この記事では、海運業界の基礎となる知識や、今後の動向、どんな人が向いているか、などを詳しく解説していきます。

業界についてこれまで全く知識が無い人でもわかるように書いてあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

業界研究をする前に

海運,業界

海運業界がどんな業界か知る前に、まずはなぜ業界研究をする必要があるのか、今一度おさらいしておきましょう。

業界研究の目的としてはこれまで知らなかった業界のビジネスモデルや代表企業、業務内容を理解することも一つです。

ただし、本質は違います。

真の目的は、入社後のミスマッチを無くすことです。

目的を果たすためには、業界の特性や職業が自分自身に合っているのか、それとも合っていないのかを確認する必要があります。

そのため、自己分析も同時並行で進めなければなりません。自己分析の結果と業界を比較しながら読むことで自分に最も合う業界や職業が見えてきます。

もし「業界研究のやり方がわからない」・「業界研究の注意点を予め把握しておきたい」人は、以下の記事を先に読んでおきましょう。

海運業界とは

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まずは、海運業界の基本であるビジネスモデルから解説していきます。海運業界で一般的なビジネスモデルは物資の運搬です。

物資の運搬を行う船は2種類あります。

  • 定期船
  • 不定期船

定期船は決められた航路を決まった期間で定期的に往復する船です。

例えば、とある商品の製造に必要な原料や素材を国外から輸入する場合は、運行スケジュールが決まっている定期船が利用されます。

また、不定期船は荷主に応じてどの航路にでも出港できる船です。

一度に大量の貨物を短い期間で何度も運搬しなければならない場合や、物資が急に必要になった時に利用されます。

海運業界の概要

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業界全体図は上図の通りです。

海運業界は内航海運と外航海運の2つに分類されます。

それぞれ、輸送する物資などに違いがあるので押さえておきましょう

内航海運

国内間で貨物を運ぶのが内航海運です。

国内で貨物を運ぶ手段には、他にもトラックや貨物列車、輸送機などがありますが内航海運は貨物輸送全体の約4割を占めています。

そのため無くてはならない輸送手段と言えるでしょう。

主な貨物には、鉄鋼製品、セメント、穀物、紙、自動車、石油製品、LPガス、石油化学製品等が挙げられます。

また意外と思われる貨物は新幹線や地下鉄車両、工業用水などです。

貨物船に乗る物はほとんど何でも運ぶことができるので、内航海運はまさに私たちの生活を根底から支えています。

外航海運

船で国内外間で貨物を運ぶのが外航海運です。日本は世界でも随一の輸入大国と言われています。

小麦や大豆などの食料、天然ガスや石油などのエネルギー原料、鉄鉱石などの工業原料を輸入する際に外航海運が使われているのです。

外航海運は外国との貿易の99%以上を占めているので、日本という島国とアジアやアメリカといった陸を繋ぐ手段として無くてはなりません。

また世界経済が発展するにつれて世界全体で物流が盛んになるため、外航海運はこれからも世界を舞台に活躍していくと言えます。

海運の基礎知識

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次に海運業界で押さえておくべき基礎知識を2点解説します。

どちらも大事なことなので、必ず読んでおきましょう。

海運とは

そもそも海運とは、海上での旅客輸送や貨物輸送のことです。

海運は他の輸送手段と比較しても、輸送距離や貨物重量を加味した上でのコストが圧倒的に安いという特徴があります。

よって昔から使われてきたのはもちろん、インターネットの普及によってデジタル化が進んだ今でも輸送の多くには船が使われているのです。

専用船について

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貨物船にもいくつかの種類があります。

例えば、以下の通りです。

  • コンテナ船…日用品や電化製品などの生活品を輸送できる
  • 自動車船…乗用車をはじめとした車を輸送できる
  • バラ積み船…穀物や鉱石を梱包無しでそのまま輸送できる
  • 油タンカー…石油を輸送できる
  • ケミカルタンカー…化学薬品を輸送できる

特にコンテナ船は私たちの生活に身近な物を運送するので、多くの船が航海しています。

もし携わりたい船があれば各企業ごとでどのような船の取扱いが多いのか調べてみるのがおすすめです。

海運業界の売上高ランキング

海運,業界
出所:業界動向サーチを基にシューブン編集部作成

海運業界の売上高ランキングは上図の通りです。

日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社で売上の大部分を占めているのが特徴です。

過去に3社は合併などを通じて規模を大きくしてきたことが背景にあります。

どの企業も時代のニーズに合わせて変化し激しい競争を勝ち抜いてきた企業であることを覚えておきましょう。

海運業界の現状と今後の動向

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次に海運業界の現状と今後の動向について解説します。

せっかく新卒で入社した業界でも業界の将来性がなければ、目指している働き方ができなかったりするかもしれません。

今と未来を知っておくことで業界全体をさらに深く理解しましょう。

現状

海運,業界
出所:業界動向サーチを基にシューブン編集部作成

上図は海運業界の大手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)の売上高の推移です。

過去の売上高を見ると毎年大きく増減を繰り返しており、ここ10年の業績は不安定であることが伺えます。

理由としては海運業界は景気の変動を受けやすい業界だからです。

貿易に大きく関わる業界であるため、国内外の物流が盛んな時期は増益になりやすい一方で、逆もまた然りです。

なので各社は自己資産の割合を高く保つなど、いつ景気が悪くなっても耐えられるだけの体力をつけることを重要視しなければなりません。

今後の動向

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次に海運業界の今後の動向について解説します。

結論から言うと、業界の先行きは不透明です。

これには大きく2点あります。

  • 硫黄を含んだ物質の規制強化
  • 船員不足&高齢化

それぞれ解説していきますね。

硫黄を含んだ物質(SOx)の規制強化 

現在、世界全体が脱炭素化を目指している背景から、硫黄を含んだ物質の規制が強化され始めています。

船の燃料には重油や石油由来の燃料を使用しているので、規制による打撃を大きく受けてしまうのです。

船の燃料の排ガス中に含まれるSOxの濃度を0.5%以下に制限するもので、世界で一斉に適用されています。

この課題の対応策の一つが代替燃料の利用です。

ただし従来に比べてコストが高くつき、それを含めて採算を合わせるのが難しい点が大きな課題となっています。

もともと利益率自体は低い業界であるため、例えば排ガス洗浄装置などを載せるにしても相応のコストが高くなり、一度に載せられる貨物量が減ってしまうのです。

業界の構造自体も大きく変わることがなければ、今後厳しい局面が迫る可能性があります。

船員不足&高齢化

今後の課題2つ目は、船員不足と高齢化です。

中でも若い社員の数が不足し、業界全体の高齢化が進んでいます。

年収は高いものの一般的なサラリーマンに比べると特殊な業務であることから、離職率が高めです。

船員不足は現場への負担増加や物流の停滞といった致命的な影響を与えるため、今後はそれらにどう対応していくかがキーになってきます。

海運業界の仕事内容

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海運業界の全体像を押さえた後は、実際にどんな仕事があるのかを見ていきましょう。

海運業界の企業の中でも一般的な3つの職種について紹介します。

自己分析の結果と比較しながら、自分に合った職種があるか探してみて下さいね。

事務系陸上職

事務系陸上職は営業、運航運営、集荷営業、港の管理などを行う職種です。

営業は資源エネルギー会社や各種メーカーの新規顧客獲得など、顧客との交渉がメインになります。

顧客の規模が大きくなると、数十億円もの契約になることも珍しくありません。

運航運営は、寄港地での航海計画を自分の担当船に指示したり、寄港地での入出港の手続きを行ったりします。

安全な運航、依頼主の要望を叶える貨物輸送、対するコストを管理するため同時に多くの要素を考える力が必要です。

技術系陸上職

技術系陸上職は、造船の計画、船舶の保守や管理、技術開発などを行う職種です。

造船は技術系陸上職の大きな仕事の一つで、貨物運航に使われる船をデザインします。

そのためには高い燃費性能、トラブルや不具合の発生しない安全性、使いやすさ、コストなどありとあらゆる視点から考え尽くすことが欠かせません。

また設計だけではなく、船値の交渉も担います。

保守や管理は、運航している船の情報を収集してトラブルを未然に防いだり、修繕や改造が仕事です。

集めた情報は船の部品メーカーや研究機関で利用されるので、世界の造船に貢献できる仕事とされています。

技術革新に伴い国際規則が見直されたり、環境保護への関心が高まったりする中で、変化に対応できる性能と効率を持つ船を造る技術力は業界に必要不可欠です。

世界の海運を牽引する技術を推進することから、非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。

海上職

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海上職には航海士や機関士という職種があります。

航海士とは主に船の甲板で操縦や指揮をとる仕事です。

航路や気象に対する高い理解が求められるため、職種に就くためには国家資格を取らなければなりません。

また機関士とはエンジンなどの船内の機械の整備や調整をメインに行う職業です。

海運業界に向いている学生

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海運業界の全体図、仕事内容について理解できたでしょうか。

ただここまで聞いても「業界や仕事が自分に向いているのかどうかはまだわからない。」と思う人も多いでしょう。

そこで、海運業界に向いている人の特徴を3つ紹介します。

  • リーダーシップがある
  • ミスをしない
  • 高い理想を目指す

それぞれ、解説していきますね。

リーダーシップがある

リーダーシップがある学生は海運業界に向いています。

しかしリーダーシップがあるとは単にリーダー資質があるということではありません。

チームの中で自分の役割を理解し自責思考でチームの成果に貢献できる人です。

海運業界はたくさんの関係者との協力で成り立っています。そのため一人ひとりがリーダーシップを持って動くことが求められるのです。

ミスをしない

海運は世界規模の物流に関わる仕事です。

よってミス一つが大きな事故になってしまう場合もあります。そのため基本的にミスをしない、かつ強い責任感をもって仕事をする姿勢が求められます。

例えば事務系陸上職であれば、航路の計画で何か誤りがあったとすると大惨事は免れません。

強い責任感で慎重に仕事ができる人が向いていると言えるでしょう。

高い理想を目指す

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高い理想を目指す癖がついている人は海運業界に向いています。

特に外国人や異業種とのコミュニケーションが必要なシーンも多いため、自分の英語力や対人能力に挫折してしまう日もきっと来るでしょう。

海運業界はそんな時でも、理想と現実のギャップを埋めるために努力ができる人が活躍できる業界です。

学生時代から常に向上心を持って動いてきた人にとっては非常にやりがいのある業界と言えます。

まとめ

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以上で、海運業界についての解説は終わりです。

私たちの生活をボトムから支える「物流」に携われることから非常にやりがいのある仕事といえるでしょう。

船の上で仕事をする職種もあることから、他のサラリーマンでは体験できない経験を積むことができます。

リーダーシップや高い英語力、そしてコミュニケーション力が求められるので自己成長したい学生にぴったりな業界の一つです。

しかし業界全体では硫黄を含んだ物質の規制強化、船員不足&高齢化などの大きな課題があり、先行きが読めないのも事実です。

注目している会社は、業界内でどのようなポジションをとっているのか目を向けてみると良いでしょう。

自分自身の性格や、もともと関心のある分野も考えながら企業のことを調べていくのがおすすめです。

最後にまだ自己分析に不安がある人は以下の記事もぜひ読んで見てくださいね。

【就活における自己分析の目的とは】なぜ就活の1番始めに自己分析をするべきのか?始める時期や自己分析のメリットまで解説!

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