【ゲームクリエイターの仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで紹介
はじめに
皆さんはゲームクリエイターという職種をご存知でしょうか。
ゲームを作る仕事というイメージが強いと思われますがその具体的な仕事内容について理解していない人は少なくありません。
昨今ではスマホやタブレットの普及でゲームアプリの需要がどんどん高まってきています。
そのためゲームを作るゲームクリエイターの需要も高まってきているのです。
本記事ではそんなゲームクリエイターの職種研究を行っていきます。
職種研究を通して自身にゲームクリエイターの仕事があっているのかを見極めましょう。
ゲームクリエイターとは
こちらではゲームクリエイターの仕事内容ややりがい、苦労について紹介していきます。
ゲームクリエイターは何をする?
ゲームクリエイターはテレビゲームやアプリゲームなどのゲームの企画や開発を行う人の総称を指します。
そのためゲームクリエイターといっても更にいくつかの職種に分類されるのです。
1.ゲームプロデューサー
ゲームプロデューサーはゲーム制作における総責任者としてプロジェクト全体を総括します。
プロジェクトの予算やスケジュール、チームの編成までを調整・決定するため責任が大きい仕事です。
またチーム内だけでなく社外の人と関わることも多くあるためゲーム制作に関わる知識や経験だけでなくコミュニケーション能力も必要となります。
2.ゲームディレクター
ゲームディレクターはゲーム制作現場の監督を行う仕事です。
ゲーム制作の進捗やクオリティ、スケジュール管理を行ったり、チームメンバーへの指示出しをしたりします。
ゲーム制作のほとんどが分業制のため制作部門ごとの進行管理能力が大切です。
3.ゲームプランナー
ゲームプランナーはゲーム制作における企画を行う仕事です。
ゲーム企画書を作成してプレゼンを行い、企画が通った場合にそのゲームの仕様書を作成します。
ゲームプランナーは企画力やその企画を根拠に基づいて伝える力が必要です。
4.ゲームデザイナー
ゲームデザイナーはゲームのキャラクターやアイテム、背景といったビジュアル要素のデザインを行う仕事です。
ゲームデザイナーの中にも細かい役割があり2D・3Dデザイナーやモーションデザイナーというようにデザイン部門ごとに分かれます。
ゲームデザインの部門ごとに必要とされる専門知識も異なるため、ゲームデザイナーを目指す場合はどの分野を行うかを明確にする必要があるのです。
5.ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは仕様書をもとにゲームを動かすためのプログラミングを行う仕事です。
中には目に見えるフロントサイド領域や裏側のデータ処理を行うサーバーサイド領域に分けられており、それぞれ求められる専門知識が違います。
また開発だけでなく企画や仕様の検討段階でプログラミングの目線で実現可能かを意見する機会もあるためコミュニケーション能力も必要です。
6.シナリオライター
シナリオライターはゲームのストーリーやキャラクターのセリフなどを作る仕事です。
特にRPGやシュミレーションゲームではシナリオのクオリティがゲーム全体の完成度を決めるといわれます。
そのためシナリオライターには文章力やシナリオ作成のための発想力や柔軟性といったスキルが必要です。
全くの未経験で仕事につくのは難しくシナリオライターを目指す場合はある程度のストーリーの執筆経験やシナリオ作成経験が求められます。
7.サウンドクリエイター
サウンドクリエイターはゲームのテーマ曲や各所で使用されるBGM、効果音などありとあらゆる音を作成する仕事です。
サウンドクリエイターには様々な音楽知識やコンピューターを用いた作曲スキルが求められます。
特に音楽知識が幅広くあれば様々なアレンジが可能であるため、あればあるほど良いです。
ゲームクリエイターのやりがい
自分が制作に携わったゲームが世に出て多くの人にプレイしてもらえる事はとても大きなやりがいの1つです。
自身が携わったゲームが世界中の人にプレイされてそれが人気が出ればその達成感は計り知れないものとなります。
ゲームをしたことがある人の中でゲームによって人生観が変わったという人は少なくありません。
自分の携わった作品で人に勇気や挑戦へのきっかけなどを与えたとなればそれはとてもうれしいことでしょう。
またゲーム開発は基本的にチームで行うため、チームで1つの作品を作り世に送り出せることへの喜びも得られます。
規模が大きければ大きいほど喜びも大きく、作品が売れれば仲間と喜びを共有できることも今後の制作意欲向上につながるのです。
また制作部門によっては実績をつけていくことでファンができる場合もあります。
人気ゲームのプロデューサーやサウンドクリエイター、シナリオライターの中には国内外に多くのファンを持つ人も複数いるのです。
ゲームクリエイターの苦労
ゲームクリエイターの苦労は以下の通りです。
- 残業が多く激務になる場合がある
- 必ず評価されるわけではない
こちらでは上記のゲームクリエイターの苦労を紹介していきます。
1.残業が多く激務になる場合がある
ゲーム業界は他業界と比べて残業が多いとされています。
働き方改革で残業時間の上限があるとはいえ、開発スケジュールの間にしなくてはいけない作業はとても多いです。
また開発においてバグを発見するなどの想定外の事象が起きた場合でも納期が変わるわけではないので柔軟でスピーディーな対応を常に求められます。
チームでの制作とは言え人的コストにも上限があり、かつゲームという膨大なボリュームの制作を行うため1人当たりの負担は大きいです。
2.必ず評価されるわけではない
制作されたゲームが必ずしも評価されるとは限りません。
納期に間に合わせるためにバグを探すデバッグ作業を怠ってバグだらけのゲームを出したことで酷評されたゲームはこれまでも多く見受けられます。
制作での苦労に対して世間からの評価が割に合わない場合も多くあるのです。
ゲームクリエイターの平均収入
ゲームクリエイターの平均年収は約524万円です。
平均年収は他業種と比較しても高く、ゲーム制作や開発に関わる職種の総称のため各分類によっても平均年収があります。
上図に表示している通りゲームプロデューサーやゲームディレクターの平均収入が高く、その他の職種が横ばいになっている状態です。
ゲームクリエイター1日の流れ
こちらではゲームクリエイターの1日のスケジュールについて紹介していきます。
企画職の1日のスケジュール
企画職のゲームクリエイターは主に始業後と終業前にミーティングを行い、それ以外でゲームの仕様書作成や企画書作成を行います。
開発段階によってはゲームの調整作業やデバッグ作業を行うこともあるのです。
企画職は情報収集の時間も重要であるため業務終了後も情報収集を行う場合があります。
開発職の1日のスケジュール
開発職の場合ほぼ1日中開発作業を行っていることが多いです。
ゲームプランナーからの仕様書をもとに開発を行っていきます。
開発段階が進むと1日のほとんどをデバッグ・テスト作業や発見されたバグを修正するなどの作業に費やすことになるでしょう。
スマホアプリの場合、イベント開催などでその都度開発を行う頻度も高いため時に開発作業とテスト作業を両立することもあります。
残業が多いイメージのゲームクリエイターですが、開発段階によっては定時で帰ることができるのです。
また開発職の場合、家に仕事を持ち帰れないケースがあるため終業後はプライベートな時間もとれるでしょう。
どんな人が向いてる?
こちらではゲームクリエイターに向いている人の特徴について紹介していきます。
自分に当てはまるものを見つけてその特徴を伸ばしていきましょう。
クリエイティブな思考力がある
クリエイティブな思考力はゲームクリエイターにとって特に大切な力です。
ゲームは基本的にオリジナリティのあるもので、シリーズものを除けば0から1を作ります。
そのため日ごろから多くの情報を敏感に察知してそれらを活用してゲームを制作する必要があるのです。
ゲームクリエイターを目指す場合は普段から創作活動を行うなどクリエイティブな思考力を高めていきましょう。
計画に従って物事を確実に進める
ゲームクリエイターは制作スケジュールをもとに進捗を確認しながら進めるため計画に従って物事を確実に進めることは重要です。
特にゲームの制作はユーザーへの制作発表を行うため、ある程度のリリース時期を告知されます。
そのためリリースに間に合うように1つ1つのタスクを進める必要があるのです。
問題を見つけ出す
ゲームクリエイターには問題を見つけ出す力が求められます。
ゲーム制作において重要なのがバグをなくすことです。
特にゲームのシステムバランスが崩れたり見た目が損なわれたりするバグがリリース後に残るとどんなに良い企画のゲームでも酷評されてしまいます。
ゲームクリエイターで求められるスキル・資格・マインド
職種研究を行ううえで、その職種に求められるスキルや資格、マインドについて理解することはとても大切です。
すでに自分に携わっているか確認したり、これから身につける指針を立てたりしていきましょう。
こちらではゲームクリエイターに求められるスキルや資格、マインドについて紹介していきます。
スキル
こちらではゲームクリエイターに求められるスキルについて紹介していきます。
1.市場ニーズの分析力
ゲーム制作において市場ニーズの分析力を駆使してそれらを制作に取り込むことは重要です。
市場のニーズに基づかないゲームを制作しても売れるかどうかは分かりません。
少しでもゲームの売れ行きを伸ばすために市場の動向を読み取ることが必要です。
こちらのスキルは主にゲームプロデューサーやゲームディレクター、ゲームプランナー、シナリオライターに求められます。
2.プレゼンスキル
作成したゲーム企画をプレゼンする力はとても重要です。
どれだけ素晴らしい企画を立ててもプレゼンが上手くいかないと企画を実行できません。
そのため企画の内容や展望をしっかりと伝えるプレゼンスキルが必要です。
こちらのスキルは主にゲームプロデューサーやゲームプランナーに求められます。
3.コミュニケーション能力
ゲームクリエイター含む多くの職種でコミュニケーション能力はとても重要なスキルです。
特にゲームクリエイターには様々な職種があり、その中から制作チームを作ってゲームを制作していきます。
そのため職種間でのコミュニケーションは必須で、怠るとゲームにバグや認識のズレが出て企画通りのゲームが制作できないのです。
コミュニケーション能力はゲームクリエイターの各職種で求められます。
4.各制作スキル
ゲームクリエイターにはゲームを実際に開発、制作するスキルが必要です。
開発や制作には特別なプログラミング言語や専用のソフトを利用する必要があります。
そのため制作スキルが足りないとまず満足のいくものは作れないのです。
プログラマーならばプログラミングするスキル、ゲームデザイナーならば2D/3Dデザインスキル、サウンドクリエイターには作曲スキルなどが求められます。
資格
ゲームクリエイターを目指すうえで必須の資格はありませんが、あると便利な資格はあります。
ゲームクリエイターの多くが企業に所属しているため会社内での研修でゲーム制作の知識や技能について学ぶことができるのです。
そのため企業で働く場合に資格は必須ではないですが、フリーランスでゲームクリエイターを志す場合は資格があると目に見える実績となります。
ゲームクリエイターになるうえであると便利な資格は以下の通りです。
- Photoshop®︎クリエイター能力認定試験
- CGクリエイター検定
- マルチメディア検定
- C言語プログラミング能力認定試験
以上の資格の他にも制作系の資格として他プログラミング言語の資格も取っておくとよいでしょう。
マインド
こちらではゲームクリエイターになるうえで必要なマインドについて紹介していきます。
1.好奇心があること
ゲームクリエイターに必要なマインドの1つは好奇心があることです。
ゲーム制作の企画段階では様々なアイデア出しが行われます。
アイデアは身の回りの様々なところに隠れており、好奇心がそれらの発見を助けてくれるのです。
ゲームクリエイターとして働く場合は好奇心を高く持ち、身近なものに対するアンテナを広げましょう。
2.ユーザー目線に立つこと
もう1つのゲームクリエイターに必要なマインドはユーザー目線に立てることです。
ユーザーがどんなゲームを求めているのかやゲームのシステムが使いやすく親しみやすいかなどをユーザー目線で考えることが必要になります。
そのためゲームクリエイターとして働く場合、常にユーザー目線を忘れずにゲーム制作、開発を行う必要があるのです。
ゲームクリエイターのキャリア
いざゲームクリエイターを志してもどうしたらゲームクリエイターになれるのか分からない人も少なくありません。
またゲームクリエイターになった後どんなキャリアパスがあるのか理解することも重要です。
こちらではゲームクリエイターのなり方やキャリアパスについて紹介していきます。
ゲームクリエイターになるには
ゲームクリエイターには主に以下の3つのなり方があります。
1.専門学校、大学でゲーム制作を学んで就職する
専門学校や大学でゲーム制作を学んで就職することは特に人気なゲームクリエイターのなり方の1つです。
学校ではゲーム制作の知識やノウハウを満遍なく学ぶことができます。
そのため就職してから即戦力として働くことができるのです。
ゲーム専門の学校となれば就職の際に学校推薦での就職ができる可能性もあります。
2.独学でゲーム制作を学んで就職する
独学で学んで就職することもなり方の1つです。
最近では様々なプログラミング言語の参考書が出ているため好きな言語を学ぶことができます。
独学で学ぶ場合、実績などがないので実際に個人でゲームを作ったり資格を取ったりして実績をつけて就職するのが望ましいです。
3.全くの未経験から就職する
就職前にある程度知識は身に着けたほうが良いですがゲームクリエイターの職種によっては未経験でも採用される場合があります。
全くの未経験でもデバッガーとしてバイトを行いその流れで就職するパターンもあるのです。
また会社内で研修制度が充実している場合が多いので未経験からでも活躍ができます。
ただ基本的なゲーム制作知識などはネット上で調べればいくらでもわかるのでゲームクリエイターを目指す場合は基本的な知識はおさえておきましょう。
ゲームクリエイターのキャリアパス
次にゲームクリエイターになるとどのようなキャリアパスを経ていくのか紹介していきます。
ゲームプランナーやプログラマーなどの制作専門職で経験を積み、ゲームディレクター、ゲームプロデューサーとキャリアアップしていくのです。
プロジェクトや実績次第ではゲームプロデューサーになった際に年収が800万円前後になる場合もあります。
そのためゲーム業界で成功したい方はプロデューサーを目指すことがおすすめです。
ゲームクリエイターの最新動向
職種研究を行ううえでその職の最新の動向について理解しておくことはとても大切です。
現状ゲームクリエイターには以下の2つの動きがあります。
- コロナ禍の影響で家庭用ゲーム機の需要の増加
- VR技術の向上
コロナ禍の影響で家庭用ゲーム機の需要の増加
コロナ禍の影響で家庭用ゲーム機やスマホゲームの需要が高まり始めました。
これまでゲームをしてこなかった人もゲームを始めたのです。
ゲームのハードを持っている人が増えたことでゲーム業界全体で大きなゲーム制作の波が来ています。
今後もゲーム制作需要が高まり将来性のある職種といえるでしょう。
VR技術の向上
VR技術の向上でVRに特化したゲームクリエイターの需要も高まっています。
現在も発展途上であるため可能性が多くある分野です。
そのためVRに特化したゲームクリエイターの求人も今後増えていくことが予測されます。
特にゲームデザイナーで3Dモデリングができ、CG技術も持っているとVRゲーム業界でも活躍することが可能でしょう。
ゲームクリエイターにおすすめの本
最後にゲームクリエイターを目指すうえでおすすめの本について紹介していきます。
ゲームプランナー入門 アイデア・企画書・仕様書の技術から就職まで
この本はゲームプランナーとしての基本的な考え方や技術について解説している1冊です。
アイデアを考える方法や企画の立て方などはゲームプランナーだけでなく多くのビジネスシーンでも役立ちます。
ゲームプランナーの入門書としておすすめです。
Pythonでつくる ゲーム開発 入門講座
この本はPythonを用いたゲーム開発のノウハウを様々なゲーム形式の題材を通して解説している1冊です。
Pythonは昨今になって人気が出てきたプログラミング言語でスマホアプリにも多く採用されています。
そのためスマホゲームが人気になってきている現代においておすすめのプログラミング学習本です。
Unityの教科書 Unity 2021完全対応版 2D&3Dスマートフォンゲーム入門講座
この本ではゲーム制作でも人気のUnityでのゲーム制作方法を解説しています。
この1冊で2D・3Dゲームの制作の基礎が学べ、かつ実践形式でサンプルゲームを作成しながら学ぶことができるのです。
そのためゲームプログラミング初心者におすすめの1冊となっています。
まとめ
本記事ではゲームクリエイターの職種研究を行ってきました。
昨今ではコロナ禍の影響で多くの人がゲームをするようになったり、スマホの普及でスマホゲームの人気が上がったりとゲーム業界は注目されています。
特に技術の進歩で様々なハードでゲームができるようになったことによりそれだけゲームクリエイターの需要も高まっているのです。
今後も進歩し続けるゲーム業界で働くゲームクリエイターはやりがいも十分あるでしょう。
ゲームクリエイターは主にソフトウェア業界に分類されています。
職種研究を通してソフトウェア業界がどんな業界なのか、自分はあっているのか確認したい方はこちらの記事もおすすめです。
本記事を通して職種研究を行っている皆さんにすばらしい仕事との出会いがあることを祈っています。