【教育業界:図解で3分解説】どんな仕事をやる?向いている学生や今後の動向、企業ランキングも紹介
はじめに
業界研究を行う学生の多くが学習塾や予備校といった教育業界のサービスを受けた経験があることでしょう。
そこで自分に教えてくれた学校や塾の先生に憧れて教育業界に興味を持つ人も少なくありません。
ただ一概に教育といっても世の中には多くの教育現場があり、教育業界といっても様々な仕事があります。
そこで本記事では教育業界の基礎知識や今後の動向、詳しい仕事内容から向いている学生まで紹介していきます。
「人の成長に深く携われる教育業界で就職したいけど具体的にどのような仕事があるのだろう?」と教育業界に関心がある人はぜひ参考にしてください。
業界研究をする前に
教育業界の業界研究に入る前に、業界研究の目的を理解することが重要です。
目的意識もなく漠然と業界研究を行った結果、入社後にイメージが違ったり自分とは合わなかったりして後悔する危険性があります。
業界研究の目的は、その業界が自分に合うかを見極め、入社後のミスマッチを防ぐことです。
そのためこの記事を読んで教育業界の業界研究を行う場合は、「自分に合う業界・仕事内容」かを意識して読むことで質の高い業界研究を可能にします。
しかし、業界研究を初めてする人にとって読んでもわからないという人は少なくないでしょう。
その場合はこちらの業界研究のやり方についてまとめた記事を読んでから本記事を読むことをおすすめします。
教育業界とは
業界研究において業界の全体像を把握することはとても重要です。
こちらではそんな教育業界の全体像を把握するためにその概要、基礎知識、売上高ランキングを通して紹介していきます。
教育業界の概要
教育業界のサービスには就学期の子供向けサービスと社会人向けのサービスで分けられます。
さらに業種別で細分化すると教育業界の主な業種は以下の通りです。
1.学習塾
学習塾は学外で授業の補足や受験対策の指導を行う私的な教育施設のことです。
教育業界の中でもなじみ深い業種として本記事を読む皆様の記憶にも新しいかと思います。
学習塾として明光義塾やトライなどが有名です。
そんな学習塾には様々な分類があり、学校教育の補足を行う補習塾や進学対策で指導を行う進学塾とあります。
また集団で授業を行う塾や個別指導で授業を行う塾などがあるため子供の個性や学習に対する目標に合わせて選択できるのです。
2.通信教育
通信教育は対面で指導を行う学習塾とは違い、定期的に自宅に届く教材やそれらの添削指導などを通して教育を行うサービスです。
通信教育のターゲット層は広く幼児から大人までとされており、子供向けのベネッセや、資格勉強に強いユーキャンなどが通信教育サービスを行っています。
3.予備校
予備校は高校生や浪人生、大人になってから大学を目指す人向けに大学受験に向けた教育指導を行う教育サービスです。
授業形式としては集団での授業が多いですが最近ではインターネットや映像授業などの授業スタイルも普及しています。
例えば河合塾や駿台予備校は全国的展開しているため利用した経験がある人も少なくありません。
4.資格取得支援
資格取得支援は社会人や大学生向けに資格取得のために教材を作成したり、講座を開催したりする教育サービスです。
資格取得支援サービスとしては資格の大原やTACなどが資格取得支援サービスの大手として有名です。
昨今のコロナ禍の影響で資格取得人気が再燃しているため需要のある教育サービスだといえます。
5.英会話・語学学校
英会話・語学学校は教育業界でも人気が高く、児童対象とした教室から学生や社会人を対象にした教室などがあります。
教える側として働きたい場合は確かな英語力が求められるため留学の経験やTOEICや英検取得を行い実績を身に着ける必要があるでしょう。
ECC外語学院などは小学生から社会人にまで幅広い世代にサービスを届けているため、対象の世代によって講師に求められる英語力も変わってきます。
6.人材サービス
人材サービスは企業向けの社員研修を行ったり、人材派遣をしたりする業種です。
教育業界においては社員研修として社員教育のための人材を企業が派遣してもらうことなどが該当します。
日本の人材サービスとしてはリクルートマネジメントソリューションズやヒューマンホールディングスなどが有名です。
教育業界の基礎知識
こちらでは教育業界の基礎知識として教育業界の収益モデルについて紹介します。
教育業界は上図の通り教育を受けたい個人・法人に教育サービスを提供してその利用料をもらうことで収益を得ています。
教育サービスは基本的に月謝形式のものが多いため、顧客に継続的に利用をしてもらうことが重要です。
そのため顧客が継続して教育サービスを受けてもらえるように、結果を出しやすい指導方法や、教材の開発が行われています。
教育業界の売上高ランキング
教育業界の売上高ランキングは上図の通りです。
ランキングを見てみるとベネッセHDが教育業界においても圧倒的に多くの売上高をほこります。
ベネッセHDは他教育業界の会社に比べて子会社が多く事業規模も広いです。
また海外教育事業も手掛けているため会社としてもグローバル化しつつあります。
また場所に制限の少ない通信教育事業が主となっていることも大きい要因の一つです。
教育業界の現状と今後の動向
業界研究においてその業界が現状どのような課題を抱えていて将来的にどうなっていくのかを理解することはとても重要です。
特に教育業界は昨今の情勢から鑑みても多くの課題があるとされています。
こちらでは教育業界の現状と今後の動向についてみていきましょう。
現状
こちらでは教育業界の現状や課題についてみていきます。
1.少子化問題
教育業界の多くは子供向けサービスを主に行っています。
そのため昨今の少子化問題は教育業界に大きな影響を与えているのです。
2014年には予備校大手とされる代々木ゼミナールの校舎が7割閉鎖されたというニュースもあり規模に関わらず少子化の影響を受けていることがわかります。
しかし子供の人数が減ることがイコール業界規模が減少する分けではなく上図をみると少子化に対して業界規模は上昇傾向にあることがわかります。
2.大学入試制度の変化
2021年の1月から従来のセンター試験が廃止されて「大学入学共通テスト」として実施されました。
主な変更点として出題傾向で「思考力・判断力・表現力」を重視するようになったことです。
例えば英語ではこれまで筆記200、リスニング50の計250点満点だったのですが今回の変更で筆記100、リスニング100の計200点満点になりました。
また大学入試だけでなく昨今では中学、高校入試においても思考力を重視した記述問題が多くなるとされています。
これまでの形式から大きく変更されたため教育業界ではそれに対する指導方法の対策を練る必要性が生まれました。
3.教育サービスのデジタル化
現状教育業界はデジタル化の流れを受けて教育サービス全体の変換点にあるといわれています。
例えば小学校などの公教育機関でタブレット端末が導入されたり、情報技術を用いた学習のe-ラーニングが企業の研修で採用されるなどです。
現状、学習支援のスマホアプリ(スタディサプリなど)や、学習塾や予備校の講師が講義を行う映像を生徒に配信するサービス等がすでに始まっています。
4.コロナ禍
コロナ禍の影響は教育業界に大きな影響を与えているとされます。
特にこれまで対面形式で個別授業、集団授業を行ってきた学習塾や予備校は大きな影響を受けました。
コロナ禍の影響で退会者が増えて、新年度の入会者が減少したのです。
既に授業料が支払われている場合も多いため、休校していた教育施設の多くが対応に追われました。
今後の動向
こちらでは上記で紹介した現状を踏まえて教育業界は今後どのような動きを見せると考えられるかを紹介します。
1.学校教育市場の再編
2020年度の学習指導要領の改訂で、小学校での外国語学習やプログラミングの必修化にともないそれに合わせた教育サービスが企画、提供されていくとされます。
特にプログラミング学習はこれまで子供向けの学習塾では多くありませんでした。
そのため今後多くの子供向けのプログラミングスクールが作られたり、学習塾のカリキュラムに追加されるでしょう。
そのため教育業界を志望する場合は、簡単なものからでも良いのでプログラミングについて勉強しておくことをおすすめします。
2.教育サービスのさらなるIT化
IT化に加えてコロナ禍の影響が重なったことでより教育サービスのIT化が進むとされます。
既に多くの学校ではオンライン授業が始まっており、どんどん学習にIT技術が浸透していってます。
どこででも学習ができる環境が整いつつあるといえるでしょう。
しかしその分生徒との関わりが希薄になっていくためその対策が必要になっていくとされます。
教育業界の仕事内容
こちらでは教育業界の主な業種について紹介していきます。
1.講師
講師は生徒に対して科目別に学習指導を行ったり、社会人を対象にした講演を行ったりします。
講師は教える内容によって求められる資格や経験が様々です。
英会話教室や語学学校などで講師になる際にはTOEICや英検だけでなく留学経験等が必要の場合があります。
また社会人向けにセミナーや研修を行う場合は教える内容に対する資格や認定講師の資格が必要です。
どちらも確かな実力と目に見える実績がないと講師になることは難しいとされます。
2.教材の企画・開発
教材の企画・開発では授業で使われるテキスト、テストや通信教育教材の企画、開発を行います。
また昨今のIT化でITコンテンツで教材を企画・開発する企業が増えたのです。
特にコロナ禍の影響でオンライン授業が多くせざる負えない状況でよりITコンテンツを用いた教材開発需要が高まっています。
3.営業
営業では多くの生徒を集めるために自社の教育サービスの宣伝を行います。
営業には個人向け、法人向けの営業があり個人向けの主な営業方法としては訪問やDMによる直接的な勧誘です。
皆様のお宅にも一度はDMとしてきたことがあるのではないでしょうか?
教育業界は少子化の問題もあり生徒の絶対数が少なくなっている中いかにして自社の教育サービスを提供できるかが収益獲得には重要になってきます。
4.事務
事務では学習塾の運営や経理などの事務作業が行われます。
学習塾の塾長といった管理者としての主な業務が事務業務となり、講師の管理、イベント運営、保護者対応などと教育サービス運営における重要な業務です。
規模の小さい学習塾などでは講師がこの事務業務も担う場合があります。
教育業界に向いている学生
業界研究を行う上で自分がその業界に向いているのかを考えることは重要です。
こちらでは教育業界に向いている学生の特徴について紹介してきます。
①人の成長を応援する
人の成長を応援することが出来ることは教育業界のどの業種によっても重要な特徴です。
教育業界では教育サービスを通して人の成長を促します。
そのため教育業界の多くの業種では生徒がより成長するためにはどうしたら効果的かを考えることが重要です。
しかし人の成長を応援できないと成長を促すための教材のアイデアや学習指導における工夫が難しくなります。
そのため教育業界に入る場合は人の成長を応援できる、喜べることは向いている学生の特徴といえるでしょう。
②伝える力がある
教育業界では様々な伝える力が必要とされる場面があります。
講師の場合は実際に生徒に教える際に伝える力がないと生徒に正しい知識を届けることが出来ないです。
教材の企画・開発では作成される教材の内容を通して伝えるための工夫が必要になります。
教育内容をしっかりと伝えるための技能や工夫が出来ることは重要な力といえるでしょう。
③誠実で信頼される
誠実で信頼されることはどの業界でも重要とされる特徴ですが、教育業界は特に重要といえます。
教育業界の主な顧客は子供で料金を支払うのはその保護者です。
保護者の立場としても自分の子供の教育のために誠実で信頼される人、企業の教育サービスを利用したいと考える人は少なくありません。
普段から誠実で信頼される行動をとれることは教育業界で働く際には大きく役に立つことでしょう。
④リサーチが上手い
教育業界は昨今の少子化やコロナ禍の影響で求められる教育サービスの需要が変化しているのです。
そのため今どのような教育サービスが求められているのかをリサーチする力は今後教育業界で活きていくには大切な力といえます。
教材開発において特に活躍できる特徴で、教材を利用する世代に関心を持たれやすいデザインや仕組みを作成するうえで大切です。
まとめ
本記事では教育業界について紹介してきました。
今の教育業界は少子化やIT技術の発展、コロナ禍の影響で大きな変革の時期を迎えているとされます。
特に昨今はデジタル化によって場所を選ばずに学習ができる環境が整いつつあり、教育業界もそれに合わせたサービスを提供し始めているのです。
これからの教育業界で生き残っていくにはこの時代の流れに柔軟に対応を行い、自分自身も成長し続けることが重要になっていくことでしょう。
本サイトでは教育業界以外の業界研究をしてみたいという方向けに様々な業界研究に役立つ記事をご紹介しています。
業界研究を経てこの記事を見てくださった皆様が自分に合った仕事に出会えることを願っております。