【IT営業の仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで徹底紹介
はじめに
皆さんはIT営業という職業をご存知ですか?
営業と聞くと「さまざまな人と話をして物を売る仕事」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかしその大体が不動産や商社の営業などを指しており、「IT営業は聞いたことはない」と言う人も多いですよね。
この記事ではIT営業という職業について詳しく解説したいと思います。
仕事内容から平均年収、必要なスキルなどIT営業を目指す上で欠かせない情報をみていきましょう。
IT営業とは
IT営業とは情報システムやWebマーケティング・WebサイトやWebに関すること・ITビジネスに関連する営業活動をする職業です。
IT営業は普段私たちが生活している上であまり目にしない職業ですが、実は企業にとって重要な役割を果たしています。
IT営業は何をする?
IT営業の仕事内容は主に以下の3つに分けられます。
- プレゼン
- IT関連の製品やサービスを販売
- 販売・契約後のアフターフォロー
おおまかな仕事としては皆さんが想像する営業と同じだと思ってよいでしょう。
まず、プレゼンです。
プレゼンとは資料作成をして実際に社内で商品の魅力やメリットなどを提示していきます。
次に、IT関連の製品やサービスを販売です。
例えば不動産でいえば契約を取るために物件を内観させる、商社であれば企業へ足を運び具体的な詳細を伝えていきます。
それらと同じようにIT営業も企業へ向けて自社の製品や依頼された商品を売り込むのです。
最後に、販売・契約後のアフターフォローも業務に含まれます。
販売・契約が終了したからといってもうその企業とは関わらないということはありません。
販売・契約後も引き続き、顧客が困っていることやトラブルはないかなど製品導入後のサポートも行います。
またプログラマーなどの技術関係者とコミュニケーションをとり、案件の管理をするのもIT営業の仕事です。
IT営業のやりがい
IT営業のやりがいは主に以下の3つです。
- 契約を取れたときの達成感
- 顧客の課題を解決へ導けたとき
- 自身の成長が目に見えてわかる
まず、契約を取れた時の達成感がやりがいとして大きなものでしょう。
営業はやはり物を売る仕事です。
契約を取らなければ売り上げにはつながりません。
しかし契約を取るのは簡単なことではないのです。
試行錯誤を重ね自分の力で契約をとれたときの達成感は格別なものとなります。
また、顧客の課題を解決へ導けることもやりがいとなるでしょう。
営業は物を売る仕事ですが、製品導入後も顧客の課題に向き合うのも仕事の1つです。
大切な顧客なので課題が解決できるまでしっかりと向き合います。
中には解決するのに困難な課題もあるため、それらを解決へ導き顧客から感謝されたときにはさらなる成長意欲にもつながるでしょう。
さらには、自身の成長を実感しやすいというのがIT営業という職業です。
IT営業は成果が出れば出るほど年収や責任も大きくなっていく仕事になります。
そのため、自身の成長を目に見えてわかるのもやりがいの1つです。
「頑張ってもなかなか給料や仕事に反映されないのではないか」と思っている方も、IT営業ならば成長を感じやすいでしょう。
IT営業の苦労
やりがいが大きい一方で当然ながら苦労も多いです。IT営業の苦労として以下3つを紹介します。
- 会社の顔
- 製品の移り変わりが早い
- 契約を取るのが難しい
まず、営業は会社の顔ということが苦労として挙げられるでしょう。
企業が求めている製品を開発するのは営業の仕事ではありませんが、実際に販売するのは営業になりやりとりをするのも営業です。
営業が悪い態度や失礼な言葉遣いをすると会社の印象も悪くなってしまうでしょう。
良い行動も悪い行動も全て会社の評価につながっていきます。
さらに、製品の移り変わりが早いということも苦労の1つです。
IT業界は基本的に技術の移り変わりが早く、ツールも次々と開発されています。
今年取得した技術や知識も2年後には古いものと言われることも珍しくはありません。
それらを把握するためには常に勉強することが必要となるでしょう。
最後に、契約を取るのが難しいという苦労が挙げられます。
どんなに素晴らしい製品でも、全ての企業が導入するということはありません。
「先月はたくさんとれたのに今月は全然取れなかった」ということも当然あり得るのです。
多くのIT営業の方が契約が取れなかったと悩まされることがあるため覚悟が必要でしょう。
IT営業の平均年収
IT営業の平均年収は経済産業省によると682万円となっています。
日本で企業に勤めている人の全体の平均年収が459万円です。
それに対してIT営業の682万円は高いといえるでしょう。
大手企業や外資系企業であれば年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
年収を上げるためにスキルを向上させる、管理職に就くなどが挙げられます。
いずれにしても1年で大幅に年収アップというのは難しいでしょう。
まず目の前のことにしっかりと取り組み、それからIT営業のスキルを活かせるような企業へ転職するというのも年収を上げるための1つの手段です。
IT営業の1日の流れ
IT営業の1日の流れは日によって異なることが多いです。
今回は顧客折衝や社内業務が中心である1日を例にとって紹介していきます。
出社前は9時半すぎとなるためゆっくりと起床でき、朝が苦手な方でも起きれるのが魅力的でしょう。
また定時も決まっているため、残業がない限りは退社後に予定を入れることも可能です。
業務に関しては複数の作業を同時に進めて効率よく行う必要があります。
しかし割り込みで新たな作業が入ればすぐに対応しなければなりません。
製品の開発などは営業が収集してきた情報をもとに行っていくのでとても重要な役割にあるでしょう。
また、この中でも給与に影響されるのが営業会議準備です。
ノルマのないところでは特に苦に感じないかもしれませんが、ノルマが課せられているところでは自身の給与が決まる材料でもあります。
現在はツールの充実によりオンライン上で会議を済ませることも珍しくありません。
現在はテレワークと出社の割合が半分になっているようです。
企業によってはフレックスタイム制もあるため働きやすさは充実しているでしょう。
どんな人が向いてる?
IT営業に向いてる人は主に以下の3つです。
- 論理的思考ができる
- 知的好奇心が旺盛
- 人の話を聞くのが好き
詳しく説明しているので自分に合っているか確認してみてください。
論理的思考ができる
ロジックがきちんとしている人、1つ1つの物事に対して説明をきちんとできる人が向いているでしょう。
IT営業は相手の心に訴えかけて製品を販売するというよりも、相手が何を求めているかを判断して提案するタイプです。
そのため相手がどのような製品を求めているのか、どのような製品を提案すればいいのかなど論理的思考で物事を進めていく必要があります。
知的好奇心が旺盛
知的好奇心が旺盛な人ならば自ら積極的に情報収集などを行えるでしょう。
IT営業が属しているIT業界は移り変わりの早い業界です。
そのため、最新の技術も2~3年経てば新しい技術が次々と生まれてきます。
反対に「あまり周りに関して関心がない」という人ならば、移り変わりの早い業界にストレスを感じてしまうかもしれません。
人の話を聞くのが好き
人の話を聞くのが好きということも向いている素質の1つです。
どの分野の営業も基本的には相手の話を聞く必要があります。
話をよく聞くことで顧客への理解も深まり、何か気づきを得ることもあるでしょう。
その結果、顧客との信頼を築くことができ契約に繋がるということもあるかもしれません。
相手の話を苦と感じる人は精神的に辛いでしょうが、人の話を聞くのが好きな人ならば仕事も楽しくできるはずです。
IT営業で求められるスキル・資格・マインド
IT営業で求められるスキル・資格・マインドについて詳しく見てみましょう。
これらを抑えることでIT営業で働くために必要なことがわかると思います。
スキル
IT営業に求められるスキルとして以下の3つが挙げられます。
- 聞く力・提案力
- IT知識
- マネジメント能力
IT営業は要望などを聞いて製品を開発したり提案したりするので、やはり「聞く力」というのは重要です。
また、提案力もあればスムーズに物事が進むでしょう。
前の章でも述べたようにIT知識がないと製品を理解するのは難しいのです。
そのため働きながらIT知識を身につける必要があります。
また、マネジメント能力がしっかり身につけているとチーム全体の動きが円滑になるため重要なスキルとして求められるでしょう。
資格
IT営業に就くために必要な資格はありません。
しかし取得した方が有利になる資格はありますので3つ程紹介していきます。
ITパスポート
ITパスポートはIT業界の基礎知識を全体的に学べるので、IT営業で就職をする場合は取得するとよいでしょう。
国家資格というものの、1日2時間程勉強しておけば1ヶ月ほどで取得可能です。
IT業界の基礎知識を身につけたい方はまずITパスポートの取得をおすすめします。
簿記
簿記を学べばお金の知識や流れ・損益や原価率・経営状況などが判断できるため、営業にも活かすことができます。
営業は経営状況を把握してその後の戦略を立てるのも大事な仕事です。
特に営業リーダーやマネージャーのようなポジションであるほど必須になっていきますので取得を目指しましょう。
MOS
Excel・PowerPoint・WordなどMicrosoft Officeの基礎スキルを証明する資格となります。
MOSとはマイクロソフトオフィススペシャリスト(Microsoft Office Specialist)の頭文字です。
これらのスキルはデスクワークをする上で欠かせないもので、学んでおいて損はないでしょう。
資料を作成する機会が多い場合、基礎知識があればスムーズに作業ができますので取得をおすすめします。
マインド
やはりIT営業の仕事をする上で重要なのがメンタルを安定させることです。
営業は売上の良い月もあれば、悪い月もあります。
売上を思うように出せず気が滅入っていたとしても、それを顔や態度を出していては業務に支障をきたしかねません。
自身を追い込むことも時には大事ですが、追い込みすぎるとかえって逆効果です。
メンタルを安定させるため、瞑想など自身に合った術を知っておくとよいでしょう。
IT営業のキャリア
IT営業のキャリアについて紹介します。
どうしたらIT営業に就けるのか、今後のキャリアパスについて詳しく見てみましょう。
IT営業になるには?
IT営業になるには3つの方法があります。
1つ目はエンジニア出身から転職する方法です。
元エンジニアであればIT業界や製品の知識を吸収しやすいので営業に活かせることもあります。
エンジニアであれば製品開発の知識が豊富ですので提案力にも優れているでしょう。
2つ目は他業界の営業出身から転職することです。
IT業界といえど、ヒアリングをして製品を売るというのは他の営業でも同様でしょう。
そのためIT業界に興味があるという方は営業から挑戦をするという方もいます。
営業に必要なスキルが備わっていればスムーズにIT営業に馴染めるでしょう。
3つ目は未経験から入社です。
大学を卒業した後に辿るルートがこちらになるでしょう。
IT営業になるために必須な資格などはないため、企業に応募して面接に受かれば働くことができるのです。
しかし企業によっては未経験では難しいこともあります。
求人情報を確認して相性が良いかどうか、条件に当てはまっているのかを確認しましょう。
余裕があれば先ほど紹介した資格をとっておくのがおすすめです。
資格はあっても困らないので、時間があればどんどん資格取得に挑戦していきましょう。
IT営業のキャリアパス
- IT関連営業職
- 外資系IT企業に転職
- 管理職
- バックオフィスへと転職
- ITコンサルタントに転職
IT営業はITに関する知識を身につけられるので、IT業界であれば営業以外への転職も可能です。
IT関連営業職はそのまま営業に関する仕事をしたい方にいいでしょう。具体例としてはプリセールスや、パートナー営業や幅広い営業に関する業務を行います。
外資系IT企業ではクラウドやデータベースや製品を取り扱う業務を担うのです。
外資系は英語を用いるので英語力を活かしたい方にいいでしょう。
管理職は現場のまとめ役になります。
責任が大きい仕事ですが年収アップも期待できるので、営業で成果を作って目指すのもおすすめです。
もし「IT営業がきつい」と感じた方はバックオフィスへ転身という手もあります。
IT営業が向いていないと思っていても、そこで得たIT知識はバックオフィス作業にも応用して活かしていけるのがメリットです。
また、営業で経験を積んだらITコンサルタントへ転身するという方もいます。
高い技術や知識が求められるため難しいと感じている方も多いですがその分やりがいはとても感じられる仕事です。
いずれもITの知識を身につけておくと現代社会のさまざまな場面で活かせるので、しっかりとIT営業としての経験を積んでおくといいでしょう。
IT営業の最新動向
IT業界は移り変わりの早い業界です。そんな中でIT営業の仕事はどのような変化があるのか見てみましょう。
需要が高い
IT業界は需要が高いので1度職に就けば働き口にこまることはありません。
またも今後求め続けられる仕事でもあり、あらゆる可能性を秘めているので
新しい技術も速いスピードで生まれていることでIT営業もさらに需要の高いものとなっているので、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
流行や経済の影響などの影響を受けにくい仕事となっています。
働き方が自由
IT営業は比較的働き方が自由です。
自分で仕事の量を決められたり、フレックスタイムを取り入れていたりする会社も多くなっています。
そのため育児や介護で悩んでいる方も働きやすい環境となっているのです。
また、訪問する必要がなければ私服で出社して良い会社もあるのでお洒落好きにも嬉しいでしょう。
人材不足
IT営業は人材不足となっているので働き口が広いです。
その理由は仕事がきついからというのもありますが、やはり業界が急成長しているというのが挙げられるでしょう。
業界が急成長しているため、どんなに人手があっても足りない状況になっているのです。
そのため未経験でも挑戦しやすくなっているのが魅力的でしょう。
IT営業におすすめの本
IT営業をするにあたってこれから紹介する本を読めば仕事、就活がよりスムーズになるでしょう。
まずIT営業をするにはIT業界を知ることが必須です。
是非参考にしてみてください。
IT業界徹底研究 就職ガイド2022年版
こちらは就活生向けに作られたIT業界の基本を紹介する本です。
IT業界の職種や仕事、企業紹介がありますのでIT業界を目指したい方は是非抑えておきましょう。
IT業界を詳しく知ればIT営業の就職活動の際にもスムーズに行動に移せるはずです。
IT用語図鑑 ビジネスで使える厳選キーワード256
IT営業ではIT用語が使われることが日常茶飯事です。
そんなときに用語を知らなくては調べる手間がかかってしまいます。
この本ではIT用語がまとめられていますのでIT営業をする際には是非とも読んでほしい1冊です。
新規開拓のためのIT営業プロセスマネジメント
こちらは「IT営業必読」と呼ばれるほどの本であるため、読んでおくべき1冊でしょう。
営業の売上が伸びない理由やどのような営業をすれば良いのかなどが書いてあります。
ネットで検索するよりもまずはこちらの本を読むことがおすすめです。
まとめ
IT営業という職業について紹介しました。
IT営業は単に営業のノウハウを身につければいいという訳ではなく、幅広いITの知識も必要であるため「難しい」という声があるのも事実です。
しかし給料もよく達成感を感じられる仕事ですのでやりがいも大きいでしょう。
「高い年収を目指したい!」「IT業界で働きたい!」という方は選択肢の1つとして視野に入れてみることをおすすめします。
IT営業が属しているIT業界の将来性については以下の記事で紹介しているので是非チェックしてみてください。