【広告営業の仕事内容を解説】なり方や必要なスキル、向いている人とは?1日の流れからやりがい、平均年収まで徹底紹介
はじめに
就職活動のスタートは自己分析と業界研究、そして職種研究と言われます。
この中でも職種研究は何をしたらいいかわからないという人も多くいるのではないでしょうか。
今まで社会人として働いたことがないので当然ですよね。
同じ会社でも職種によって働き方や年収が異なるので、企業選びと同じくらい職種選びも重要です。
職種毎のやりがいや厳しさ、生活スタイル等を把握しましょう。
この記事では広告営業の職種研究をしていきます。
職種研究のやり方がわからない人は以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
広告営業とは
広告営業は2パターンの営業スタイルがあります。
1つ目は自社が持っている広告媒体の営業をするものです。
例えばアルバイトや社員を募集する求人広告の営業やフリーペーパーの広告を取りに行くような仕事ですね。
リクルートやマイナビのような会社がこのスタイルとなります。
もう1つは広告代理店の営業です。
自社では広告媒体を持たず様々なメディアの広告を扱うことでお客さまに幅広いプロモーション戦略を提案することができます。
電通や博報堂という広告代理店がこのスタイルです。どちらの営業をやるかによって営業のスタイル等も変わってきます。
広告営業は何をする?
広告営業が主にやる仕事を以下にまとめてみました。
広告というと華やかなイメージを持つかと思いますが、地味で大切な仕事を積み重ねお客さまとの信頼関係を構築することが一番の仕事です。
- お客さまのニーズの把握
- 広告企画提案
- クリエイティブ等との調整業務
- 進捗管理
- 効果測定報告及び確認
お客さまと長くお付き合いをすることが重要です。
最初の提案から実際に実施したプロモーションや広告の効果の測定、次回への反省と改善点の提示等細やかなフォローが求められます。
営業と言いながらもやるべき仕事は多岐にわたりますね。
広告営業のやりがい
広告営業ならではのやりがいはどのようなところにあるのでしょうか。3つ紹介します。
顧客の成長を共に喜べる
顧客とその会社の成長の喜びを共に分かち合える、ということが広告営業ならではのやりがいです。
広告の役割は自社のブランディングやプロモーションを通じて「売上を上げること」でしょう。
売上が増加することは企業が成長していることをわかりやすく表してくれます。
提案した広告企画で顧客の売上が上がると嬉しさも倍増しますね。
企画したプランが認められる達成感
競合に打ち勝ち自分たちの企画が顧客に選ばれることが営業としては大きな喜びとなります。
1つの広告企画をまとめ上げるのはとても大変な仕事です。
さらに多くの競合もいる中で自分たちのプランを選んでもらわなければ意味がありません。
綿密な顧客ニーズの把握や市場調査、企画案のとりまとめ等努力が報われる瞬間ですね。
様々な職種の人とチームが組める
広告営業は他の業界の営業に比べても様々な職種の人を1つのチームにまとめ上げる必要があります。
クリエイティブ企画やデザイナー、コピーライターはわかりやすいですがそれ以外にも多くの人が関わるためです。
価値観の異なる人をまとめるのは大変ですが、幅広いプロフェッショナルが集まるからこそ生み出せる企画を世に出していくことはやりがいとなるでしょう。
広告営業の苦労
広告営業はやりがいも大きい分苦労も相当に大きいのが現実です。
ここでは広告営業をやる上で苦労することをこちらも3つほど紹介します。
ハードワークになりやすい
広告営業はハードワークで残業や深夜帰りは当たり前の世界です。
1つの企画を練り上げるために多くの時間を必要としますし、顧客のプロモーションが複数重なるときは顧客との調整にも時間がかかります。
広告営業を志す方はガッツリ仕事をする覚悟をしておきましょう。
売上目標に追いかけられる
営業である以上はやはり売上目標を追いかけます。
大きなコンペで負けてしまった場合等、その挽回の施策を求められ苦しい日々を過ごさなくてはなりません。
売上達成に対する意識の強い企業文化であれば大きなストレスになるでしょう。
調整の仕事が多くストレスがかかる
様々な職種の方々と関わると素敵な企画ができるというメリットもありますが調整が大変というデメリットもあります。
価値観の違う人が1つのチームになるわけですから考え方ややりたいことも異なりますよね。
しかし顧客のことを一番理解しているのは営業ですから、営業が顧客のためにチームの意見調整を行わなければなりません。
うまく説得できなかったりそれぞれの立場の意見を聞くのに時間がかかったりすることがあります。
広告営業の平均年収
広告営業の平均年収は439万円で全国の平均の少し下くらいです。
一方で広告代理店の平均年収は600万円前後で平均よりも100万円程度高くなっています。
自社メディアの広告営業には地域のフリーペーパーの広告営業等あり、給料はあまり高くありません。
広告代理店には電通や博報堂のような超大手もあり平均給料が日本トップクラスのような会社もあります。
広告代理店の方が給与は高めである、ということを理解しておきましょう。
広告営業の1日の流れ
広告営業の1日の流れを見ていきましょう。
朝はそこまで早くはなく一般的な時間です。
日中は顧客とのコミュニケーションや関連部署との打ち合わせが多くあります。
会議や打ち合わせが終わった後に提案書の作成や企画の草案をチェックするといった、自分一人でできる仕事をしなければなりません。
残業は当然でこれ以上に遅くなることもあるでしょう。
どんな人が向いている?
どんな特性を持った人が広告営業に向いているかを見ていきましょう。
是非自己分析の結果と照らし合わせて考えてみてください。
責任感がある
顧客企業の重要経営戦略の1つであるマーケティングを支援しますので責任の重い仕事です。
一緒に仕事をする企業のマーケティング担当もその重責を感じて仕事をしていることでしょう。
その責任と向き合い顧客をより理解することが重要です。
チームを活性化できる
様々な職種の仲間を1つのチームにまとめ高い成果を出す必要があります。
うまくコミュニケーションできないことや意見が食い違うことも出てくるでしょう。
どんな時でも顧客のためにチームのパフォーマンスを上げるための行動が求められます。
伝える力がある
人と話す機会が多いのが広告営業の特徴であり、伝える力が重要であると言えるでしょう。
顧客とのコミュニケーションも多く、チームとの連携も欠かせません。
時には意見が対立することも、伝え方1つで話がこじれることもあればすんなり進むこともあります。
それぞれの立場を理解し、その仕事の重要性や全体の方向性を伝えられるかが仕事の質を左右するでしょう。
広告営業で求められるスキル・資格・マインド
次に広告営業で活躍する上で必要な能力を確認していきましょう。スキル、資格、マインドの3つ紹介します。
スキル
広告営業で活躍する人に共通するスキルは3つあります。
- 段取り力
- 行動力
- 数字で説明する力
広告営業は仕事をスムーズに進めるために段取り力が重要です。
1つの企画を成功させるために多くの人が関わり多くの工程が存在します。
誰にどのような成果を期待するか、どの順番で話を進めるか、等を事前に考え成功に向けた段取りが組めるといいですね。
優れた段取りができる人はまた一緒に仕事がしたいと思ってもらえるでしょう。
次に行動力について見ていきます。
フットワーク軽く顧客のところに飛び込んでいく行動力が必須の能力と言えるでしょう。
営業ですから顧客ニーズをいかに正確に深く把握しているかが最も重要です。
忙しい中でも顧客のところに足しげく通いコミュニケーションをすることで理解が深まります。
最後は数字で説明する力です。
かけた広告に対してどのような成果が上がったのかを数字で示すことが求められています。
特に最近はデジタル広告の発展に伴い広告効果についての考え方が大きく進化しました。
プロモーションや広告は多額の資金を投入して売上を上げる重要な経営戦略です。
だからこそその効果には厳しい目が向けられますので数字で有効性を示さなければなりません。
資格
広告営業にはこの資格がないと仕事ができない、というものはありません。
持っておくと役に立つ資格を紹介しておきます。
- ウェブ解析士
- Google広告認定資格
- ウェブデザイン技能検定
ウェブ解析士はウェブサイト等がどれくらい効果的な作りになっているかを検証できる資格です。
数字で説明をしないといけないこれからの広告営業において統計や数字で物事を考える癖がつけられる資格かと思います。
次はGoogle広告認定資格です。Googleで何かを調べると広告が上の方に表示されますよね。
これをどのように効果的に運用するかを学ぶ資格です。
投入した広告費に対して効率性を見るのに役立つ資格であり、特にインターネット広告を扱う人は必須の資格でしょう。
最後はウェブデザイン技能検定です。
これは営業に直接的に使える資格ではありませんが一緒に働くデザイナーやコピーライターの生みの苦しみを理解できる資格となります。
一緒に働く仲間の大変さを理解することでチームをまとめやすくなるでしょう。
マインド
活躍する広告営業に共通するマインドは達成志向が高い、ということです。
高い売上目標を達成するためにひたすら考え抜く必要があります。
企画を通すために徹底的にプランを練り上げることも時には必要でしょう。
何としてでも結果を出すという強い思いを持った人が広告営業で成果を出していく人だと思います。
広告営業のキャリアパスは?
ここでは広告営業のキャリアパスを見ていきましょう。
広告は売上を上げるための重要な戦略であり、基本的にすべての会社が売上を上げたいので様々なキャリアの方向性があります。
広告営業になるには?
広告営業になるには2つの方法があります。
1つ目は自社メディアを持っている企業へ就職をし、そのメディアの営業になることです。
求人広告やフリーペーパーもあればYahooのようなWebメディアもあります。
2つ目は広告代理店へ就職することです。
電通や博報堂は総合広告代理店として知られていますが、最近はサイバーエージェントやオプトのようなインターネット広告代理店も人気があります。
広告営業のキャリアパス
広告営業には幅広くキャリアパスがあります。いくつのかの代表的なキャリアパスを見ていきましょう。
営業でステップアップする
まずは広告営業を長く続けていくキャリアです。
担当からマネージャーになり部門を率いていく立場とキャリアアップしていく道が王道ですね。
収入もそれに応じて上がっていきます。
コピーライターやプランナーへ職転
広告営業をやると様々な職種の人と一緒に仕事をします。
新しくチャレンジしたい職種が見つかりそちらに挑戦する人も多くいるようです。
コピーライターやデザイナー、広告プランナーになる人もいます。
事業会社のマーケティング職へ職転
広告営業の相手となる顧客側でもその会社のブランディングやマーケティング戦略の企画立案をしている人がいますよね。
広告営業は様々な会社のマーケティング活動を支援しますが、自分で企業のマーケティングをやりたいという人も出てきます。
広告代理店から企業の事業会社に転職する方も多くいるでしょう。
ベンチャーの事業開発へ職転
ベンチャー企業にとっては売上を上げるというのが重要です。
売上をいかに上げるかを支援してきた広告営業は売上を上げるプロフェッショナルとしてベンチャーの事業開発になることがあります。
広告営業の最新動向
広告営業が知っておくべき最新の動向を把握しておきましょう。
デジタル広告の重要性が高まる
日本の広告市場においてインターネット広告の存在感が大きくなってきています。
今まで最も大きかったTV広告や新聞、雑誌、ラジオの広告が縮小する中でインターネット広告のみが成長市場です。
今後はインターネット広告の活用の仕方や他のメディアとの連携のさせ方を中心に広告営業も変化していく必要があるでしょう。
働き方改革の必要性
今までハードワークが当たり前とされてきた広告営業の世界ですが、あまりのハードワークが疑問視されています。
広告業界全体として働き方を変え、より効率的に成果が出せる体制づくりが求められました。
今後は広告営業の1日の流れや働き方が変わっていくでしょう。
社会の変容をつかむ
消費者がどのように消費行動を決めるかが変わってくれば広告の在り方も変わっていきます。
インターネットやSNSの進化により世の中の動きが格段に速くなりました。
変化する世の中の大きな流れやマインドの変化に敏感になり、顧客企業のマーケティング戦略を考られる力が求められるでしょう。
広告営業志望者におすすめの入門書
広告業界を志望する人が読んでおくべき本を3つほど紹介します。気になる方は参考にしてみてください。
広告ビジネス次の10年
著者の横山氏はデジタル広告が登場した時からその将来性を見越し注力してきた広告界の大物です。
広告ビジネスを数十年見てきた賢人による広告界の将来像を知ることで広告ビジネスを理解しましょう。
Communication Shift―「モノを売る」から「社会をよくする」コミュニケーションへ
企業がどのように社会とかかわっていくかをまとめた本です。
企業のマーケティング担当は自社をどうブランディングしていく等を考えているので、顧客と目線を合わせることに役立つと思います。
わかる!!広告営業マニュアル
こちらの本は広告代理店の営業が具体的にどのような仕事をしているかをわかりやすくまとめている本です。
就活の職種研究には重宝する一冊ですので広告営業を志望する方は参考にするといいと思います。
まとめ
広告営業の職種研究を進めてきました。
ハードワークですし調整業務も多いため地味な仕事かもしれません。
それでも企業の成長を支える大切な役割を担いますのでやりがいは大きな仕事です。
華やかな業界のイメージにあこがれる人もいるかと思いますが、しっかりと職種研究をして入社後のギャップがないようにしましょう。
広告の業界研究がまだの人はこちらも是非参考にしてみて下さい。
それでは職種研究頑張ってくださいね。