【秘書の仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?秘書の1日の流れからやりがいまで紹介
はじめに
就職活動において最も避けたいのが、入社する企業とのミスマッチです。
ミスマッチを防ぐために就活ではまず自己分析や業界研究を行います。
そして一つの企業にもいろんな職種があることが分かってくるのです。
職種ごとに向き不向き、キャリアパスなどが異なるので押さえておきましょう。
この記事では秘書の職種研究をしていきます。自分が働いているイメージができるかを意識してながら読んでみてください。
また、職種研究のやり方がわからない人は下記の記事を先に読むのもおすすめです。
秘書とは
会長や社長などの企業役員、政治家、弁護士など各業界の重鎮は日々、多種多様な業務に追われています。
彼らにとって大事なのは頭をつかうことです。
役員であれば企業の経営判断したり部下の提案にイエス・ノーで答えたりします。
弁護士であれば相談してきた人の話を聞き、どうすれば争いごとを解消できるかに頭を使わないといけません。
とはいえ書類の準備、会議室の予約、移動の手配などの必要だけど重要ではない仕事も発生します。
この時に彼らを徹底的にサポートするのが秘書です。
私たちにとても身近な存在とは言えませんが、仕事人の身の回りを支えています。
秘書は何をする?
秘書の目的は、上司が本来果たすべき役割を果たせるようにサポートをする仕事です。
業務の例としては他にも以下が挙げられます。
- スケジュール管理
- 電話・メールや来客対応
- 情報の収集・管理
- 身の回りの環境整備
秘書の仕事は大半が裏方の仕事ではありますが、秘書のおかげで上司は自分の仕事に集中することができるのです。
上司のサポートを通じて、組織の発展に貢献していると言えるでしょう。
秘書のやりがい
秘書は上司の仕事に関するサポートを行います。
そのため上司から「ありがとう」と感謝の言葉をもらえたときは充実感に満たされることでしょう。
また、秘書は社内外の人とのコミュニケーションも盛んです。
普通の会社員では絶対に直接話せないような役員など、自分よりもずっと人生経験のある方と交流ができます。
仕事を通じて自然と視野が広がることもやりがいの一つです。
秘書の苦労
秘書はかなりやりがいがある分、苦労も多い仕事と言えます。
例えば、仕事は業務の幅が広い上に量も膨大です。
書類整理、電話応対、上司のスケジュール調整、交通機関の予約など多岐にわたります。
また普段の業務だけではなくときには雑用までこなさなければなりません。
資料のプリント、買い物や休憩室の片付けや掃除などが当たります。
また、基本的に上司の予定に合わせて動くことになるので自分のスケジュールを調整しにくいという苦労もあるのです。
ただ苦労も多い分、人間的に成長できる職種なのでやりがいと天秤にかけてみてください。
秘書の1日の流れ
次に秘書の一日の仕事の流れを見てみましょう。
基本的に、上司のスケジュールの一歩前から行動して上司の補佐に努めていることが分かります。
また仕事が終わってからもトレーニングやビジネス書を読むなど、上司の側近として活躍するための自己研鑽を徹底することが大事です。
図にある一日の流れは定時に退社していますが、秘書は常に上司とともに行動するので繁忙期は残業が増えるときもあります。
その代わり、上司の出張や外出が続く日は労働時間帯を調整したり、休暇をもらうなどメリハリをつけて働く人も多いです。
秘書の平均年収
正社員として秘書の仕事をする場合の平均年収は、395万円です。
これは一般の事務職より少し高めの数字となっています。
日本のサラリーマンの平均年収430万円に比べると少し低いです。
ただ社長直下で働くような優秀な秘書や外資系企業の秘書などは最大年収1,000万円を超えることもあります。
勤める企業や誰を支えるかによっても年収が変わってくるのです。
なので秘書として年収を上げていくには、人脈づくりも大切にしていく必要があります。
どんな人が向いてる?
秘書という仕事にはどんな人が向いているのでしょうか。
様々な経験が積める一方でときには雑用に近いこともしなくてはならないなど、ストレスとなりそうな要素もあります。
結論から言うと、以下の3つの特徴を持っている人は向いていると言えるでしょう。
- 手助けが得意
- どんどんタスクを終わらせる
- ミスをしない
詳しく解説していきますね。
まず手助けが得意な人は向いています。
業務のほとんどすべてが上司のサポートだからです。
手助けをするのがもともと好きで喜んでもらうことにやりがいを感じる場合、ピッタリの職種かもしれません。
また、どんどんタスクを終わらせる効率の良さもとても重要です。
秘書に仕事が溜まってしまうと、結果的に上司まで本来やるべきではない仕事に追われてしまいます。
そうならないよう、要領よくタスクを解消していくスマートさが求められるのです。
ただしその過程でミスをするのは極力避けなければなりません。
秘書が付いている上司は会社に影響力がある人が多いでしょう。
例えば大事な会議で利用する部屋の予約が取れていなかった、となると大問題に発展します。
秘書は仕事に対して効率と丁寧さの両方がマストの職種なのです。
秘書で求められるスキル・資格・マインド
次に秘書に求められるスキルや資格・マインドについて解説していきます。
結論から言うと、秘書になるために必要な資格はありません。
ただし忙しい上司を全面的にバックアップするためのスキルは必要です。
それぞれ見ていきましょう。
スキル
必要なスキルは以下の通りです。
- ビジネスマナー
- コミュニケーション能力
- 業界知識
- 情報処理能力
秘書は常に上司の横にいるため、上司の取引先や知人と会う機会も多いでしょう。
なので会社員以上に丁寧なビジネスマナーや高いコミュニケーション能力が必要とされます。
また単純な仕事が多いと行っても業界全体の知識がないと仕事は務まりません。
これが秘書になった人に事務職からの異動や転職が多い理由でしょう。
まずは事務職として働き、その業界について詳しくなった後に秘書になるという選択肢を取る人が多いのです。
また秘書によくある資料作成にはWordやExcelなどのPCスキルが必要不可欠かつ、ミスのない正確さも要求されます。
単なる資料作りでも情報を取捨選択して資料に落とし込んでわかりやすいように報告する、と考えると情報処理は得意な方がいいでしょう。
資格
特別な資格がなくとも秘書になることは可能です。
しかし秘書になる前に持っておくと有利に働く資格はあります。
以下にまとめておくので、参考にしてみてくださいね。
- 秘書技能検定資格
- ビジネス実務マナー検定
- ビジネス電話検定
- 日商簿記検定
- CBS(国際秘書資格)検定
マインド
また、秘書に必要なマインドは知的好奇心です。
ビジネスマナーや情報処理能力はたしかに必要ではあります。
しかし業界のトップが見ているのは目先の業務だけではありません。
もっと高い視座で物事を見ていることが多く、時には今いる会社と全く関係のない業界の話題をされることもあります。
日頃から知的好奇心をもって知ろうとする姿勢や、もっと色々な話ができるようになりたい気持ちがあるかないかで差が出ます。
上司をサポートする身として、世の中のあらゆることに興味を持って常に新しい知識に触れ続けるマインドが重要なのです。
秘書のキャリア
「秘書になりたい」と思っても秘書という職種の実態がつかみにくいので「どうすればなれるかはわからない」という方は多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、秘書のなり方やキャリアパスについて説明します。
秘書になるには?
秘書になるには主に2つのルートがあります。
- 事務職や営業職から転職で秘書になる
- 新卒として秘書になる
順番に解説していきますね。
1.事務職や営業職から転職で秘書になる
まずは新卒で一般企業の事務職や営業職に就いて、それから転職して秘書になるルートです。
実は、これが一番よく取られている方法です。
メリットは先にビジネス経験を積むことができるため待遇の良い会社の秘書へのキャリアアップも可能だったり、そもそも秘書になりやすい点です。
一方でデメリットは秘書になるのに時間がかかったり、ファーストキャリアはやりたくない職種に就かなくてはならない事が挙げられるでしょう。
2.新卒として秘書になる
もう一つのルートが新卒で秘書になる道です。
ところで秘書といっても以下の2つの種類があります。
- 個人付秘書:役員などの管理職以上に付く
- グループ秘書:営業グループなど複数の集団に付く
個人付秘書の場合、新卒に任せてくれる会社はかなり少ないでしょう。
やはり仕事の経験がない人で仕事が務まらないためです。
なので最初はグループ秘書でアシスタントの経験を積んでから個人付の秘書になるのがおすすめです。
また、正社員での雇用が難しい場合は、新卒派遣という選択肢もあります。
派遣会社に登録し、社会人として必要な教育を派遣会社で受けてから企業へ派遣される、という制度です。
ただし新卒きっぷを派遣会社に使うことに対してはよく考えたほうが良いでしょう。
秘書のキャリアパス
次に秘書になるとどのようなキャリアパスを歩んでいくのかを見ていきましょう。
- 秘書アシスタント
- 役員秘書
- 社長秘書
まずはアシスタントとして秘書の基本的な業務を積んでいきます。
会計の管理、資料作成、電話応対といった業務を確実にスピーディに遂行できるぐらいの実力です。
さらに言うと英語の資料が読める語学力を持っていると良いでしょう。
この段階ではまだ個別付秘書ではなくグループ秘書である場合も多いです。
秘書アシスタントとして基礎がみについたら、役員秘書になることができます。
役員秘書は経営会議の資料や議事録の作成、メディアとのやりとりなどが仕事です。
責任感が大きく、社外とのコミュニケーションも必要な仕事をするので大変ですがとてもやりがいがある仕事が多いでしょう。
時には助手として意見を求められることもあります。
日頃からインプットを怠らない好奇心やストイックさも求められるのです。
役員秘書としてありとあらゆる業務が問題なくこなせるようになると運も左右しますが、社長秘書に就くことができます。
社長秘書は各業界の重鎮との接待、出張やパーティなどの社外での行事の運営・開催や出席など、社外での仕事も増えていきます。
企業によっては海外での仕事も増えるので、その場合はビジネスを英語で行えるぐらいの高い英語力が必要です。
秘書の最新動向
次に秘書の最新の動向を把握しておきましょう。
秘書には主に以下の2つの動きがあります。
- 主体性を発揮できる人が活躍する
- オンラインでの仕事が増加する
それぞれ解説しますね。
主体性を発揮できる人が活躍する
これまでは上司の元で指示された仕事をこなすだけという働き方が一般的でした。
しかし外資系企業などを中心に「自分の右腕としての秘書が欲しい」という人が増えてきているのです。
上司の考え方を理解し同じ立場で行動し、良き理解者として仕事をすることが求められるようになってきています。
今後はビジネス上でのパートナーとして働いていく人や、自主的に行動したり判断したりできる人が求められる時代になっていくのです。
オンラインでの仕事が増加する
インターネット上で仕事をする人が増えるにつれ「オンライン秘書サービス」という仕事が増えてきています。
オンライン秘書はチャットやWEB会議サービスなどを利用してどこにいても仕事ができるサービスです。
秘書も自宅やオフィスなど好きな場所に居ながらに仕事をこなすことができます。
秘書といえばこれまでは企業の重役や一部の職業だけのものでした。
しかし労働人口が減る中、企業も仕事を外注できて秘書も自由な環境で働けるメリットがあるため、今後はオンライン秘書がもっと広まると言われています。
まとめ
秘書について見てきました。
秘書という仕事についてイメージはできましたでしょうか。
言葉だけからはどんな仕事かなかなかイメージできなかったと思いますが、忙しい上司を支えるのに欠かせない職業なのです。
仕事の幅は広く量も多いのでやりがいは感じやすいと思いますが、一方で単純な雑用仕事も発生するので向き不向きがある仕事と言えます。
自己分析や他の業界も見つつ、検討してみるのがおすすめです。
秘書の採用が多いのはIT業界や金融業界なので、以下の業界研究の記事も読んでみてくださいね。