【医療機器業界:図解で3分解説】どんな仕事をやる?向いている学生や今後の動向、企業ランキングも紹介

作成日:
2022-01-26
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はじめに

普段意識することはあまりないのですが医者にかかると様々な機器があることに気づくでしょう。

これらの機器は医療機器メーカーによって製造されています。

目立ちはしませんが、私たちの健康を身近なところで支えてくれているのが医療機器業界です。

この記事では医療機器業界の社会的役割や今後の動向、向いている学生の特徴等を解説していきます。

是非最後までご覧ください。

業界研究をする前に

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医療機器業界の業界研究に入る前に業界研究をやる目的を明確にしておきましょう。

業界研究は業界の現状や将来性に関する情報を集めるだけでは片手落ちとなってしまいます。

業界特有の特徴と自分の特性や性格を擦り合せることで、自分にあった業界なのかどうかを考えることが大切です。

そして入社後「こんなはずじゃなかった」とミスマッチにならないようにすることが業界研究の正しい目的となります。

医療機器業界について理解を深めながら「本当に自分に合う業界なのか、仕事があるのか」を考えながら読み進めてみてください。

ちなみに業界研究を始めたばかりの人ややり方がよく分からないという人は、以下の記事も併せて読んでみてくださいね。

業界研究の目的を正しく理解したうえで、医療機器業界は自分が活躍できそうなフィールドなのかを見極められるようにしましょう。

医療機器業界とは

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医療機器業界は主に医療機器を開発、製造する医療機器メーカーと、それを全国の病院に販売していく医療機器卸売会社から成り立ちます。

医療機器自体は非常に幅広く、心電図をとるような診断に使うものやカテーテルや人工心肺のような治療のための機器、家庭で使う体温計等が含まれるのです。

医療機器業界の概要

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医療機器業界には主に4つのプレーヤーがいます。

  1. 独立系医療機器メーカー
  2. 大手企業の医療機器部門
  3. 外資系メーカー
  4. 医療機器卸売会社

医療機器メーカーが医療機器を開発し生産します。

それを全国の病院に届けるのが医療機器卸売会社です。

市場の構造としては割とシンプルでわかりやすいのですが、様々な事業者がいるので若干わかりづらくもなっています。

どのようなプレーヤーがいるかを見ていきましょう。

独立系医療機器メーカー

独立系の医療機器メーカーはテルモニプロといった企業です。

聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。

身近なところでは私たちが使用する体温計を作っていますが、本業は病院で使用する高度な医療機器を製造する企業です。

大手企業の医療機器部門

医療機器は開発にお金がかかりますし承認にも時間がかかります。

そのため大手の潤沢な資金を持つ企業が事業部門の1つとして展開していることが多いです。

キヤノン富士フィルム等も医療機器部門を持っていたり本業とのシナジーを見込んで医療機器企業を買収したりしています。

外資系メーカー

医療機器の中でも特に治療に使うような機器は外資系のメーカーが強い分野です。

ドイツ企業のシーメンスやアメリカ企業であるGE等が日本でも多くシェアを握っている医療機器があります。

医療機器業界を見るときは国内の売上ランキングだけを見ずに外資系企業も同様に検討するようにしましょう。

医療機器卸売会社

医療機器卸売会社は医療機器の販売に特化した会社です。

病院の立場からすると機器によって誰に相談をすればいいか分散していると、管理が大変になります。

卸売会社に相談すればなんでも必要な機器が手に入ると楽ですね。

基本的に卸売会社は一般の消費者の目に触れることがないので知らない会社がほとんどです。

シップヘルスケアホールディングスカワニシホールディングス等大手4グループが大きなシェアを握っています。

医療機器業界の基礎知識

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ここからは医療機器業界を志望する方に知っておいていただきたい基礎知識をお伝えします。

医療機器業界の市場規模

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出所:業界動向サーチHPを基にシューブン編集部作成

医療機器業界の市場規模は毎年約3兆円でほぼ横ばいに推移しています。

新しい医療機器が開発され古いものと入れ替えが進みますし、カテーテルのようなものは消耗品ですので安定的に需要があると考えられるでしょう。

社会的な意義の大きい医療機器

日本はより高齢化が進んでいきます。医療は今後より重要性を増していくこととなるでしょう。

医者が患者を診療する、もしくは治療するときに医療機器はなくてはならないものです。

医者が優良な器具を活用して患者をしっかりと診ることができる状況を支えることが医療機器業界の社会的な役割となります。

人の生活に安心を提供する大切な意義を担う業界と言えるでしょう。

医療機器の種類

医療機器は大きく3つに分けることができます。

1つは診断機器です。

内視鏡やX線等の機器で、体に悪いところがないかを確認するために使用されます。

2つ目は治療機器です。

カテーテルや人工心肺等、実際に患者さんを治療するために使用される機器となります。

最後はその他機器です。

手術用の手袋であったり聴診器のようなものも医療機器に含まれます。

身近なところだとコンタクトレンズなんかも医療機器ですね。

医療機器業界の売上高ランキング

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出所:業界動向サーチHPを基にシューブン編集部作成

医療機器業界の売上ランキングを見ていきます。

オリンパスや富士フィルム等は事業部門として医療機器やヘルスケアという括りで売上を算出しているので注意が必要です。

専業大手はテルモやニプロですが、事業部門として医療機器を持っている会社はカメラ業界の会社が多いですね。

内視鏡であったり投影技術で事業上のシナジーがあると見られています。

キヤノンが東芝メディカルシステムズを買収しましたし、売上1位のオリンパスにはソニーが出資をしました。

富士フィルムも元はカメラの会社でしたね。

医療機器業界の現状と今後の動向

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安定的な医療機器業界ですが、現状と今後について考察をしていきましょう。

現状

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ますは現状の整理をしていきます。

安定的な売上高を維持

市場規模で見た通りここ数年の売上規模は非常に安定して推移をしています。

日本の社会構造として高齢者が増加していき医療を必要とする人が増えていくでしょう。

引き続き医療機器の業界全体としては底堅い推移が見込まれます。

一方で地方の人口減少等により全国の病院数は減少傾向ですので、大きく市場が成長するということもないでしょう。

日本メーカーは診断機器に強い

日本のメーカーは特に診断機器に強いとされています。

いくつかの診断機器については世界トップシェアを誇るものもあり、例えば軟性内視鏡は世界シェアのほとんどを日本製が占めているのです。

超音波診断やMRIといった高度な診断機器も日本メーカーの世界シェアは大きく、グローバルに日本の医療機器メーカーが活躍しています。

重点5分野に注力

現在日本政府も含め医療機器分野を強くするために様々な取り組みがされています。

特に以下の5つを重点分野と定め開発にリソースを集中させているのです。

  1. 手術支援ロボット・システム
  2. 人工組織・臓器
  3. 低侵襲治療
  4. イメージング(画像診断)
  5. 在宅医療機器

今後の動向

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次に医療機器業界の今後の動向を見ていきましょう。

世界では市場が拡大する

日本では安定的な市場が推移していますが、世界ではより大きく市場が拡大していきます

世界にはまだ医療が行き届いていない地域が多く、医療機器も高額でなかなか手に入らないという状況です。

少しずつ国が豊かになり医療体制を構築できるようになると医療機器を販売する機会も増えていくでしょう。

中期的には毎年5%程度の市場成長が見込まれています。

AIを活用した医療機器

これからの医療機器にはAIを搭載したものが多く出てくると想定されています。

例えば過去のレントゲンやMRI等の膨大な診断データをAIに読み込ませることで、病気のパターンをAIが判定することができるようになるでしょう。

AIが得意とするのは過去のパターンから将来を類推することですので、その意味で過去データを大量に有する医療には活用の機会が多くあると言われています。

課題先進国日本への期待

日本は世界において高齢化が最も早く進んでいく地域の1つです。

今後日本と同様の課題に直面する国が次々と現れてきます。

各国が高齢化に伴う医療の在り方について将来的な危惧を持っており、日本がどのように難局を乗り越えていくのかが注目されているのです。

在宅医療機器の普及で医師の負担を軽くしたり、医師がより効率的に診療を行えるようAIを活用したりと様々な取り組みが考えられていくでしょう。

日本の医療システムを世界に発信していくことが期待されています。

仕事内容

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さて、ここからは具体的に医療機器メーカーの仕事を見ていきましょう。文系、理系ともに活躍の場があります。

研究開発

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まずは研究開発です。

優れた医療機器を開発するため医者がどのようなことに悩んでいるのかを考え、役に立つ機会を創出します。

特許を侵害しないかを調査したり実際に開発した機器がうまくワークするかを確かめたりする治験も研究開発の一部ですね。

主に医工学系の学生や工学部出身の理系の学生が働く職種です。

製造

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研究開発した製品が政府から承認を得て製造段階に移ることができますね。

受注してから生産をする大型の機器もあれば消耗品のような機器もあるので、機器に応じた生産ラインを整えて製造をしていきます。

製造ラインを設計、企画をしたり工場や機器のメンテナンスをしたり等幅広い仕事に対応するのが製造の仕事です。

こちらも工学系や理学系の理系の方が多い職種となります。

サービスエンジニア

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サービスエンジニアは病院等が医療機器を実際に利用するときに顧客をサポートする仕事です。

機器の納入が決まった際にいかにしてその病院に導入するかを考え、納入後に不具合がないかサポートをしていく仕事となります。

こちらも理系の方の多い職種です。

品質管理

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医療機器は高い品質を保たなければ患者さんの命に係わる可能性のあるものです。

よって病院等に納品する前に正しくその機器が稼働するかしっかりとチェックしないと出荷できないことになっています。

品質管理は自社が製造した機器が正しく稼働するかをチェックする役割です。

品質管理の仕事によって問題なく医療を提供することができるので責任の重い仕事でしょう。

営業

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営業は医療機器メーカーと医療機器商社に所属しています。

大型の機器は大きな病院しか導入できないため対象が限定的です。メーカーが直接販売しても利益がとれるので効率的ですね。

一方その他の商材については日本全国の幅広い病院を対象とします。

メーカーがすべての病院をカバーしようとして営業をつけると大量の営業が必要となり非効率となります。

商社が様々な商材を営業してくれるとメーカーは営業が不要となり効率的ですね。

営業は文系のほうが多い職種でしょう。

管理

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会社のお金の流れを正しく記録する経理や工場建設の際にお金を銀行から借りる財務等が管理部門です。

特許が多い業界ですので法務も大切な管理部門の仕事でしょう。

研究開発や製造が滞りなく進められるよう会社の屋台骨を支えるのが管理部門、バックオフィスの役割です。

管理部門は文系の方が多く活躍する職種となります。

医療機器業界に向いている学生

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様々な仕事があることを見てきましたが、ここで医療機器業界に向いている学生の特徴を考えてみましょう。

自身の自己分析の結果と照らし合わせてみてください。

人々の暮らしを支えたい

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人の暮らしを支えたいという使命感を持った方は医療機器業界に向いているのではないでしょうか。

医療機器業界は人の健康的な生活を支える社会的な意義の大きな仕事です。

日々の仕事では大変なことやストレスを感じることもあるでしょう。

しかし自分の活躍によって多くの人の生活を守っているという自負を感じることで仕事のモチベーションを維持できますね。

グローバルに活躍したい

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日本発で世界で活躍するのが医療機器の特徴です。

医療機器業界の現状でも見てきた通り日本の製品が世界の市場シェアを席巻する、という例もあります。

グローバルに活躍をしていきたいという人はその会社の商品がグローバルにシェアのあるものだということを確認してください。

そのような企業ではグローバルに活躍する機会が多くあるでしょう。

確実に仕事を進める

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1つ1つの仕事を大切に扱い丁寧に進めていく人が向いているでしょう。

全ての仕事が患者の命を守ることに繋がる仕事となります。

いかにミスがなく安定した医療機器を届けられるかが大切ですよね。

1つ1つの仕事を丁寧に行い、疑問を疑問のままにしておかないような確実性を大切にする方はその性格が重宝される業界であると思います。

まとめ

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ここまで医療機器業界について業界研究を進めてきました。

需要が安定しており社会構造的にも将来にわたって安定的な推移が期待できます。

社会的な意義も大きく多くの人の健康を守る大切な仕事と言えるでしょう。

就活を始めるまではあまり意識しなかった業界かと思いますが、身近なところで私たちの生活を支えてくれている業界ですね。

ちなみに本サイトでは、医療機器業界以外にも様々な業界について解説しています。

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