【ジュエリーデザイナーの仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで紹介
はじめに
ジュエリーデザイナーという職業を知っていますか?
ジュエリーデザイナーは、指輪やネックレス等のジュエリーのもととなるデザインを作製する仕事です。
この記事ではジュエリーデザイナーになる方法や向いている人について等徹底的に紹介します。
ジュエリーが好きな方、デザインに興味がある方はぜひ見てみてください。
ジュエリーデザイナーとは
指輪やネックレス等のジュエリーは年齢性別を問わずあらゆる人の身近にあります。
そのジュエリーのもととなるデザインを手がけるのがジュエリーデザイナーです。
こちらでは仕事内容ややりがい、苦労等について紹介していきます。
ジュエリーデザイナーは何をする?
ジュエリーデザイナーはジュエリーのデザインを作製する仕事です。
ジュエリーと言っても様々な種類がありますが、具体的な仕事の進め方にはそれほど差はありません。
まず作製するジュエリーのテーマ・コンセプト等を確認します。
これは量産品の場合は会社としての方針ですし、オーダーメイドのものであれば個々のお客さまからの希望のことです。
次にジュエリーのデザインを作製していきますが、まず手書きでデザイン画を複数作製した3DデザインができるPCソフトで立体的にデザインします。
デザインした物を3Dプリンターで成型して確認することもあるようです。
その後ジュエリー職人に試作をお願いし、採用されれば量産・発注するという流れになります。
ジュエリーデザイナーのやりがい
ジュエリーデザイナーのやりがいとして以下の2つが挙げられます。
- 誰かの「特別」を生み出せる
- 自分のセンスを活かせる
誰かの「特別」を生み出せる
ジュエリーは大切な方への思いを込めて購入したり何かの節目に自分で購入したりと何かと特別な意味を持つ物です。
そのためジュエリーデザイナーの仕事は人々の特別な瞬間に寄り添える仕事と言えます。
自分がデザインしたジュエリーで特別を生み出せることは仕事をする際のモチベーションの高さややりがいに繋がるでしょう。
自分のセンスを活かせる
創造性が必要とされる仕事なので、ジュエリーデザイナー同士でもそれぞれのセンス・好きなデザインは異なります。
その中で自分のセンスを活かしてデザイン作りができる、自己表現がしやすい職業です。
当初のデザインの段階から多少の直しは入るでしょうが、自分の個性を活かしたジュエリーが作れるのもやりがいの1つと言えます。
ジュエリーデザイナーの苦労
ジュエリーデザイナーの苦労として以下の2つが挙げられます。
- 売れ行きが景気に左右される
- アイデアを出し続けることの難しさ
売れ行きが景気に左右される
ジュエリーデザイナーの苦労する点は、売れ行きが景気に左右されやすいところです。
ジュエリーは生活必需品とは言えないため、景気が悪い時には打撃を受けやすい業界と考えられます。
自分のデザインの出来に関わらず、やや浮き沈みが生じやすい業界だということは知っておきましょう。
アイデアを出し続けることの難しさ
創造性が必要とされる職業にはつきものですが、これまでになかった物を創造するのは容易なことではありません。
ジュエリーデザイナーは新しいテーマに沿って次々と新しいジュエリーのデザインを考える必要があります。
時にはスランプに陥ることもあるでしょうがそんな時期があっても頑張り続けられる粘り強さも必要です。
ジュエリーデザイナーの平均年収
企業によって差はありますが、ジュエリーデザイナーの新卒初任給は18万円~です。
年代別で見てみると以下の通りとなります。
- 20代:月収20~25万円、年収350万円(推定)
- 30代:月収25~30万円、年収392万円(推定)
- 40代:月収25~40万円、年収588万円(推定)
ジュエリーデザイナーは個々の実力差で収入にも差が出やすい職業ですのであくまで参考値です。
実力次第でさらに高収入も狙えます。
ジュエリーデザイナー1日の流れ
ジュエリーデザイナーの仕事の中心はジュエリーのデザイン画の作製です。
手書きでラフ画を作製してから評価の良い物についてはPCで立体的な製図をしていきます。
それ以外の時間に行うのは関係者との打ち合わせです。
社内外との打ち合わせや、試作品を作ってもらうジュエリー職人との打ち合わせをして考えを摺り合わせていきます。
ジュエリー職人に試作品をお願いする際の指示書の作製も仕事の1つです。
またジュエリーデザイナーには創造性や流行に対する敏感さが求められます。
そのため休日も他社のジュエリーを偵察しに行ったりジュエリーの分野に限らず様々なことに関心を持ったりする意識が必要です。
どんな人が向いている?
ジュエリーデザイナーにはどんな人が向いているのでしょうか。
ここではジュエリーデザイナーに向いている人のタイプを3つ紹介します。
好奇心の範囲が広い
ジュエリーデザイナーは創造性が必要な職業です。
新しい物を生み出すためのアイデアを得るために様々なことに興味を持つことが大事になります。
気になったことにすぐ取り組める好奇心の範囲が広い方は自然とアイデアが豊富になりその力を発揮できるでしょう。
ポジティブである
ポジティブであることもジュエリーデザイナーに向いている特徴の1つです。
センスという正解のないものが試される職業であるため、上手くいかなくて原因がはっきりしないこともあります。
そんな時でも落ち込まずすぐ次の仕事に向かって努力できる前向きな方はチャンスを上手く活かしていけるでしょう。
自分の可能性を信じる
どんな仕事をしていても「この仕事、自分に向いてないのかな」と思うことはあるものです。
ジュエリーデザイナーのような専門職はすぐに結果が出る職業ではないためそんな思いを抱えることも多いでしょう。
そんな時にすぐに諦めずジュエリーデザイナーとしての自分の可能性を信じて頑張り続けられる方は適性があると言えます。
もちろん、上手くいかないときに周囲のアドバイスに耳を傾けて納得できる部分は受け入れていく姿勢も大事です。
ジュエリーデザイナーに求められるスキル・資格・マインド
ここではジュエリーデザイナーになるために必要なスキルや資格・マインドについて説明します。
新卒で入社する場合、ある程度は入社後に身につけていくことができますが前知識があるとなお良いです。
スキル
以下のスキルがあればジュエリーデザイナーとして就職してから必要な下地ができていると言え、強みになるでしょう。
- 宝石・貴金属の知識
- 製図の知識
- 美的センス
宝石・貴金属の知識
ジュエリーを作る際に、使う宝石や貴金属の長所を活かせるデザインにすることがジュエリーデザイナーには求められます。
芸術・美術系の大学や専門学校ではこれらの分野を学べる学科があるので、先に知識を身につけておけば強みになるでしょう。
製図の知識
ジュエリーのデザインをする際に製図の知識は必須です。
最近は最終的にPCソフトで製図する場合がほとんどですのでそのソフトの使い方も学ぶ必要があります。
事前に学校でそれらを扱った経験があれば就職活動でも十分アピールポイントになるでしょう。
美的センス
センスなんて生まれつきのもの、と思うかも知れませんがそんなこともありません。
新しいものが生まれるときも、根本は既にあるものの組み合わせである場合が多いです。
そのため普段から様々な分野に関心を持ちそれをデザインに活かしていく姿勢でデザインを作っていけば自ずとセンスは身につきます。
専門学校等で評価を受けながらセンスを磨いたり、周りのデザイナー候補から技を吸収したりしていくのもおすすめです。
資格
ジュエリーデザイナーになる際に必須の資格はありませんが、取得しておけば役立つ資格を紹介します。
ジュエリーコーディネーター検定
ジュエリーコーディネーターとしての能力を測るのがジュエリーコーディネーター検定試験です。
ジュエリーコーディネーターとはジュエリーを取り扱うお店のスタッフの総称となります。
この資格を取得できればジュエリーの素材や製造方法等に関するジュエリーデザイナーになる際に役立つ知識が多く得られるでしょう。
貴金属装身具製作技能士
非常に長い名前の資格ですが、こちらはジュエリーの制作技能を認定する国家資格です。
製図等の実技試験がありますが、芸術系の大学・専門学校に通っており実技の経験がある方なら3級の受験はできます。
将来的にデザインの仕事だけでなく、ジュエリーの製作作業にも携わりたいと思う方はいずれ取得が必要な資格です。
マインド
ジュエリーデザイナーをする上で必要なマインドは以下の通りです。
- 細かい作業が苦でないこと
- 好奇心旺盛なこと
- 周囲からの評価に一喜一憂しないこと
細かい作業が苦でないこと
ジュエリーという華やかなものを作る仕事からは想像できないほどジュエリー作りは繊細な仕事となります。
ジュエリーを製造する仕事はもちろんのこと、ジュエリーデザインの仕事も0.1mm単位の細かさでの製図が求められる細かい作業です。
デザインを完成させるためにずっとPC画面とにらめっこすることもあるでしょう。
そんな仕事を苦にせず黙々と進めていくことがジュエリーデザイナーには求められます。
好奇心旺盛なこと
創造性の求められる仕事ですので、どんな物事でも自分の仕事に活かしていこうとする意欲が必要です。
一見輝くジュエリーとは関係のないようなことにもデザインのヒントが隠れているかも知れません。
好き嫌いなく色々なことに興味を持てるマインドがあればジュエリーデザイナーとして活躍するきっかけになるでしょう。
周囲からの評価に一喜一憂しないこと
創造性やセンスが求められる仕事ですが、時にはそれが会社・お客さまからの要望に合わないこともあります。
自分がデザインしたジュエリーの売れ行きが全く良くないということもあるでしょう。
デザインの世界は評価が見えやすいのが良い点でもあり悪い点でもあります。
デザイナー全般に必要とされる「センス」に正解があるわけではないのも難しいところです。
たとえ評価が悪くても落ち込まず次のデザインを生み出し続けられるバイタリティーがあるとデザイナーとして活躍していけます。
ジュエリーデザイナーのキャリア
ここではジュエリーデザイナーになる方法やキャリアパスを紹介します。
ジュエリーデザイナーになるには
ジュエリーデザイナーになる方法は主に4つです。以下それぞれ解説します。
芸術/美術系大学・専門学校→ジュエリーメーカーに就職(デザイナー職として)
学校である程度基礎知識が身についている場合は、新卒でジュエリーデザイナーになることも可能です。
企業に就職した場合、はじめは販売や営業等の研修があることが多いようですが最も短期間でジュエリーデザイナーになれる方法でしょう。
その他大学→ジュエリーメーカーに就職(販売・営業職として)
芸術/美術系以外の学校からジュエリーデザイナーを目指す場合、ジュエリーデザイナーとして就職することは難しいでしょう。
一旦ジュエリーメーカーに販売職や営業職等として就職した後にデザイナー職を目指すことになります。
本業と並行してデザインの勉強をするのは大変な道ではありますが、本気度を見せれば社内のデザイナーも協力してくれるでしょう。
その他大学→専門学校→ジュエリーメーカーに就職(デザイナー職として)
芸術/美術系以外の学校からジュエリーデザイナーを目指す方法として、大学卒業後に専門学校に行くこともできます。
学生期間が長くなってはしまいますが、専門性を身につけてから就職を目指せるのでジュエリーデザイナーへの道が近づくでしょう。
他のデザイン系職種からの転職
ジュエリー以外のデザイン職にも関心がある場合、一旦他業種で就職してその後転職する方法もあります。
他のデザイン職や製造業でも、製図が必要になる職種に就いておけば後々ジュエリーデザイナーへの転職の道を選ぶこともできるでしょう。
ただ、転職の場合はある程度の宝石・貴金属の知識が必要になるためジュエリーに関心があり勉強していることが前提です。
ジュエリーデザイナーのキャリアパス
ジュエリーデザイナーになると、多くの場合はじめに他職場での研修があります。
営業や販売の仕事を経験し、ジュエリーがどのようにお客さまの手に届いて行くかを知っておくのはとても大事です。
また専門性の高い職業ですので、デザイナーとして仕事をし始めてすぐに活躍することは難しく5年程度は修行期間と考えておくのが良いでしょう。
この間に先輩から基礎知識や専門スキルをどんどん吸収していきます。
その後はジュエリーデザイナーとして本格的に活躍する最も仕事が面白い期間です。
この時期に独立してデザインを続ける人もいるでしょう。
独立する際はある程度自分でジュエリーを作るスキルも必要になります。
将来独立を目指す方は製造のスキルも身につけられる環境が整った会社を選ぶことも重要です。
企業で働き続ける場合は昇格していくと管理職となり、デザインの方針を決めたり部下の教育・仕事の進捗管理等を行ったりするようになります。
ジュエリーデザイナーの最新動向
ここではジュエリーデザイナーの最新動向を紹介します。
今後も必要とされる職業
ジュエリーは年齢性別を問わず様々な人が身につけるものです。
流行はあるでしょうがジュエリー自体が必要なくなることはまずないでしょう。
大切な人への思いを込めてジュエリーを贈る人も多く、ジュエリーデザイナーはそんな人々の思いに応えられる仕事です。
オンラインでのやり取りが増えている
最近は独立してオンラインでジュエリーの販売をするジュエリーデザイナーも増えているようです。
高級なジュエリーを宝石店で求める人もいる一方で、より手軽にジュエリーを手に入れたい人も増えています。
オンラインでのジュエリー販売はシンプルで効率的な生活を求める人にはとても魅力的に見えるでしょう。
企業で働くにしろ個人で独立するにしろ、オンラインを利用した販売チャンスをどう活かしていくかが今後重要になっていきます。
ジュエリーデザイナーのおすすめの本
ここではジュエリーデザイナーを目指す方におすすめの本を紹介します。
価値が分かる 宝石図鑑
まず前知識のない状態からジュエリーに使う宝石について知りたいならこちらを読んでみてください。
とにかく写真が美しくきれいな図鑑ですが、各宝石に関する解説も詳細に分かりやすく書かれています。
シルバーラインワーク 銀線を曲げて叩いて、プチ彫金で作るアクセサリー
ジュエリーを作る際の貴金属の加工方法の入門としてはこちらがおすすめです。
ジュエリー作りの際の工具の使い方が写真付きでとても丁寧に解説してあります。
実際に作るデザインをイメージしやすくなるはずです。
ジュエリーコーディネーター検定3級
こちらはジュエリーコーディネーター検定用のテキストです。
ジュエリー初心者にも分かりやすい内容でジュエリーの歴史から販売についてまで幅広く学べます。
まとめ
この記事ではジュエリーデザイナーの仕事内容や向いている人等を詳しく解説しました。
ジュエリーデザイナーはとても精密な作業が必要な上、自分のセンスを試す仕事でもあります。
専門的な職業のため苦労も多いかもしれませんが、ジュエリーが好きな方やデザインに興味がある方はぜひ就職活動の選択肢に入れてみてください。
ジュエリーデザイナーは様々なデザイナーの中の1つの職業です。他のデザイナー職にも関心がある方は以下の記事も参考にしてみましょう。
それでは就職活動頑張ってください。