【広告業界:図解で3分解説】どんな仕事をやるの?向いている学生や今後の動向、企業ランキングも紹介
はじめに
商品やサービスを世の中に広めるための広告を扱うのが広告業界です。
華やかな印象があり、「人の心に残る広告をつくりたい!」と考える学生も多いでしょう。
そこでこの記事では、広告業界の基礎知識からビジネスモデル・職種・向いている学生の特徴まで網羅的に紹介していきます。
広告業界への就職を検討している人は、業界研究の資料として役立ててみてください。
業界研究をする前に
広告業界の研究に入る前に、業界研究の目的を確認しておきましょう。
目的を明らかにしておくことで、失敗のない就活に役立つ業界研究が行いやすくなりますよ。
業界研究の目的は、業界や職種についての理解を深め、自分に向いている仕事を見つけるためです。
自分に向いていない仕事に就いてしまうと、いわゆるミスマッチになってしまいます。
思うように成果があがらないばかりか、仕事自体が苦痛になってしまうでしょう。
ミスマッチを起こさないためにも、業界研究に力を入れることをおすすめします。
業界研究のより詳しい目的や注意点について知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
広告業界とは
広告業界では、さまざまなメディアを使って広告を打ち出していきます。
まずは業界全体像を把握して、基礎知識を身につけていきましょう。
- 広告業界の概要・ビジネスモデル
- 広告業界の基礎知識
- 広告業界の売り上げランキング
業界全体について知っておくと、仕事にやりがいを感じやすくなりますよ。
自分の仕事が業界にとってどんな影響を与えているかが、見えるようになるからです。
広告がどのように作られていくのか、広告でどのように収益をあげていくのかをチェックしていきましょう。
広告業界の概要
以上の図のように、広告が私たち消費者に届くまでにたくさんの企業が関わっています。
それぞれの役割についてまとめましたので、確認してみてください。
- 広告代理店:企業からの依頼を受けて広告出稿を代理で行う
- 広告制作会社:広告を制作する
- アドネットワーク事業者:インターネットに一括で広告を出稿する
- メディアレップ:各メディアの広告枠を卸売りする
- メディア(媒体):広告枠を販売する
メディアに関しては、テレビ業界や出版(雑誌)業界などのそれぞれ固有の業界があります。
興味があれば、それぞれの業界についての記事も読んでみてください。
広告業界の基礎知識
広告制作会社なども広告業界に含まれますが、業界の中心になるのは広告代理店です。
広告代理店は新聞・雑誌・インターネットなどをはじめとした、あらゆるメディアに広告を出します。
そして、扱うメディアの種類や仕事範囲によって以下3種類に分けられます。
- 総合広告代理店
- 専門広告代理店
- ハウスエージェンシー
①総合広告代理店
総合広告代理店は、さまざまなメディアに対して広告を出稿します。複数のメディアに広告を出すなど複雑な広告戦略が可能です。
また、広告の企画から制作までをトータルで請け負います。細かいカスタマイズもできるのが強みです。
②専門広告代理店
専門広告代理店は、特定のメディアに特化した広告代理店です。
以前は雑誌や屋外広告が多かったものの、現在ではインターネット広告を専門的に扱う広告代理店が増えています。
複数媒体に広告を出すことはできませんが、1つのメディアに関して深い知見があるのが強みです。
③ハウスエージェンシー
ハウスエージェンシーは、グループ会社の広告出稿のみを扱います。総合広告代理店のように複数のメディアを使うことが多いです。
グループ会社に特化しているので、宣伝したい商品やサービスへの知識が活かせます。ブランドイメージを守った広告が出せることが強みでしょう。
広告業界の売り上げランキング
業界分析をする際には、業界上位3つの企業をチェックするようにしましょう。トップの企業について理解すれば、業界全体の動向が見えてくるからです。
売り上げの大きな企業ほど情報発信が盛んなので、業界の知識を効率よく身につけられますよ。
広告業界の売り上げランキングは上の図の通りです。広告業界に興味がある人は、上位3社の公式サイトをチェックしてみてください。
また、この記事で紹介した代理店の種類なども考慮しながら、気になる企業を見つけてみるのもよいでしょう。
広告業界の現状と今後の動向
時代の流れが速くなっている現代では、将来的になくなる仕事もあります。
自分に向いているかだけでなく、業界全体の将来性についても理解するようにしてください。
それでは、広告業界の将来性について見ていきましょう。
- 広告業界の現状
- 広告業界の今後の動向
広告業界の現状
さまざまなメディアがありますが、とくに広告費が高いのがテレビとインターネットです。
今まではテレビにかけられる広告費が圧倒的に高かい時代が続きました。しかし、近年はインターネットの方が高くなっています。
総務省の『主なメディアの利用時間と行為者率』を見ると、若い世代ほどインターネットから情報収集する傾向があるようです。
時代が進むにつれて世代交代が起こると、さらにインターネット広告が広まっていきます。
将来性のある仕事をしたい場合には、インターネット広告を扱う企業に入るとよいでしょう。
広告業界の今後の動向
インターネット広告は、個人の趣向にあわせた広告を出せることが大きな強みです。
購入する見込みが高い人を狙い撃ちできるため、効率がよいとされています。
しかし、インターネットにおける個人情報の取扱について疑問視する動きが出てきました。
たとえば、Appleはアプリでの個人情報保護を強化すると発表しています。
個人情報保護が進めば、個人の趣向にあわせた広告出稿ができなくなるでしょう。
広告出稿の仕方が根本的に変われば、広告業界全体が混乱に陥る可能性もあります。
GAFAMなどの大企業が、個人情報保護について今後どういった対応をするのかに注目してみてください。
ちなみに、GAFAMは以下5社のことを指します。
- Amazon
- Apple
- Microsoft
インターネット業界やIT業界などでよく使われますので、覚えておくとよいでしょう。
広告業界の仕事内容
広告業界全体の理解が深まったところで、具体的な仕事内容について見ていきましょう。
広告業界の代表的な職種は、以下4つがあります。
- 営業
- プランナー
- クリエイティブ
- データ分析
①営業
広告を出稿したい顧客(企業や個人)を見つけて、広告の出し方について提案する仕事です。
広告に対する基礎的な知識が必要になります。また、顧客を納得させるために論理的な説明をする能力も大切でしょう。
論理的な思考が得意な人や、人と関わるのが好きな人に向いています。
②プランナー
どのように広告を出していくのかを決める仕事です。
どのメディアに広告を出すのか、どういったメッセージを打ち出すのかなど、たくさんの判断が必要とされます。
ほかにはない独創的な発想が活かせる仕事です。アイディアを出すのが得意な人に向いているでしょう。
③クリエイティブ
広告を制作する仕事です。具体的には以下のような職種があります。
- ディレクター:広告主の依頼通りの広告をつくるためにチームをまとめる
- グラフィックデザイナー:具体的なデザインをつくる
- コピーライター:魅力を伝えるキャッチフレーズをつくる
どれも単調な仕事ではなく、創造性が大切な仕事です。
表現することが好きな人や、新しいものを生み出すことに喜びを感じる人に向いていると言えるでしょう。
④データ分析
インターネット広告を見た顧客の反応を分析する仕事です。反応のよい広告を見つけ、より顧客の心に響く広告を模索します。
個人情報保護が進むと仕事内容に変化が起きる可能性があるので、注意が必要です。
具体的な職種としては、データサイエンティストやエンジニアが挙げられます。
データを客観的に読み解く力が必要な仕事です。
広告業界に向いている学生
ここまでしっかりと記事を読み込んだ人は、広告業界について理解が深まってきたでしょう。
しかし、「自分が広告業界に向いているかわからない」と感じている人もいるかもしれません。
広告業界に向いている学生の特徴を紹介するので、確認してみてください。
- 流行に敏感である
- 協調性がある
- チャレンジ精神がある
①流行に敏感である
広告が世間に受け入れてもらえるかどうかは、流行によって左右されます。
近年の流行を例にするなら、ジェンダーに対する価値観がわかりやすいでしょう。一昔前なら「男は外で働いて、女は家を守る」というのが当たり前でした。
しかし、現代ではそういったメッセージは性差別として受け取られてしまう可能性さえあります。
このように、流行によってよい広告の定義が変化しているのです。
流行に敏感な人は時代の流れを適切に読み解いて、よい広告を打ち出せるでしょう。
流行への感度は、訓練次第で磨いていくこともできます。
普段からニュースをチェックするなどの癖をつけてみましょう。「広告にどう活かせるか?」も考えられるとなおよいです。
②協調性がある
広告はさまざまな企業や人と協力しながらつくるものです。そのため、周囲の人と協力できる人が向いています。
しかし、「協調性がある=自己主張をしない」ではないので注意しましょう。
広告業界は常に新しいアイディアが求められる世界です。新しいアイディアは複数の人との関わることで生まれやすくなります。
周囲に配慮しつつも自分の意見を伝える能力が大切なのです。
日常的に人と関わる際、相手の気持ちを害さないように自分の意見を伝える工夫をしてみましょう。
日頃から癖づけておけば、仕事を始めたときに大きな武器になりますよ。
③チャレンジ精神がある
ITテクノロジーの進歩や時代の流れにあわせて、広告の出し方も変化させる必要があります。
変化は1度に起こせるものではなく、小さなチャレンジを積み重ねることで起こるものです。
新しいことに臆せず立ち向かっていくチャレンジ精神がなければ、広告業界は衰退していってしまうでしょう。
前向きに新しい手法を実践できるチャレンジ精神は、広告業界にとても大切なのです。
ただし、なんでもかんでもチャレンジするのが必ずしもよいとは言えません。
大きな損失を出してしまえば、会社にとってマイナスになってしまうからです。
失敗したときのリスクの大きさにも気を配りましょう。
まずは、「最大のリスクが現実になったらどうなるか?」を考える癖をつけてみてください。
最大のリスクが現実になっても問題ないと判断できれば、堂々とチャレンジできますよ。
まとめ
広告業界について紹介してきました。
広告業界はITテクノロジーの進歩によって、大きな転換期を迎えています。今後も常に変化し続けることが求められていくでしょう。
ITテクノロジーがどう進歩しているのか、その影響でメディアがどう変わっていくのかに注目してみてください。
とは言え、メディアは複数あるので「どのメディアから調べたらいいかわからない」と戸惑ってしまう人もいるでしょう。
まずは、最も広告費が高いインターネット業界について理解を深めるのがおすすめです。
インターネット業界については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。