【鉄道業界:図解で3分解説】どんな仕事をやる?向いている学生や今後の動向、企業ランキングも紹介
はじめに
鉄道業界と聞くと車掌さんや駅員さんをイメージする人は少なくありません。
子供の頃に電車の運転士さんの運転する姿を見て自分も鉄道で働きたいと考えた人も多いことでしょう。
ただそれらは鉄道業界の一部の仕事で他にも様々な仕事があります。
また昨今ではコロナ禍の影響で人の行き来が少なくなり鉄道業界にも影響があるといわれています。
本記事ではそんな鉄道業界の概要や現状と今後の動向、そして鉄道業界の仕事内容について紹介していきます。
業界研究をする前に
鉄道業界の解説の前に、まずは業界研究の目的を理解することから始めましょう。
なぜ業界研究の目的を理解する必要があるのかというと、目的もなく業界研究を行ってもよい業界研究は行えないためです。
では業界研究の目的は何かというと、「自分に合う業界かを見極めて、入社後のミスマッチを防ぐ」ことです。
知識だけ蓄えてもその業界が自分に合うかどうかはそれを意識して業界研究しないと理解することは難しくなります。
ただ業界研究が初めての人や久しぶりな人は自身が正しく業界研究を行えるのか不安に思う人も少なくありません。
その場合は本サイトのこちらの記事を参考に正しい業界研究のやり方をおさえてから行うことをおすすめします。
鉄道業界とは
鉄道は明治時代から人や物の移動手段として利用されてきました。
業界としても歴史が古く、多くの人に利用されてきた鉄道業界ですが、その詳細な仕事内容や業界の全容について知っている人は多くはないでしょう。
そこで業界研究としてこちらでは鉄道業界の概要や基礎知識、売上高ランキングを紹介していきます。
鉄道業界の概要
鉄道業界の概要として鉄道業界の全体図について紹介していきます。
鉄道業界は大きく分けて4つの企業形態があるとされます。
1.JR
JRは元々日本国有鉄道という国営事業だったのですが、1987年の国鉄民営化によって地域ごとの北海道や東日本、東海、西日本、四国、九州とJR貨物に分割されたものです。
JRは鉄道業界の中でも鉄道事業の収益が大きく中でも新幹線による収入が大きいとされています。
またJRは鉄道業界の中でも事業範囲がとても広いため転勤の可能性が大きいです。
2.私鉄
私鉄は国営事業由来のJRと違い民間資本で運営されてきた地域密着型の鉄道会社になります。
地域密着型のためJRと異なり短距離の移動に関して強く大手私鉄企業となると鉄道事業以外の事業収入の割合が高いです。
例えば宅地開発やオフィスビル賃貸、百貨店の運営、ホテルの運営など企業によって様々となります。
全国各地にあるためそのビジネスモデルは企業によって異なり地域ごとに特色があるのです。
地元で就職したい場合は地元私鉄業者を選択肢に入れるのもおすすめです。
3.第三セクター
第三セクターは公営団体と民間企業の合同出資によって経営されている鉄道会社です。
主に地域開発や都市づくりを目的としておりゆりかもめや横浜シーサイドラインなどがあげられます。
4.公営鉄道
公営鉄道は地方公営企業や地方自治体が運営している鉄道会社になります。
都電荒川線や日暮里・舎人ライナーなどが公営鉄道に数えられており比較的に人口の多い都市などに開設されています。
鉄道業界の基礎知識
こちらでは鉄道業界の基礎知識として鉄道業界のビジネスモデルや事業について紹介していきます。
1.鉄道事業
鉄道事業は文字通り電車や新幹線を用いて人やモノを運ぶことで収益を得る事業です。
鉄道業界の主な収益源として確立しており鉄道業界の核として他の事業に発展させています。
物流にも大きく貢献している事業のため社会的にも役に立つやりがいのある事業です。
2.流通事業
流通事業とは鉄道会社が百貨店やショッピングモールといった商業施設の運営を行い収益を上げる事業です。
特に駅ナカといった駅直結の特定店舗の運営を行うことで鉄道利用を促進する動きがあります。
駅限定の店舗などを出すことでそれ目的で鉄道を利用させるなどと鉄道事業との親和性が高いです。
3.不動産事業
不動産事業は鉄道の沿線にて土地開発やマンション経営などを行う事業です。
不動産事業は鉄道事業との関わりが強く、交通利便を不動産事業によって高めることで鉄道利用需要を高める相乗効果が望めます。
4.ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業は鉄道企業がレジャー施設やホテルを運営する事業です。
鉄道業界が運営するレジャー施設、ホテルのため鉄道利用を前提としており宿泊者に鉄道利用をして観光を行ってもらう仕組みが出来ています。
鉄道業界の売上高ランキング
こちらでは鉄道業界の売上高ランキングを見ていきます。
売上高ランキングを見てみると上位の多くが大都市圏を主軸とした鉄道企業で占められているのです。
しかしこのランキングは2020年度のランキングのためコロナ禍の影響を大きく受けています。
特にJR東日本は2019年度の売上高が約3兆円だったものがほぼ半分の約1.7兆円にまで落ち込んでいるのです。
人の行き来を前提とした事業がほとんどのため2020年度のコロナ禍の影響を特に受けた業界の一つといえるでしょう。
鉄道業界の現状と今後の動向
業界研究を行う上でその業界の現状や今後の動向について理解しておくことはとても重要です。
そこでこちらでは鉄道業界の現状と今後の動向について紹介していきます。
現状
こちらでは鉄道業界の現状の課題について紹介していきます。
1.都市部の人口増加に伴う混雑
現状鉄道業界で大きな規模を持つものが都市部を主軸とする鉄道企業なのですがその人口移動の多さから鉄道の混雑率がとても高いです。
今はコロナ禍の影響で在宅ワークが増えたのですがそれでも都市部への出勤で混雑する線が多くあります。
そのため車内トラブルも多く都市部への人口過密が社会問題とされています。
2.鉄道業界の地方格差
都市部への過密が課題としてありましたがその逆に地方の過疎化に伴い地方鉄道が廃線になるケースも多くあります。
都市部との地方格差はどんどん広がっており都市部と違い地方の多くの移動手段が車の場合が多くあるため鉄道自体を利用しない家庭も多いです。
また地方も都市同様コロナ禍の影響を受けているため地方格差があまり縮むことはありませんでした。
3.コロナ禍の影響での利用者減
様々な業界に影響を与えているコロナですが特に鉄道業界はその影響を大いに受けたとされています。
鉄道業界はただでさえ人の行き来を通して収入を得るビジネスモデルのため人員の流入を抑えるコロナ対策は大きな大打撃を与えたのです。
特にコロナ禍の影響で今後数年をかけて在宅ワークの流れが来るとされていたものが1年できてしまいました。
そのためそれに対応したビジネスモデル改変の必要性が上がってきたのです。
今後の動向
こちらでは鉄道業界の今後の動向についてみていきます。
1.アフターコロナ
鉄道業界は2020年度は前年度のほぼ半分の売上高になった企業が多く大きな影響を受けてしまいました。
そこで重要視されるのがアフターコロナでの各企業の取り組みになります。
テレワークを行う企業が増え、今後通勤による運賃収入の回復は望み薄とされているためアフターコロナ後の観光客による運賃収入が重要です。
またワクチンの普及に伴って2021年度からの電車利用動向も重要視されております。
運賃収入以外の新しいビジネスモデルも考えられておりコロナ禍の影響で急速に変革を求められているのです。
2.新しい付加価値
今回のコロナ禍によって移動に対する無駄が考えられるようになりました。
特に通勤などが大きく多くの会社はテレワークを取り入れ始めたのです。
そのため移動そのものにマイナスのイメージを持ち始めた人は少なくありません。
そこで今後の鉄道業界はこの移動に新しい付加価値を作ることが求められるのです。
例えば移動手段そのものに付加価値をつけるとするならば車内に飲食店やエンタメ施設などを取り入れて移動時間を楽しめる施設を作るなどです。
移動のマイナスを払拭するためにもその移動に新たな付加価値をつけていくことが鉄道業界が復興、発展していくのに重要な取り組みとなることでしょう。
鉄道業界の仕事内容
業界研究ではその業界の仕事内容について理解することは重要です。
こちらでは鉄道業界の主な仕事内容について紹介していきます。
1.現業職
現業職は実際に駅や電車、新幹線内で働く業種になります。
現業職には運転士や車掌、駅員といった現場で働く仕事があり運転士に憧れているという人も多いのではないでしょうか。
ただ現業職において運転士は上位の役職のため入社後すぐになれるというわけではありません。
基本的に駅員として経験を積んでから各種試験に合格することで乗務員、車掌となっていき最終的に運転士になれることがほとんどです。
現業職を目指す場合は専門学校を出ることが確実な道の一つになりますが高卒や大卒でも現業職になることが出来ます。
2.技術職
技術職は鉄道業界の中でも電車や新幹線、施設の維持を行う業務です。
技術職は鉄道業界における裏方的な立場で車両やレールの保守点検などを行います。
鉄道を安心して利用できるのもこの技術職として働いている皆さんのおかげです。
技術職はその募集要項によっても変わってくるのですが入社前から技術的な専門知識を有している方が就職しやすいといわれています。
3.事務職
事務職は人事や運航ダイヤの調整、イベント企画、税関連の手続き等各種裏方作業を行う業種です。
事務職は基本的にオフィスワークになるため規則的な勤務時間となっております。
業務を理解するために現場での経験をしますが多くの場合後々本社で勤務することになります。
総合職と称されることもあり、本社勤務が中心になるため多くの求人が大卒になっている場合が多いです。
鉄道業界に向いている学生
最後に鉄道業界に向いている学生の特徴について説明していきます。
自分が当てはまるかや鉄道業界に入るために身に着ける力の参考にしてみてください。
1.ルールを守る
ルールを守ることは鉄道業界で生きていくうえで必須の力です。
電車や新幹線には必ず運行ダイヤというものが存在します。
そのため人身事故などのどうしようもない理由を除いては基本的に時間厳守です。
また鉄道事業には様々な規約が存在しておりこれを守ることで今日の安全な鉄道運行が出来ています。
ルールに対して雑な行いをして大事故に発展するなどあってはならないのです。
そのためルールをしっかりと守れることが鉄道業界で働く上で特に必要な力です。
2.世のため人のために行動する
鉄道業界は民間企業でありながら電車を運行するといった公共性の高い事業を行っています。
多くのビジネス活動や観光の移動手段に使われているためある意味社会を動かす役割を担っているといえるのです。
都市部ともなると毎日何万人という人たちの移動手段として利用されているため役に立ちたいと考えられる人に向いているといえます。
3.仲間意識が強い
鉄道業界の各企業は規模も大きく電車や新幹線運行には多くの部門が存在するためチームプレーが重要です。
特に部門ごとの情報共有をきちんとせずに大事故を起こしてしまえば多くの人の命に危険が出るだけでなく、その賠償で会社にも大打撃を与えてしまいます。
鉄道業界内では個人で活躍する場は少なくほとんどがチーム作業のため仲間意識が強いことコミュニケーションがしっかりととれることは重要な力です。
4.計画に従って物事を確実に進める
鉄道業界の業務の多くはルーティンワーク化しています。
そのためその計画に則った動きをし続けることが出来ることは重要な力です。
特別の事象が起きない限りは常に計画通りの運行を求められます。
そのため現業職や技術職を目指したい人は計画通りにこつこつ確実に進めることが出来ることは向いている特徴といえるでしょう。
まとめ
これまでで鉄道業界について紹介してきました。
鉄道業界は私たちの身近な移動手段の一つとして多くの人の生活に直結している業界です。
そのためこの鉄道業界で働けると多くの人の役に立てるやりがいのある仕事といえるでしょう。
しかし昨今のコロナ禍の影響で鉄道業界が大打撃を受けたことでそのビジネスモデルの改変が必要とされてきました。
コロナ禍の影響で厳しい時期だからこそそれを乗り越えてからの鉄道業界の成長の可能性は少なくありません。
本記事を通して鉄道業界に興味が出ましたら、ぜひとも就職活動の選択肢に鉄道業界を加えてみてください。
本サイトでは鉄道業界以外の業界研究記事を掲載しております。
他業界を見てみたい人や他業界との比較を通してより深い鉄道業界の業界研究をしたい人はぜひ他記事もご覧ください。
本記事を読んでくださった皆様が業界研究を通して良い仕事に出会えることを祈っています。