【カスタマーサポートの仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで紹介
はじめに
就職活動のスタートは自己分析と業界研究、そして職種研究と言われます。
この中でも職種研究は何をしたらいいかわからないという人が多くいらっしゃいます。
今まで社会人として働いたことがないので当然ですよね。
同じ会社でも職種によって働き方や年収が異なるので、企業選びと同じくらい職種選びも重要です。
職種毎のやりがいや厳しさ、生活スタイル等を把握しましょう。
この記事ではカスタマーサポートの職種研究をしていきます。
近年重要性の増してきている仕事で注目度の高い仕事です。
職種研究のやり方がわからない人は以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
カスタマーサポートとは
企業の提供する商品やサービスについて問い合わせを受け付けるのがカスタマーサポートです。
お客さまが自社の商品・サービスの利用に関して何かしら知りたい、不満があるときに照会する窓口になります。
また顧客からの不満や要望はその後の商品・サービスの改善につながる貴重な意見となるでしょう。
丁寧に顧客とコミュニケーションをとり顧客の不満を解消するとともに商品・サービスの改善に向けた情報を整理することが仕事となります。
カスタマーサポートは何をする?
具体的なカスタマーサポートの仕事は3つに分類できます。
- 電話やメールでお客さまの課題を解決する
- お客さまの要望や苦情をデータベース化しカスタマーサポート全体を強化する
- お客さまからの声を社内の商品開発やマーケティングに生かす
わかりやすいのは電話やメールでのお客様対応です。基本的には問い合わせが来たことへの対応が中心の仕事となります。
お客さまが問い合わせをしてくるということは何かしらわからないことがある、苦情があるということがほとんどです。
丁寧にお客さまの困っていることを把握し解決策を提示することが求められます。
またよくある質問や苦情をデータベースにまとめていくというのも大切な仕事です。
カスタマーサポートの全員が情報を共有し活用することで組織全体の顧客対応力の底上げができます。
お客さまからの直接の苦情や質問は企業を強くするための有用な情報と扱われるようになりました。
不満があるから苦情がくるわけなので何が不満なのかを理解するために社内で共有することが重要です。
経営や開発、マーケティング等社内の様々な部署でカスタマーサポートの情報が生かされます。
カスタマーサポートのやりがい
カスタマーサポートの仕事のやりがいはどのようなものか、見ていきましょう。
重要度の高い仕事に従事するプライド
近年カスタマーサポートの重要性は高まっています。
自社の商品やサービスについて顧客からの評判がインターネットやSNSで簡単に共有されるようになりました。
評判が悪いとマーケティングや営業を頑張っても自分たちの商品やサービスを選んでもらえません。
お客さまに満足していただくことの重要度が増しておりカスタマーサポートの大切さが改めて注目されるようになりました。
一人一人のお客さまの課題を解決するのはもちろん、会社にとって重要な仕事をしているというプライドを持つことがやりがいに繋がります。
困っている人を助けられる喜び
カスタマーサポートに連絡してくるお客さまは基本的に困っているお客さまです。
クレームのような話もありますが時には「あなたとお話しできてよかった」と言ってもらえることもあります。
相手の顔は見えませんが多くの困っているお客様の役に立てることはカスタマーサポートの喜びでしょう。
チームで仕事をするため仲間との絆を感じられる
カスタマーサポートはお客さまと1対1で話をすることが多く話をしている間は周りに助けを求めづらいです。
だからこそ自分が困ったことや他の人も欲しいであろう情報をデータベースにして共有をします。
「あなたの情報のおかげで助かった」と仲間から言われるとチームの一員として認められ組織の一員としての意識が強くなることでしょう。
カスタマーサポートの苦労
重要な仕事を担いますのでその分大変なこともあります。カスタマーサポートで苦労することをお伝えします。
クレーム対応が多い
お客さまからの連絡は困っているので助けてくださいという問い合わせもあればクレームのような話ももちろんあります。
クレームにつかまると何十分もクレームを受け続けることとなり精神的に疲弊します。
必ずこうしたクレームを受けることはありますがみんな同じ経験がありますので気にしすぎないことが大切です。
自分へのクレームではないと割り切りましょう。
勤務が不規則になることがある
例えば損害保険会社のようにいつ事故が起きていつ電話がくるかわからないような場合、コールセンターも24時間体制となります。
不規則な勤務体系となり深夜や休日勤務でもシフトが入ることもあるでしょう。
精神的にも厳しいカスタマーサポートですが体力的にもハードになることがあります。
商品やサービスへの深い理解が必要
顧客の不満を解消するには自社の商品やサービスの特性を理解しておく必要があります。
またよくある問い合わせやクレームへの対処を事前に勉強しておくとよりスムーズに対応ができるでしょう。
自分の仕事を効率的にしつつお客さまに役に立つためには相当の勉強量が必要となります。
カスタマーサポートの平均年収
カスタマーサポートの平均年収は471万円です。
平均的な年収よりも少し上の水準です。
図をご覧いただくとオペレーター、スーパーバイザー、マネージャー、部門長の年収水準がありますね。
オペレーターだと平均よりやや下で年収300~400万円くらいです。正社員も派遣社員もほぼ同等でしょう。
管理職になるにつれて給料は上がっていきます。部門長では1,000万を超える企業もあります。
派遣社員は基本オペレーターをずっと続けていくので年収が400万円を超えない範囲となるでしょう。
カスタマーサポートの1日の流れ
次にカスタマーサポートの方の1日の流れを見ていきましょう。
ここでは2つの事例を考えていきます。シフト勤務で早めに出勤する場合と遅めの出勤となる場合です。
会社のカスタマーサポートの営業時間によってこの勤務時間は大きく影響されますので、このような情報もチェックしてみてください。
基本的にはシフト勤務をしているオペレーターはある程度プライベートの時間も取りやすいです。
昇進してスーパーバイザーやマネージャーのような管理職になると勤務時間は長めになっていく傾向があります。
自分の理想とする働き方と照らし合わせてどうか、考えてみてください。
どんな人が向いている?
ここでカスタマーサポートの仕事にはどのような人が向いているのか考察していきたいと思います。
人を平等に扱う
カスタマーサポートの仕事は様々なお客さまと接点を持ちます。
どんなお客さまであれ一人の人間として平等に扱うことが最も大切です。
平等に扱われていないとお客さまが感じるとクレームが大きくなる可能性があります。
顔の見えない関係ですので、どんな方にも平等に接することができる人が向いていると言えるでしょう。
問題を解決する
カスタマーサポートは多数の方とやりとりをします。いつ誰から連絡が来るかわかりません。
毎回相手のことが分からない状態から話をスタートし、相手の顔も見えません。
だからこそお客さまの力になりたいという気持ちを示すことでお客さまも安心できるでしょう。
誰かの困っていることを助けてあげたいという気持ちがある人が力を発揮できる場になります。
論理的である
声やメールだけで案内をしていくのは大変な仕事です。
顔の見えない相手と話すには論理的に分かりやすく話をする必要があります。
データーベースに情報を蓄積していくにも誰でもわかりやすい論理的な文章であることが求められます。
論理的かつ端的に話を伝えられる人が活躍する職種でしょう。
カスタマーサポートで求められるスキル・資格・マインド
次にカスタマーサポートで求められるスキルや資格、マインドについて見ていきましょう。
ご自身の自己分析の結果と照らし合わせてみて自分の特性が生かせそうかどうか考えてみてください。
スキル
まずカスタマーサポートで必要とされるスキルは以下の3つです。それぞれ詳しく説明していきます。
- コミュニケーションスキル
- 問題解決スキル
- 仕組化して効率を上げるスキル
コミュニケーションスキル
カスタマーサポートはお客さまのお話や質問、クレームの中からお客さまが本当に困っていることを導き出す必要があります。
特に電話をしてきたお客さま自身が何が本当にしたいのかを理解していないケースもあるため一緒に考えることが必要です。
正しく問題を理解しないことには正しい答えにはたどり着けません。
問題解決スキル
次に問題解決スキルです。
正しくお客様の課題を把握できたところで正しい解決策を導くことができなければお客さまに満足いただくことはできません。
自社商品・サービスへの深い理解と過去のデータベースの活用により答えを導き出すことが求められます。
仕組化して効率を上げるスキル
最後は仕組化して効率を上げるスキルです。カスタマーサポートは何名もの組織で対応しています。
自分一人のスキルが上がるだけではお客さまに自社の商品・サービスに満足いただくことはできません。
お客さまとの電話は1対1となり途中で他の人に助けを求めることも難しい状況です。
だからこそチームでノウハウを共有しチームメンバー一人ひとりのレベルを上げていく必要があります。
このような効率的にレベルを上げていく体制を整えるスキルが非常に大切です。
資格
カスタマーサポートとして活躍するにあたって必ず取得しないといけないという資格はありません。
以下2つは取得しておくと役に立つという資格です。
- ビジネスマナー検定
- コンタクトセンター検定
ビジネスマナー検定はカスタマーサポートとしてお客さまに接するにあたり必要となるマナーを学ぶことができます。
特にカスタマーサポートは電話で応対することがほとんどで顔を見て話をすることができません。
声だけで相手に安心感を与えるには安定したビジネスマナーが必要でしょう。
次にコンタクトセンター検定です。
初心者レベルからコンタクトセンターを運営できるレベルまで様々テストが用意されています。
自分の求められている役割に応じてテストを受けることで求められる知識やスキルを体系的に学ぶことができるでしょう。
マインド
カスタマーサポートはチームワークが大切です。
クレーム処理等顧客から文句を言われるため同じようなことが続くと落ち込むこともあり精神的にもつらい時があります。
しかし同僚も同じ経験をしていますので一人ではありません。
そしてそのクレームが会社を大きく変えるアドバイスとなる可能性もあります。
自分の周りにいるチームメンバーとともに会社を支える大切な仕事をしているというチームワークの意識が大切です。
カスタマーサポートのキャリアパスは?
カスタマーサポートのキャリアパスについて見ていきましょう。
大きく分けると3種類のキャリアの描き方があります。
カスタマーサポートになるには?
カスタマーサポートになるには3種類の入り口があります。
- 正社員として入社しカスタマーサポート部門に配属される
- 派遣会社に登録しカスタマーサポート部門に配属になる
- カスタマーサポート自体をサービスとして提供している会社に入社する
正社員として入社するとカスタマーサポートに配属されるかどうかはわかりませんので会社に配属をゆだねることとなります。
カスタマーサービスに配属されないこともありますので注意しましょう。
派遣会社に登録しカスタマーサポートに行くとカスタマーサポートに間違いなく配属されます。
ただしその後のキャリアパスが描きづらくなります。
カスタマーサポートをサービスとしている会社に入社すると様々な会社のカスタマーサポートのノウハウを見ることができます。
その分野のプロフェッショナルとしての経験を積むことができますが職種転換はしづらくなります。
カスタマーサポートのキャリアパス
次にカスタマーサポートのキャリアパスを紹介します。
正社員として入社し会社のカスタマーサポート部門に配属された場合はカスタマーサポートのスーパーバイザー、マネージャー、部門長とキャリアを積んでいきます。
途中で別の部門に配属されることもあるかと思いますが基本的にはこの部門のプロフェッショナルとして部門を率いるキャリアを期待されます。
派遣会社から派遣される場合は基本的にオペレーター一筋となります。明確なキャリアパスは描きづらく給料も上がりづらいです。
ただカスタマーサポートの仕事が合わないと思った時は比較的容易に職種転換ができます。
カスタマーサービスをサービスとして提供している場合は様々な企業のカスタマーサポートを経験します。
その後顧客のカスタマーサポートのコンサルティングのような仕事になります。
ビジネスプロセスアウトソーシングと呼ばれ、顧客のカスタマーサポート部門すべてを代行するような提案をします。
カスタマーサポートの最新動向
現在カスタマーサポートの職種でどのようなことが起きているのか最新の動向をお伝えします。
重要性が増すカスタマーエクスペリエンス
前にも触れましたが現在カスタマーエクスペリエンスの重要性が上がっています。
自社の商品・サービスへの評価がインターネットやSNSによってダイレクトに他の消費者に伝わるためです。
また最近の流行りのビジネスである「サブスクリプションモデル」というビジネスがあります。
毎月月額でお金をもらうAmazonプライムやNetflixのようなサービスが該当します。
顧客が自社の商品・サービスに満足しなければ離脱してしまい安定的な収入を得ることが難しくなりますよね。
このような理由からカスタマーエクスペリエンスが重視される傾向が顕著です。
カスタマーエクスペリエンスに大きな影響を与えるカスタマーサポートが改めて注目される理由となっています。
カスタマーサポートからカスタマーサクセスへ
従来カスタマーサポートと呼ばれていましたが最近ではカスタマーサクセスという言葉を使う企業も増えてきました。
カスタマーサクセスとは自社の商品・サービスを活用することによって顧客が思い通りの成果を上げられることを言います。
自社の商品・サービスもお客さまが何かを達成したいから購入するわけです。
その達成したい何かを一緒に達成するようにサポートするのがカスタマーサクセスです。
物を売る、サービスを提供するで終わりでなく顧客に寄り添うカスタマーサポートの仕組みが試されています。
データ活用がより重要に
カスタマーサポートが重視されるようになる中でデータの活用がフォーカスされています。
顧客から直接届く意見を会社の資産とするためにその情報を分析し活用できるように技術が進化しています。
このようなデータを取り扱えるようになるとカスタマーサポートでは重宝される存在になるでしょう。
カスタマーサポート志望者におすすめの入門書
カスタマーサポートを実践するにあたり役に立つ本をご紹介します。これらのスキルが必要になるということを本を通じて知ってください。
たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書
こちらの本は「聞く力」をイラスト付きでわかりやすく解説してくれています。
カスタマーサポートで最も大切な聞くことをレベルアップできる一冊です。
カスタマーサポートには興味があるけど人の話を聞くことに自信がない、という方は是非ご覧になってみてください。
大人の語彙力 敬語トレーニング100
次は語彙力についてです。案外日常の中で使用する敬語は間違っているものが多くあります。
正しい言葉遣いをすることによって幅広い世代のお客さまに安心感を与えることができるでしょう。
丁寧に話をする機会なんて今までなかった、という方は是非読んでみてください。就職活動の面接対策にも役立つと思います。
ゼロから教えて電話応対
最後はカスタマーサポートの基礎となる電話応対についてです。
企業の新人研修等でも使用されており幅広い電話応対の知識をカバーしています。
そもそもカスタマサポートの仕事をもっと理解したいと考える人にふさわしい本だと思います。
まとめ
ここまでカスタマーサポートの職種研究をしてきました。
近年その重要性が大きく見直されカスタマーサポートに注力する企業が増えてきている注目の職種です。
しかし働き方や入社の仕方で年収もキャリアの描き方も大きく異なります。
自己分析を通じてどのような将来目指すのか摺合せをしましょう。
カスタマーサポートは特にIT業界と金融業界で働く人が多くいらっしゃいますのでIT業界と金融業界の業界研究も参考にしてみてください。
それでは職種研究頑張ってくださいね。