【データサイエンティストの仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れとやりがい、平均年収まで紹介
はじめに
皆さんはデータサイエンティストという職種をご存知でしょうか。
デジタル化によって多くの企業が様々なデータを抱える現代においてデータをいかに扱うのかがとても重要になってきます。
そんな企業が持つ膨大なデータの管理やデータを分析して業務サポートを行うのがデータサイエンティストです。
データサイエンティストは企業によってはとても重要な役割を果たすことがあります。
そのためこの情報社会においてデータサイエンティストの需要も高まっているのです。
本記事ではそんなデータサイエンティストの職種研究を行っていきます。
職種研究を通してデータサイエンティストが自身に合っているのか見極めましょう。
データサイエンティストとは
昨今様々な業種でIT化がなされたことでデジタルデータが圧倒的に増えました。
そんな中で増え続けているデジタルデータを会社の運営やサービスに対して有効活用する需要が高まったのです。
今ではデータを基に会社のサービスや商品の指針を決定している会社も少なくありません。
ネット上や会社の膨大なデータを収集、蓄積して分析することで会社の運営のサポートを行うのがデータサイエンティストです。
こちらではデータサイエンティストの具体的な仕事内容ややりがい、苦労、平均年収について紹介していきます。
データサイエンティストは何をする?
データサイエンティストは企業などの膨大なデータ群であるビッグデータから必要な情報を抜き出し、分析して顧客のビジネスに活用する職種です。
データサイエンティストの主な仕事の流れは上図のようになります。
1.課題の洗い出し
課題の洗い出しは、所属企業や顧客企業のビジネス上の課題を設定する作業です。
こちらでは課題や達成目標を明確にしてその中で優先順位を付けます。
作業目標を明確にする作業のため重要な工程です。
2.データの収集
課題や達成目標を決定したら、課題解決に必要なデータの収集やデータを保管する環境の整備を行う作業です。
データ保管環境の整備や収集システムの設計を行うこともあるためプログラミング知識を求められます。
3.データの整理
データの収集が出来れば次はデータの整理を行う作業です。
こちらでは主にデータ収集で集まったデータの中から不適切なものや不要なものを取り除いたり空欄を別の値で埋めたりします。
この作業でデータ分析の精度が大きく変わる場合があるため重要です。
4.データの分析
データの整理の次は分析によって洗い出した課題につながる情報を探していく作業です。
ビジネス課題やデータによって分析手法を選んで分析を行います。
例えばデータ分析ソフトウェアを用いた因子分析や主成分分析、AIを用いたデータ分析などです。
昨今では多くの分析手法があるためデータサイエンティストとして多くの方法を知っておくことは選択肢が増えるため重要となります。
5.レポートの作成・提言
データ分析でビジネス課題解決に必要な情報が得られたらそのレポートを作成して報告を行う作業です。
レポートでは分析結果から考えられる課題解決のための対策などについて見やすく記載する必要があります。
データサイエンティストのやりがい
データサイエンティストは企業の中でも重要な役割を担う仕事で自身のデータ分析の結果で企業を動かす重要な役目が果たせることは大きなやりがいです。
またデータサイエンティストが取り組む課題の多くを、これまで解決が難しかったものが占めています。
そんな難しい課題をデータ分析や自身の持つ知識を駆使して解決できた時も大きな達成感を得ることが出来るのです。
またデータサイエンティスト自体が新しい職業であるためこの職種の価値を自分で創造することができ、かつ注目度も高いためやりがいにつながります。
データサイエンティストの苦労
データサイエンティストは地味な作業や勉強しなくてはいけないことがとても多いことが苦労のポイントです。
分析作業では、分析環境の構築を含めてこつこつとデスクワークをする必要があり根気のいる作業となります。
学ぶことも多く統計学をはじめとしてマーケティングやプログラミングなどの専門的な知識を多く身につけ、それらを活用する必要があるのです。
上記の苦労はありますがそれを乗り越えることでデータサイエンティストとして大きく成長することが出来ます。
データサイエンティストの平均年収
データサイエンティストの平均年収は約697万円です。
行う業務の重要性や専門性の高さから他の職種よりも平均年収が高く設定されています。
平均年収が高い分、データサイエンティストになるためのハードルも高いですがその分やりがいや身につく実績がとても大きいです。
データサイエンティストの年収幅のうち高い人は1,200万円程貰える人もいます。
データサイエンティスト1日の流れ
データサイエンティストは1日のうちほとんどをミーティングとデータ分析作業に費やします。
データ分析業務で行われる作業は主にデータの収集、整理、分析です。
また必要な場合はデータ分析ツールのプログラミングも行われます。
資料作成の時間もあり進捗によっては資料作成に時間をかける場合も多いです。
終業時間が定まっている場合が多く、夜勤やフレックスタイム制などは基本的にないため自分の時間をしっかりと確保できます。
どんな人が向いてる?
こちらではデータサイエンティストに向いている人の特徴について紹介していきます。
当てはまるものの確認やこれから伸ばしていくための参考にしてみてください。
情報分析が得意
データサイエンティストに特に求められるのは情報分析が得意なことです。
データサイエンティストの仕事は膨大なデータの中で必要な情報を見つけ出して分析しビジネス課題への提言を行います。
そのため情報分析が得意なことはデータサイエンティストとして大きなアドバンテージとなるでしょう。
情報分析が苦手かもという人は是非統計学について勉強して苦手を克服してみてください。
論理的な判断ができる
論理的な判断ができることも求められることの1つです。
データサイエンティストは膨大なデータから分析を行い、その分析を根拠としてビジネス課題への対策を見つけなくてはいけません。
ビジネス課題の多くはその企業にとってとても大きな問題である場合が多いです。
そのためデータサイエンティストは抽象的な提言を行ってはいけません。
与えられたデータを基に論理的に判断する機会がとても多いため論理的な判断ができることはデータサイエンティストに向いている特徴といえるでしょう。
問題を見つけ出すことが得意
問題を見つけ出すことが得意ということもデータサイエンティストに向いている素質の1つです。
データサイエンティストの仕事はビジネス課題などを発見することから始まります。
自社のサービスや顧客がどんなビジネス課題を抱えているのかもこれまでのデータを基に導き出すのです。
そのため問題を見つけ出すことが得意な人はデータサイエンティストとして重宝されるでしょう。
データサイエンティストで求められるスキル・資格・マインド
こちらではデータサイエンティストに求められるスキルや資格、マインドについて紹介していきます。
スキル
データサイエンティストに求められるスキルは以下の通りです。
- データサイエンススキル
- ITスキル
- ビジネススキル
データサイエンススキル
データサイエンススキルは情報処理や人工知能、統計学といった情報科学に関する知識や技術です。
扱うデータの量は企業によっても差はありますがとても膨大な量となっており、それらをしっかりとまとめ上げるスキルが必要になります。
ITスキル
データを分析するための機能を実装するプログラミング技術などといったITスキルも重要です。
膨大な量のデータは基本的にツールを用いて分析を行います。
ただ既存のツールが常にあるわけではなく状況やビジネス課題によって1からその機能を作り出す必要が出てくるのです。
ビジネススキル
ビジネススキルはビジネス課題の整理把握を行い解決へと導くための重要なスキルです。
社内の課題や分析したデータについてビジネス的観点から解決の糸口を探していきます。
そのため統計やプログラミングなどの専門的な技術や知識だけでなくビジネスへどうしたら活用できるかの考え方が重要です。
会社にとっても求められるビジネススキルは変わってくるため、まず自社企業や顧客の企業について理解を深める必要があります。
資格
データサイエンティストに求められる資格は以下の通りです。
- データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル(DS検定)
- 統計検定®
- オラクルマスター
データサイエンティスト検定では上記で紹介した求められるスキル3項目についての実力の証明ができます。
データサイエンティスト協会が定める資格のためデータサイエンティストを目指す場合はとっておいて損はありません。
実務能力と知識に関する問題が多いためキャリアアップのために受けることもおすすめです。
統計検定はデータサイエンティストに必須の統計学に関する資格となります。
4級から1級まで5種類のレベルがあり、取得することで自身の実力の証明やさらなる知識を得ることが出来るのです。
オラクルマスターはデータベースの構築運用や管理、SQLを用いたデータ抽出に関する知識の証明ができる資格となります。
データサイエンティストはデータの収集に関わるツールの管理や構築も行わなくてはいけません。
そのためオラクルマスターを取得することでデータ管理や構築に関する知識を得られるだけでなく実績としても大きく評価されやすいです。
マインド
データサイエンティストを行う上で必要なマインドは以下の通りです。
- 勉強し続ける意欲があること
- 粘り強く継続できること
1.勉強し続ける意欲があること
勉強し続ける意欲があることはデータサイエンティストに重要なマインドの1つです。
データサイエンティストは昨今注目され始めた職種のため発展途上の部分が多くあります。
またデータサイエンティストは所属する企業や顧客のビジネス課題を見つけるため常にその動きを考える必要があるのです。
そのためデータサイエンティストは勉強する機会がとても多く、常に向上心をもち勉強し続ける意欲を持つことが重要になります。
2.粘り強く継続できること
粘り強く継続できることもデータサイエンティストに必要なマインドです。
データサイエンティストの作業のほとんどがデータを収集、分析してビジネス課題に対する糸口を探す作業となります。
ビジネス課題解決の糸口を発見するまでデータ収集を続ける場合もあるため粘り強く継続できることが重要なのです。
データサイエンティストのキャリア
こちらではデータサイエンティストになる方法やデータサイエンティストのキャリアパスについて紹介していきます。
データサイエンティストになるには?
データサイエンティストの代表的ななり方は以下の通りです。
- 大学、大学院でデータサイエンスを学び就職
- エンジニアを経て転職
- コンサルやマーケターを経て転職
1.大学、大学院でデータサイエンスを学び就職
大学や大学院でデータサイエンスを学んでから就職することはデータサイエンティストのなり方の1つです。
主に統計学やデータ分析の方法について学びます。
また在学中にデータサイエンス関連の資格の取得支援を行っている場合もあるため、専門の学部・学校に通うことがオススメです。
関連しない学校に在籍している場合でもデータサイエンティスト養成講座などに参加して資格を取ることで新卒として働きやすくなります。
2.エンジニアを経て転職
エンジニアを経て転職する方法もあります。
データサイエンティストは膨大な量のデータを扱う場合にツールを利用したり構築をしたりするのです。
特にPythonやSQLを用いた開発経験がある場合は転職する際の大きな強みになります。
転職する際には統計学の基礎やマーケティングといったビジネススキル、データサイエンススキルも勉強することがおすすめです。
3.コンサルやマーケターを経て転職
コンサルやマーケターを経て転職する方法もあります。
コンサルやマーケターとして得たビジネス課題に対する見方や知見はデータサイエンティストの仕事に応用しやすいです。
日常的にビジネス課題の洗い出しをしている仕事のためビジネススキルは申し分ないといえます。
転職する際にはPythonやSQLといったデータ分析に利用されやすいプログラミング言語について勉強しておくとよいでしょう。
データサイエンティストのキャリアパス
- グロースハッカー
- ITコンサルタント
- プロジェクトマネージャー
グロースハッカーは最近になって提唱された職業の1つで企業や商品、サービスをIT技術などを駆使して成長させる仕事です。
データサイエンティストとして企業や顧客のビジネス課題を洗い出し、解決方法の提言を行ってきた経験をより活かすことが出来ます。
この職種に就くことでより企業や顧客のビジネスに深く関わることが出来るため自身の提言した手法で成功した場合のやりがいも大きいです。
ITコンサルタントは顧客のIT戦略に関するコンサルティングを行います。
データサイエンティストとして身につけたエンジニアスキルやビジネススキルを活用できるためおすすめのキャリアアップ先です。
プロジェクトマネージャーはプロジェクトの管理者として予算や人員、品質などを管理します。
プロジェクトに対して任せられる範囲が増えることでやりがいにもつながりますし、年収も上がる場合が多いです。
データサイエンティストの最新動向
データサイエンティストの最新動向としてその職種としての需要がどんどん上がってきていることがあげられます。
その理由としてビッグデータを扱う企業がどんどん増えてきていることが大きいです。
特に昨今は人工知能技術の発達によって様々な分野や企業で人工知能が応用されています。
人工知能は膨大な学習データを必要とするためデータサイエンティストのような膨大なデータを扱える職業の需要が高まっているのです。
仕事としての歴史も浅いため実践経験豊富なデータサイエンティストの数は少なく多くの企業の獲得競争が過熱すると予想されます。
そのため平均年収も今後は上がっていくことでしょう。
データサイエンティストにおすすめの本
最後にデータサイエンティストを目指す上でおすすめの本について紹介していきます。
分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術
この本はデータ収集から解析までデータサイエンティストに必要な基本的な知識について網羅されている1冊です。
データ解析の入門書として人気で、入門書ではありますが他参考書と比べても専門的な知識が多く学べます。
またこの本ではデータサイエンティストに重要なデータの本質をとらえる技術について学べるため目指す場合は必見です。
Pythonによるデータ分析入門
この本はPythonを用いたデータ分析について紹介した1冊です。
Pythonは昨今の人気プログラミング言語の1つでデータ分析や統計に利用されています。
Pythonの技術があれば転職や就職に役立つ場合も多く、データサイエンティストとして押さえておきたい言語の1つです。
そのためPythonのデータ分析についてしっかりと学べるこの本はデータサイエンティストを目指す皆さんに大きく役に立つでしょう。
データ視覚化のデザイン
この本はデータを見やすいデザインに落とし込むためためにデータの視覚化のノウハウなどが確認できる1冊です。
データサイエンティストにとってデータを視覚化して伝えやすくすることはとても重要になります。
レポートのデザインを一新するだけで見る人の理解度が上がるため、レポートを作成して発表する機会の多いデータサイエンティストにおすすめです。
まとめ
本記事ではデータサイエンティストの職種研究を行ってきました。
IT化に伴って膨大なデータを扱う企業が増えた現代データサイエンティストの需要が高まっています。
今後もどんどんIT化が加速して膨大なデータを扱う企業が増えていくことが考えられるためデータサイエンティストはとても将来性のある職種です。
顧客の成功をデータ分析を通してかなえることのできるデータサイエンティストはやりがいも十分でしょう。
データサイエンティストは主にIT業界にて募集される傾向があります。
職種研究を通してIT業界について確認したいと考えた場合は、以下の記事を読んで業界研究も併せて進めてみてください。