【個人営業の仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで徹底紹介
はじめに
就職活動のスタートは自己分析と業界研究、そして職種研究と言われます。
この中でも職種研究は何をしたらいいかわからないという人が多くいるのではないでしょうか。
今まで社会人として働いたことがないので当然ですよね。
同じ会社でも職種によって働き方や年収が異なるので、企業選びと同じくらい職種選びも重要です。
職種毎のやりがいや厳しさ、生活スタイル等を把握しましょう。
この記事では個人営業の職種研究をしていきます。職種研究のやり方がわからない人は以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
個人営業とは
営業を相手別に大別すると法人営業と個人営業の2つに分かれます。
今回は個人向けの営業の職種研究を進めていきましょう。個人の方に営業をしてまで売るべき商品は高額商品ですね。
個人の買うもので高いものは不動産や生命保険、車、株等の投資商品です。
個人営業はこうした限られた業界の特殊な営業であると認識しておきましょう。
個人営業と販売の違いがわからないという方もいるのではないでしょうか。
営業は特定のお客さまに自社の営業担当をつけて長くお客さまをフォローします。
販売は自分の担当が決まっているわけでなく来店されたタイミングでその場にいる人間が対応するのです。
営業担当をつけるかつけないかが大きな違いですね。
個人営業は何をする?
個人営業は自分の担当するお客さまに対し商品やサービスを紹介し提供していくことが仕事です。
個人営業の担当は数百名になることも多く、非常に多くのお客さまをカバーすることになります。
または今まで取引のないお客さまとの新しい取引を始める新規営業も行う場合もあるでしょう。
全く知らない個人の方と高額商品の取引ができるよう信頼関係を築くのはとても難しいことです。
お客さまとの信頼関係を構築し高額の取引につなげることが個人営業の仕事となります。
個人営業のやりがい
では個人営業を実際にやってらっしゃる方はどのようなやりがいをもって仕事にあたっているのでしょうか。
個人営業のやりがいを見ていきましょう。
お客さまと関係性を築ける
個人営業のやりがいは何といってもお客さまとの信頼関係を築くことでしょう。
あなたが担当してくれてよかったと言われると自分が相手にとって必要な存在と認めてもらえることが喜びとなります。
自分に置き換えてみても人生で何回かしかないような高い買い物をする時は誰から買いたいでしょうか。
よくわからない人から買うより自分が信頼する人から買った方が気持ちがいいですよね。
お客さまとの信頼関係を築くことこそが個人営業の一番のやりがいです。
達成感を得られる
営業である以上はノルマを追わなくてはなりません。ノルマを達成するために様々な手立てを考えていきます。
目標に届かないと精神的にも追い込まれますが、逆に高い目標を達成できると気持ちがいいですよね。
こうした達成感を得られるのも営業の醍醐味の1つでしょう。
営業チームの連帯感
個人営業は個人で活動すると思われがちですが、実際にはチームプレーです。
まず組織単位の目標があってそれを個人の目標に分解しています。自分自身が達成できなくとも誰かがそれを補うこともできますよね。
自分が仕事に悩んでいるときは周りに相談することで解決策が見つかるかもしれません。
周りと連携しながらお客さまの役に立ち目標を達成するのが個人営業のやりがいですね。
個人営業の苦労
やりがいも大きい個人営業ですがその分大変なことも多くあります。ここからは個人営業の苦労を見ていきましょう。
目標に追われる
やはり営業が一番大変なことは目標を達成することでしょうか。
営業組織の文化にもよりますが、目標を達成することに強くこだわるのはどの会社にも当てはまることと思います。
毎日のように目標をどう達成するのかを考えていると何のために仕事をしているのかがわからなくなってくるという人もいるでしょう。
目標達成への精神的負担は大きなものです。
お客さまと関係性を築くまでが大変
営業はお客さまから信頼を得ないことには成果につながりません。
しかしどのようにお客さまから信頼を勝ち取るかは非常に難しいものです。
人によって趣味嗜好も違えば営業に期待することも異なります。
数百というお客さま一人ひとりの状況に合わせた動き方を考え行動するのは大変なことです。
自分が良いと思わない商品を売るときがある
良い商品と自信をもって勧められる場合もありますがそうでない場合もあります。
自社が販売する商品は別の部署が商品をラインナップとして揃えてきますので、営業が決められるものではありません。
自分を信頼してくれたお客さまに対して自信のない商品を提案するのは気が引けるという営業も多くいます。
メリットやデメリットをきちんと把握してもらった上でお客さまに決断いただくことが大切です。
個人営業の平均年収
個人営業の平均年収は424万円です。全平均とほぼ同等からやや低いくらいかと思います。
営業は成果に応じた成果連動給与となることも多いので平均年収はあまり気にしなくともいいでしょう。
例えば外資系の保険会社の個人営業で活躍する人は年収が数千万レベルの人が多くいます。
成果に応じて給与のレンジも広いのが個人営業の特徴です。
個人営業の1日の流れ
個人営業は会社の文化にもよりますが毎日もしくは週に1度は案件の進捗確認の会議があります。
自分たちの進捗を把握し今やるべき動きを確認することで効率よく仕事ができるようになりますね。
すでに目標を達成していれば次の期に向けた仕込みの動きを求められるでしょう。
足元の数字が足りなければ結果の出やすい動きをする等方針が決まります。
日中の時間はお客さまとの面談の時間が多くなるでしょう。できる限りお客さまとお会いする機会を多く持つことが重要です。
夕方からはその日1日のお客さまとの面談の履歴等を入力します。
メールのチェックやお客さまとのアポイントをとって1日は終了です。
どんな人が向いている?
個人営業で活躍できる人はどんな特性を持っている人でしょうか。3つの素養を見ていきます。
自己分析の結果と照らし合わせてご自身が個人営業に向いているか考えてみてください。
明確な基準で評価されたい
まず営業は明確な成績で評価されます。稼いでいる人間が評価されるわかりやすい世界ですね。
上司の好き嫌い等のよくわからない評価が嫌いで、成果を出した分だけ評価してほしいと考える人には心地の良い職場だと思います。
その分数字を追うプレッシャーは大きくなるので両面を考えてください。
他人の視点で考える
次に他人の視点で考えることです。営業は相手の心を動かす技術職と言われます。
相手がどんな人で何を大切にしているのか等に思いを巡らせて考えることが大切です。
どうすれば相手の気持ちを動かせるかは自分が自分の理屈で考えたところでわからないですよね。
人への感情移入や人の気持ちがわかる人が活躍できるでしょう。
バイタリティがある
最後になりますが、営業はやはり厳しい仕事ですのでバイタリティのある人材が重宝されるでしょう。
売上が上がらなければ企業は存続できないので売上を担う営業は企業にとって生命線ですよね。
少しくらいの失敗ではへこたれない強さがないとその重責に応えることはできません。
個人営業で求められるスキル・資格・マインド
次に個人営業の方に求められるスキルや資格、マインドについて見ていきましょう。
どのような方が営業として活躍できるかを把握し自分の自己分析の結果と比較してみてください。
スキル
稼ぐ営業になるためのスキルは以下の通りです。
売れる営業はコミュニケーション力と言われますがコミュニケーション力というのが非常にあいまいな表現ですね。ここでは少し違った言葉で紹介します。
- 洞察力を磨く
- 愛嬌を身につける
- 自分に自信を持つ
まず洞察力を磨くということです。簡単に言うとよく人を見ているということですね。
少しの言動の変化であったり表情の違いからお客さまの心情を察する力を身につけましょう。
お客さまも自分のことを理解してくれる人を信頼するからです。多くのことに気づける人は信頼されるでしょう。
次に愛嬌を身につけるということについて解説します。話をしていて面白くない人にたくさん話をしようとは思いませんよね。
この人といると楽しい、もっと話をしたいとお客さまが思ってくれれば色々な話を通じてお互いの理解を深めることができるでしょう。
愛嬌はもっと話をしたいと思われるために大切な力と言われています。
そして自分に自信を持つということです。
自信がない人から商品の説明をされても頼りなさそうに見えて取引をしたいと思えないですよね。
高い商品を買うには勇気がいります。信頼している人が自信をもって薦めてきてくれるのであれば信頼感は高まるでしょう。
これらが個人営業で求められるスキルです。
資格
個人営業は高額な商品を個人に販売しますので、営業が正しい商品知識を持つことが重要です。
個人の方々を守るためにも営業には様々な資格取得を義務付けている場合が多くあります。
例えば金融であれば証券外務員という資格を持っていなければ株や投資信託等の商品をお客さまに販売することができません。
保険も生命保険販売員資格が存在します。
難しい資格ではないのですがこの資格を持っていないと仕事すらできない、という職種になりますので最低限の資格取得は覚悟しましょう。
マインド
個人営業をやっていくにあたり必要なマインドはやはり人と接するのが好きということでしょう。
営業は人と接しない限りは何も生まれません。人とコミュニケーションをとることを恐れていると大きなストレスを感じてしまいます。
個人営業をやる以上は人と接し、役に立つことで自分の存在意義があるのだと考えましょう。
個人営業のキャリアパスは?
個人営業にはどうやったらなれるのでしょうか?
また個人営業として活躍をしていくとその先のキャリアはどうなるのか、解説していきます。
個人営業になるには?
まず個人営業になるためには冒頭で紹介した特定の業種を選ぶ必要があります。不動産や金融、車の販売等が代表的なところですね。
会社によって職種は様々ですが大体は総合職で入社をするか営業専門職のようなものがあります。
いずれかの職種で入社をしましょう。
一般職で入社をして営業に職種転換するという方法もありますが、日本の会社ではまだ職種転換が一般的でないので遠回りになるかと思います。
個人営業のキャリアパス
個人営業の方はどのようなキャリアを描いていくのでしょうか。
大きく4つほどに分けられます。
- 個人営業の道を究める
- 個人営業のマネージャー職となる
- 法人営業に幅を広げる
- マーケティング等へ職種転換する
個人営業の道を究める
まずは個人営業の道を究めるキャリアがあります。お客さまとのコミュニケーションが好きという方はこのキャリアを考える人が多いです。
マネージャーになると部下の管理や本部への報告等、お客さまと話をする以外の仕事がどうしても増えてしまいます。
お客さまとの信頼関係構築に集中したいという方は営業一本でキャリアを積むことを考えてはいかがでしょうか。
個人営業のマネージャー職となる
次に個人営業のマネージャーになるケースですね。
部下の育成やマネジメントを通じてより大きな成果を上げることを期待されます。
マネージャーから支店長や部門長となる等個人営業としてのキャリアを広げていけるでしょう。
法人営業に幅を広げる
そして法人営業にキャリアの幅を広げる方もいらっしゃいます。
例えば銀行や保険会社でお客さまを担当しているとお客さまが会社の経営者という場合が多くあるでしょう。
経営者は自分のこと以上に会社のことを考えていますから、お客さまの役に立つには会社の経営についても話ができるといいですよね。
個人も法人も何でも相談に乗れる営業としてのキャリアを目指します。
マーケティング等へ職種転換する
最後は営業から他の職種に転換するケースです。
営業だけでなく様々なことをしたいと考える人や営業が合わないという人は他の職種に転換するケースもあります。
営業は社会人としての基本を学びやすいため3年やって営業をあきらめ他の職種に転換するということも比較的容易です。
売上を追うという意味ではマーケティング等へ職転する人が多くいらっしゃいますね。
個人営業の最新動向
個人営業は最近大きな転換点を迎えています。
テクノロジーの活用やそれに伴う営業行動の変化によって今までと異なるスキルが必要となってきました。
ここでは最新の営業の動きを紹介します。
顧客管理システムの進化
顧客管理システムの進化は営業活動に大きな変化をもたらしました。
お客さまの趣味嗜好をAIが解析して営業担当におすすめの商品を教えてくれるシステム等も活用されています。
今まで営業のスキルによって行われていた顧客へのアプローチをAIを搭載しているシステムが代替するような動きも出てきました。
今後のテクノロジーの進化が注目されます。
科学される営業
稼げる営業がどのような行動をしているのか、その共通点のようなものが理解できれば稼ぐコツがわかりますよね。
稼ぐ営業と稼げない営業はどう違うのでしょうか。結果を見るのではなく過程の解析が進んできました。
営業が1つ1つ毎日の行動をデータとして蓄積していくことで行動をすべて可視化していきます。
営業一人が成果を残すよりもみんなで成果を残すほうが会社全体としては大きな成果を収めることにつながるのです。
営業を科学する動きが進むでしょう。
幅広い教養が必要とされるようになる
相手がどんなお客さまでも話を合わせられる幅広い教養の重要性が高まっています。
AIの活用や営業行動の科学によって営業担当はよりお客さまとの商談に時間を集中できるようになります。
AIは過去の履歴から傾向と対策をすることは得意ですが、データないことには価値を生み出せません。
新しいお客さまの情報を引き出したり気持ちを動かしたりすることは営業担当の力によります。
幅広い知識をもつことや共通の話題を広げお客さまとのコミュニケーションにより集中するようになってきました。
個人営業志望者におすすめの入門書
ここでは個人営業を志望する方にお薦めの本を紹介していきます。ご興味のある方は参考にしてみてください。
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク
こちらは稼ぐ営業が何を考えて仕事をしているのかがよくわかる本です。
また営業は天才が勝つのではなくスキルを磨いて稼げるようになる、というメッセージが分かりやすく伝わるかと思います。
どのようなスキルが必要になるかを理解するにはわかりやすいですね。
トップセールスが使いこなす! ‟基本にして最高の営業術″総まとめ 営業1年目の教科書
まさに営業の入門書としてわかりやすい一冊です。
イラストも多く視覚的に理解ができ読みやすいですね。営業の先生の本ですのでわかりやすく書いてあります。
営業は気になるけど営業のことはよくわからないという人はこの本を読んでみてください。
超★営業思考
こちらは今までの営業の概念を覆すトップ営業の本です。
外資系保険会社の有名なトップセールスが自身の営業スタイルについて書き下ろし、社会人でも読んでいる人は多くいます。
最終的にこうなりたいという姿を描きたい人にはおすすめです。
まとめ
個人営業の職種研究をしてきました。
営業はやりがいのある仕事である一方苦労も多い仕事です。
しかし社会人としての基礎は身につきやすい仕事ですので一度チャレンジして職種転換もしやすいでしょう。
キャリアの柔軟性がありますので社会人の一歩目として選んで間違いはありません。
興味のある方は是非チャレンジしてみるといいと思います。
個人営業が多く働くのは金融や不動産になりますのでそちらの業界研究の記事も併せて参考にしてみてください。
それでは職種研究頑張りましょう。