【クリエイティブディレクターの仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがいまで徹底紹介
はじめに
クリエイティブ職のリーダー的存在であるのがクリエイティブディレクターです。
ものづくりや表現することが好きな人にとっては憧れの職種ですよね。しかし、仕事内容がわかりにくい職種でもあるでしょう。
そこでこの記事では、クリエイティブディレクターの仕事内容や必要なスキルなどを紹介していきます。
クリエイティブ系の仕事に興味がある方は、この記事の内容を職種研究に役立ててみてください。
「職種研究のやり方がよくわからない」という方は、先に以下の記事で職種研究のやり方を確認しておきましょう。
クリエイティブディレクターとは
クリエイティブディレクターは広告業界などで活躍する職種です。
作品のクオリティを保つために、デザイナーなどに指示を出して監督します。
企画から作成まで作品づくりの過程において指揮を取る現場監督のような存在です。
現場スタッフを取りまとめて質の高い作品をつくり、全体を総括するプロデューサーとの連携も行います。
そんなクリエイティブディレクターについて理解を深めるために以下4つについて紹介するので、参考にしてみてください。
- クリエイティブディレクターは何をする?
- クリエイティブディレクターのやりがい
- クリエイティブディレクターの苦労
- クリエイティブディレクターの平均年収
クリエイティブディレクターは何をする?
クリエイティブディレクターの仕事は3つに分けられます。
- クライアントと現場をつなぐ
- 企画を立てる
- 現場スタッフの監督をする
①クライアントと現場をつなぐ
クリエイティブディレクターはクライアントの要望を聞き、現場に指示を出します。
現場で作業が進み、作品が完成したらクライアントに引き渡すのも仕事です。
このように、クライアントと現場をつなぐ役割を担います。
②企画を立てる
クライアントからの要望を聞いたら、作品の方向性を決めていきます。
独創的なアイデアを入れ込みながら、現実的に「何をどう使ったら効果的か」も考えながら企画を練ることが大事です。
クライアントの要望から理想を見出し、現実に落とし込んでいきます。
③現場スタッフの監督をする
できあがった企画に沿って作品づくりを進めるために、現場スタッフへの指示や監督を行います。
実際につくり始めるとスケジュール調整やスタッフ同士の連携などが必要になるため、クリエイティブディレクターがその総指揮を行うのです。
現場のトップに立ちながら、スタッフの間に入って自分自身も現場ではたらきます。
クリエイティブディレクターのやりがい
クリエイティブディレクターのやりがいとしては以下のようなものが挙げられます。
- 多くの人に影響を与えられる
- 表現活動を楽しめる
- 成果が見えやすい
作り上げた作品は多くの人が目にしたり、利用したりする可能性があります。
「自分が作ったものが世の中に影響を与えている!」と実感できるのは、大きなやりがいにつながるでしょう。
また、作品づくりを通じて表現を楽しめることも大きな魅力です。
クライアントの要望を入れ込む必要はあるものの、あなた自身が表現したいことをうまく入れ込めば楽しく仕事ができます。
作品は形として残り、多くの人が目にすることで評価がはっきりと現れるのもやりがいの1つです。
SNSなどで「すごく好き!」などという反応が見られたときには、大きな喜びを感じるでしょう。
クリエイティブディレクターの苦労
クリエイティブディレクターの仕事は華やかな印象がありますが、当然ながら苦労もあります。
- クライアントと現場スタッフの板挟みになる
- 体力的に辛くなる時期もある
- 独創性と現実性の両立が大変
クライアントと現場スタッフのつなぎ役になるクリエイティブディレクターは、常に板挟みの状態にあります。
うまく立ち回れているときは周囲から頼りにされますが、そうでない状況では「自分はどうするべきなんだ」と悩むかもしれません。
また、立ち回り方に悩んだり、作品のアイデアが浮かばなかったりすると仕事時間が長くなる可能性があります。
作品の納期によっては、体力的に追い詰められる時期もあるでしょう。
そのほか、作品のアイデアを思いついても予算的に実現が難しいなど、独創性と現実の両立に苦しむこともあります。
つくりたいものがつくれない状況では、歯痒い思いを感じるでしょう。
クリエイティブディレクターの平均年収
クリエイティブディレクターの平均年収は400~600万円くらいです。
クリエイティブ系の平均が380〜400万円ほどなので、年収は高めと言えるでしょう。
ただ、クリエイティブディレクターは扱うジャンルや勤務先の規模、実力によって大きく収入が変わります。
人気が出たり、大企業に勤めたりしている場合には、年収1,000万円になることもあるのです。
クリエイティブディレクター1日の流れ
クリエイティブディレクターは、仕事の状況によって1日の流れが大きく変わります。
例に挙げた日はクライアント先に直行の予定であるため、朝はゆっくりめです。
社内、社外の両方で打ち合わせがあり、人と話をする機会が多いのがわかるでしょう。
アイデア出しや資料まとめなど、やることが多いので帰宅後も仕事の準備が必要になることもあります。
どんな人が向いてる?
ここまでの内容を読んで「自分もクリエイティブディレクターを目指したい」と感じた方もいるでしょう。
目指すときに気になるのが「自分に向いているかどうか」ですよね。
クリエティブディレクターに向いている人の特徴として、以下3つが挙げられます。
- グループの輪を広げる
- 考えることが好き
- 責任感がある
①グループの輪を広げる
グループの輪を広げられる人はクリエイティブディレクターに向いています。
クライアントやさまざまな職種の現場スタッフと関わるので、どんな人とでもうまくやっていくことが大事です。
役割を与え、その人自身がグループ内での居場所を得られるようにするとグループの輪を広げられますよ。
②考えることが好き
考えることが好きな人は、独創的なアイデアが必要なクリエイティブディレクターの仕事を楽しめるでしょう。
アイデアはいきなり生まれるものではなく、日頃からさまざまなものに関心をもって考えることで生まれます。
考えること自体が好きな人はそれだけでよいアイデアをひらめく可能性が高いのです。
考えたことを記録に残すなどの工夫をするとさらにアイデアを出しやすくなるでしょう。
③責任感がある
クリエイティブディレクターには責任感がある人が向いています。
作品のクオリティに対して責任を負う仕事だからです。
責任感は責任を負う経験をすることで磨かれていきます。
サークル活動やアルバイトなどで責任を負う経験を意識的にしてみるとよいでしょう。
クリエイティブディレクターで求められるスキル・資格・マインド
クリエイティブディレクターを実際に目指していくためには、求められることを身につけることが大切です。
この章では、クリエイティブディレクターに求められることを以下3つに分けて紹介していきます。
- スキル
- 資格
- マインド
スキル
クリエイティブディレクターには以下3つのスキルが求められます。
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- 分析スキル
クライアントや現場スタッフとうまくやっていくためには、コミュニケーションスキルが必要です。
指示をわかりやすく伝えたり、相手の気持ちを考えた発言をしたりする意識をもちましょう。
また、決められた予算や期限内で作品づくりを進めるためのマネジメントスキルも求められます。
「限られた条件の中で最高の作品をつくるためにどうしたらいいか」について、現場を俯瞰しながら考えることが重要です。
さらに、多くの人に受け入れられる作品をつくるために、市場を分析するスキルもあるとよいでしょう。
よいものをつくっても時代の流れに合わない場合には作品が広まらず、使ってもらえないからです。
日頃からニュースを見るなどして、世の中の変化を感じてみましょう。
資格
クリエイティブディレクターになるために必須の資格はありません。
資格は必須ではありませんが、以下のような資格を取得しておくことで就活に有利になるでしょう。
- Illustratorクリエイター能力認定試験
- DTPエキスパート認証試験
- カラーコーディネーター検定試験
列挙したのはどれもデザインに必要な知識を身につけられる資格です。
現場スタッフが何をしているのかを理解することで、マネジメントに活かせるでしょう。
ただ、資格をもっているかどうかよりも実際の経験があるかどうかの方が重視される傾向があります。
資格取得を目指すのもよいですが、Webデザイナーやコピーライターなどとして実際に仕事を受ける経験を積むのも選択肢のひとつです。
クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトを使えば、ネット上で誰でも仕事を受けられます。
経験を積みたい方は、どんな仕事があるのかをクラウドソーシングサイトで検索してみてください。
マインド
クリエイティブディレクターには自責思考が大切です。
自責思考は「あらゆることの責任は自分にある」と考えることを指します。
作品の質が下がってしまう原因として、予算が足りなかったり納期が厳しかったりなどのさまざまな要素があるのは事実です。
しかし「もっと自分にできることはないだろうか」と考えれば、決められた条件の中でよい作品をつくりやすくなります。
条件内で高いクオリティの作品をつくるのが仕事である以上、自分にできることを考え抜く自責思考は必須のマインドでしょう。
クリエイティブディレクターのキャリア
クリエイティブディレクターになるにはどうしたらよいのでしょうか?
また、クリエイティブディレクターになった後はどのようなキャリアパスがあるのかを紹介していきます。
クリエイティブディレクターになるには?
クリエイティブディレクターはクリエイティブ職のリーダー的存在であるため、新卒で就職するのは難しいです。
デザイナーやコピーライター、エンジニアなどのクリエイティブ職で経験を積んでから転職を目指すとよいでしょう。
インターネット・新聞・雑誌などから、得意のメディアを決めておくと強みとしてアピールできます。
アパレル業界ではたらきたい場合にも、得意なブランドイメージを決めるとよいでしょう。
総合的なスキルが求められるクリエイティブディレクターですが「これなら負けない!」という強みをつくると、面接で有利になりますよ。
クリエイティブディレクターのキャリアパス
クリエティブディレクターになった後は、以下2パターンの道があります。
- 経験を積んでプロデューサーになる
- クリエイティブディレクターとして独立する
より大きな仕事がしたい場合には、ディレクターよりも立場が上のクリエイティブプロデューサーになるのがおすすめです。
ディレクターが現場監督であり、プロデューサーは総監督のような立場にあたります。
プロデューサーは複数のディレクターをまとめあげて、プロジェクト全体の統括するのが仕事です。
ディレクターよりも責任が重く、多くの人を巻き込めますよ。
「ディレクターとしての仕事が好き」「もっと自分の表現を突き詰めたい」という場合には、独立する方がやりがいを感じられるでしょう。
クリエイティブディレクターとして独立すると、自分が関わりたいプロジェクトを選べるからです。
経験を積む中で「仕事の自由度をあげたい」と感じたら独立すると願いが叶えられますよ。
クリエイティブディレクターの最新動向
感染症が広がったことでDXの重要性が叫ばれるようになってきました。
DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、IT技術を活かして生活を豊かにしていくことを目指す考え方です。
広告業界においてはインターネット広告の需要が伸び、Webデザイナーやエンジニアなどの求人数も伸びています。
クリエイティブディレクターになるためには経験が必要です。
伸びているインターネット系のクリエイティブ職に就いて経験を積むと、将来性のある仕事がしやすくなるでしょう。
興味がもてそうなクリエイティブ職を探して、そちらの職種研究もしてみてください。
クリエイティブディレクターにおすすめの本
クリエイティブディレクターの仕事についてさらに知識を得たい場合には、『超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす』がおすすめです。
小手先のテクニックだけでなく、本当に独創的なアイデアを思いつくために大切なクリエイティブ思考について書かれています。
テクニックも大切ですが、本質を理解していない状態でテクニックを使っても本当によい作品はつくれません。
クリエイティブの本質について学びたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
クリエイティブディレクターについて紹介しました。
クリエイティブ職のリーダー的存在であるため新卒での就職は難しいです。
しかし、資格はとくに必要ないため、デザイナーや写真家などでクリエイティブ職としての経験を積めば十分に目指せます。
将来性を重視するならインターネットに関連した仕事を選ぶとよいでしょう。
クリエイティブディレクターの活躍の場は複数ありますが、多くの場合には広告業界です。
広告業界への理解も深めておくとクリエイティブディレクターに求められていることがわかるでしょう。
キャリア形成に役立ちますので広告業界の業界研究も行ってみてください。
広告業界については以下の記事で解説しています。