【銀行業界:図解で3分解説】どんな仕事をやるの?向いている学生や今後の動向、企業ランキングも紹介
はじめに
就職活動をしていると一度は銀行業界について聞く機会がある人は少なくないでしょう。
実際銀行は全国各都道府県に存在しており、かつ業務の特性上安定性が高いといわれております。
ただ昨今のIT化にともない銀行業界にも変化が起きているのです。
そこで本記事では銀行業界についてその仕事内容や業界の動向、向いている学生の特徴などを紹介していきます。
本記事を参考に銀行業界の業界研究を円滑に進めましょう。
業界研究をする前に
銀行業界の業界研究をする前に、こちらで業界研究を行う目的を確認します。
業界研究を行う目的は、自分に合った業界かどうかを見極めること、就職後のミスマッチを防ぐことです。
ただ業界の勉強を行うだけでは業界の研究になりません。
自分自身と照らし合わせながら行うことで業界研究として意味を成してくるのです。
しかし業界研究を行ったことがない人にとって、どのようにしたら良い業界研究が出来るのか分からない人も多いことでしょう。
そういった人や、今一度業界研究のやり方について復習したい人はこちらの記事を読んで業界研究の方法を理解することから始めましょう。
銀行業界とは
銀行は皆様の住んでいる地域に必ず存在しているものですが、実際に銀行が具体的にどんな仕事をしているのかご存知でしょうか?
お金の管理を行うイメージが強い銀行業界の仕事は案外幅広いのです。
こちらでは、銀行業界の全体図やビジネスモデルを通してその概要や基礎知識、実際の売上高ランキングを解説していきます。
銀行業界の概要
銀行業界には以下のような銀行が存在しています。
1.中央銀行
中央銀行は国の金融制度の中心的機関として、銀行券の発行権を唯一与えられた銀行のことです。
日本において日本銀行が中央銀行に該当し、日本銀行は「銀行券の発行」「銀行への貸出」「国債の売買、国の資金の管理」などを行います。
そのため国の金融政策を司る重要な銀行になるため、就職する際にはその分ハードルが高いです。
2.メガバンク・都市銀行
メガバンクに法律的な定義はありませんが、その国において巨大な収益規模や資産を有する銀行、銀行グループのことをさします。
日本の銀行業界においては、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3行がメガバンクです。
ほぼ同じ意味として都市銀行があり、メガバンクにりそな銀行を加えた4行が含まれます。
幅広い金融サービスに加えて多くの顧客を抱えているため就活生にも人気で競争率が激しいです。
3.地方銀行
地方銀行は全国地方銀行協会の会員である銀行のことをさし、各都道府県に本店をおいて本店を置いた地方を中心に営業展開を行う銀行のことです。
地方の企業への主要融資を担うことも多く、メガバンクと異なり提供しているサービスは預金、融資、為替業務がほとんどになります。
地方銀行は地元で働きたいと考える学生に人気です。
4.信託銀行
信託銀行は通常の銀行業務以外に信託業務、併営業務を行う銀行のことです。
信託業務では有価証券や不動産などの資産を預かって運用することで、利益を委託者に還元する業務になります。
併営業務では不動産の仲介や証券の代行などがあげられ顧客の資産管理・運用など幅広いサービスが特徴です。
5.ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は日本郵政グループが運営する銀行のことです。
ゆうちょ銀行は郵政民営化に伴い日本郵政公社から郵便貯金事業などを引き継いでできた銀行となります。
そのため全国的にも展開していることもありメガバンクに次いで大きな銀行です。
6.ネット銀行
ネット銀行はインターネットの普及によって生まれたネットバンクを行っている銀行のことです。
ネット銀行は原則店舗を持たないことから様々なメリットがあります。
メリットとして、振込手数料が安いことや手続きが簡単なことなどです。
また預金や引出しに関しては手数料がかかりますが一定の条件で無料になるネット銀行が多いのでネット銀行の人気が高まっています。
銀行業界の基礎知識
こちらでは銀行業界のビジネスモデルをもとに主な収益について紹介します。
1.融資による利息
融資による利息は銀行業界における大きな収益源の一つです。
融資とは銀行がお金が余っている個人、法人が預けたお金の中からお金がない個人、法人へお金を貸し出す業務を指します。
その際にその融資に利息を付けることで返済時に融資した額と利息が銀行に入り利息分が銀行の収益となるのです。
融資による利益は、返済を前提とした収益のため銀行内で融資先の返済能力を様々な面で調査したうえで融資を決定します。
2.金融商品、サービス提供による手数料
手数料による収益は金融商品やサービス提供で銀行が得られる収益のことです。
金融商品は銀行によって種類は様々で例えば普通預金や株式、不動産投資などが挙げられます。
銀行で上記の金融商品を販売したり、ATM利用などのサービス利用に対して手数料が発生するのです。
手数料による収益としては金融商品の提供によるものを占める割合が大きいため入行した後に金融商品について理解する必要があります。
そのため銀行業界に絞っている場合は、その銀行がどのような金融商品を取り扱っているのかを事前に勉強しておくがおすすめです。
3.外国為替収益
外国為替収益は外国為替取引を銀行が行いそれを運用することで得られる収益のことです。
個人の投資家が行う外国為替取引と異なり銀行は証拠金の額が巨額のためそれだけ利益や損失が大きく出てしまいます。
大きな損失を出さずに収益を得るために銀行内での市場調査や経済状況の確認等といった分析することが大切になってくるのです。
銀行業界の売上高ランキング
銀行業界の売上高ランキングは上図の通りです。
銀行業界の売上高ランキングの1位から3位までがメガバンクが占めています。
その次にゆうちょ銀行、信託銀行の三井住友トラスト・ホールディングスが続き、上位6位までを見ても銀行の支店規模が大きい銀行の売上高が大きいです。
銀行業界の現状と今後の動向
業界研究において業界の現状や今後この業界はどのような動きを見せるのかを調査することは非常に重要になります。
特に銀行業界は昨今のIT化やマイナス金利などの金融政策によって大きな転換期を迎えているといわれているのです。
こちらではそんな銀行業界の現状と今後の動向について紹介していきます。
現状
現在の銀行業界は以下の理由で大きな変換期に立たされているといわれています。
1.フィンテック
フィンテックとはファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)の造語で金融サービスと情報技術を結び付ける動きを指します。
様々な業界でIT化が進む昨今銀行業界も例外ではありません。
特に最近ではスマホの普及でスマホ決済やスマホアプリが通帳替わりになっている銀行もあるのです。
また仮想通貨を支えるブロックチェーン技術やキャッシュレス技術がメガバンクをはじめ多くの銀行が着手し始めています。
2.マイナス金利や貸出金利低下による収益減
皆様はマイナス金利という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?
マイナス金利とは民間の金融機関が日本銀行に預けるお金に対して金利がマイナスになることを指します。
金利がマイナスになるということは、つまり銀行が日本銀行にお金を預ければ預けるだけ損をしてしまうということです。
例えば今の金利がマイナス0.1%なので日本銀行に100億円預けていた場合1000万円が引かれることになります。
預けるだけ損なため銀行は資金を積極的に融資などで運用する方針となっていきました。
しかし、融資先は無限ではなく多くの銀行で融資先の確保のために金利を下げて競いあう等の低金利競争が激しくなっていったのです。
銀行業界における融資で発生する利息は大きな収益源だったため低金利にすることで結果的に銀行業界の収益を下げることになりました。
今後の動向
銀行業界の現状を踏まえて今後この業界の方向性や将来について紹介していきます。
1.業務のデジタル化
今多くの銀行がフィンテックに力を入れておりその一環でAIの開発や作業の自動化が行われています。
特に銀行の業務には書類処理が多く、今後それらの業務が人間から機械やシステムに代替されることになるでしょう。
実際メガバンクではすでに窓口業務の機械化によって人員を削減されているのです。
今後もメガバンクを中心にAIや機械をもちいたデジタル化が進み銀行業界に大きな変革が起きると予想されます。
そのため銀行業界を志望する方はフィンテック関連の情報も調査することでより深い業界研究が出来るので注目しておきましょう。
2.新しいビジネススタイルの確立
銀行業界はIT技術の発展や、マイナス金利などの金融政策によって今後銀行業界のビジネススタイルが大きく変わることが必要になってきました。
IT技術の導入で業務の効率化がなされる中、人だからできる業務やAIやシステムなどを活用した新たなサービスを作成することなどが求められるのです。
銀行業界の仕事内容
業界研究を行う場合、その業界の仕事内容を理解することはとても大切です。
そこでこちらでは銀行業界の主な業務について紹介していきます。
預金業務
預金業務は個人、法人から資金を預かったり引き出したりする業務です。
銀行業界においてここで預けられるお金が、運用されて銀行業界の利益になるため銀行はまずいかに預金をしてもらうかが重要になってきます。
融資業務
融資業務は預金業務で預かったお金を元手に企業や個人への融資を行う業務です。
個人や企業への融資から得られる利息がこの業務での利益になります。
融資業務では返済時の利息が利益になるため、返済能力の有無を調べ上げることで融資の実行をするかを決定するので調査能力が重要です。
為替業務
銀行業界における為替業務とは、送金や振込等を用いて代金支払いなどの決済を行う業務です。
公共料金の口座振替や自動引き落としなどが為替業務に該当します。
また日本円の外貨両替や国外への送金等も外国為替業務としてあり、こちらの業務では多くの手数料収益が見込めるため重要な業務の一つです。
市場取引業務
市場取引業務は顧客から預かったお金や自己資金を有価証券や為替取引などで運用して運用益を得る業務になります。
顧客からのオーダーを市場につなげ市場価格と顧客への提示価格の差から利益を得るのです。
特にメガバンクなどの銀行は資本金が大きいため自己資金での運用を行う際には市場価格に影響が出るとされます。
金融商品の仲介業務
金融商品の仲介業務では個人に向けての金融商品の販売を行う業務です。
個人の資産や収入等の内容にあった資産運用のアドバイスを行い金融商品の販売につなげます。
銀行業界に向いている学生
こちらでは銀行業界に向いている学生の特徴について紹介していきます。
1.ミスをしない
どの業界においてもミスをしないことは大切なことですが、銀行業界ではミスをしないことが特に大切です。
顧客の大切な資産を管理したり、法人の大きなお金を扱ったりするので一度のミスでも大きな損失を生むこともあります。
ミスをミスとして確定しないために、事前にミスがないかの確認を徹底出来ることが向いている学生の特徴です。
2.誠実で信頼される
銀行業界は個人、法人のお金の管理や融資を行う等顧客の大切な資産を預かったり、金融商品の仲介等を行ったりするため顧客との信頼関係がとても大切です。
またさらなる収益を得るためにも各銀行で新規顧客の開拓を行うことは重要視されているため、顧客に信頼されるふるまいが出来ることも重要になります。
信頼のおけない人に自分のお金を預けるような真似はできないので誠実で信頼されることが多い学生に向いています。
3.組織に適応する
銀行業界の中には多くの部門があり、銀行業界に入るとその部門をローテーションする形で異動して経験を積むという特徴があります。
そのため移動した先々でその組織に適応できる能力があればスムーズに仕事が出来るので適応力があることも向いている特徴です。
4.人をより良い未来へ導く
銀行業界の業務の融資や金融商品の仲介でアドバイスなどを行う場合があります。
その際に顧客がより良い結果を得られるように顧客に合った金融商品を紹介したり、運用について助言をしたりする業務です。
そして銀行業界の収益は顧客の成功によって生まれるものが多くを占めています。
そのため顧客をより良い結果に導くことが出来る力は結果的に銀行側に大きな利益をもたらしてくれるため向いている学生の特徴といえるでしょう。
まとめ
ここまでで銀行業界について解説してきました。
銀行業界は今デジタル化や、金融政策によって大きな転換期に位置しているのです。
特に昨今は業務の機械化やAIの開発などがメガバンクを中心に進んできており、従来のビジネススタイルとは違う新しいサービスが開発され始めています。
これからの銀行業界は従来のビジネススタイルで得たノウハウとフィンテックの融合をさせたビジネススタイルが求められるといえるでしょう。
本記事で銀行業界に興味や関心を持った人はぜひ銀行業界を視野に入れた就職活動に取り組んでください。
本サイトでは銀行業界以外の業界研究をしてみたいという方向けに様々な業界研究に役立つ記事をご紹介しています。
本記事を通して業界研究をしてくださった皆様に満足のいく仕事と出会えることを願っております。